コールセンターCTIシステム「DISH」とは?
コールセンターCTIシステム「DISH」とは、株式会社ランドスケープが提供するコールセンターシステムです。
コミュニケーションデータや顧客データベースを一元管理して、顧客の管理や把握、運用、分析までを実現できます。
インバウンドとアウトバウンドの両方に対応しており、電子メール・ファックス送受信などのマルチチャンネルにも対応可能です。
「戦略的コールセンターシステム」とも呼ばれており、データベースマーケティングやCRMのノウハウが詰め込まれています。
そんなDISHの下記の2点について、見ていきましょう。
- DISHの料金プラン
- DISHの特徴
ひとつずつ解説していきます。
DISHの料金プラン
DISHの料金プランは、下記の通りです。
名称 | フリー |
初期費用(税抜) | 800,000円 |
月額利用料(税抜) | 28,000円 |
月額/ユーザー | – |
料金プランは1つのみで、無料トライアルはありません。
最低利用人数は1人〜となっています。
DISHの特徴
次に、DISHの特徴を解説します。
- 特徴1:顧客関係継続に特化した設計
- 特徴2:データベース「LBC」との連携が可能
- 特徴3:集計機能が多く搭載
ひとつずつ解説していきます。
特徴1:顧客関係継続に特化した設計
DISHは、顧客と継続的にやりとりできる設計に特化したコールセンターシステムです。
顧客との関係性の継続や収益を重要視して開発されているため、電話を絡めて顧客を獲得する事業に適しています。
顧客関係継続が企業にもたらすメリットは、下記の通りです。
- 売上計画が立てやすくなる
- 継続的に安定した売上の確保
- 新商品・サービスをアプローチしやすくなる
さらにDISHでは、特定の顧客と継続的で多様なコンタクトを想定して、全てのコンタクト履歴を記録しています。
そのため、イベントへの参加やDMの発送といった、電話以外で顧客の動きを時系列で把握できます。
さまざまなアプローチの組み合わせによって、計画的に顧客の獲得・育成が可能になるでしょう。
特徴2:データベース「LBC」との連携が可能
DISHは日本最大級の法人データベースである「LBC」との連携が可能です。
LBC(Linkage Business Code)は、820万拠点の企業データを保有しており、国内拠点網羅率は99.7%にのぼります(2023年2月時点)。
高精度なデータ結合を実現しているLBCの特徴は、下記の通りです。
- 企業の資本関係だけでなく、本社・事業所関係のグループ情報も保持
- 企業情報の変化を毎日チェック・更新しており、データの鮮度の精度を維持
- 法人企業の社名表記マスターや統廃合など、正規化の精度を高めるマスターデータを多数保有
また民間企業以外の中央官庁や地方自治体、学校、病院、社会福祉法人、公益法人、宗教法人といったデータも登録されています。
そのためDISHを活用することで、重要なターゲット・未開拓市場を発見するサポート以外に、経験に基づいた提案も可能です。
特徴3:集計機能が多く搭載
DISHには、評価・分析といったさまざま集計機能が搭載されています。
電話対応業務に関連して、下記のような機能があります。
- KPI値をさまざまなデータ集計結果に併せて表示する
- オペレーターやグループごとに、目標達成状況を集計できる
また、集計可能な領域は下記の通りです。
- オペレーターの業務集計
- キャンペーン単位での集計
- テレマーケティングの集計結果・レスポンス
集計結果はCSVファイルとして出力できるので、オペレーターへの分析や評価ができます。
つまりフィードバックによって、顧客に対する対応品質改善を進められるでしょう。
こちらの記事では、CTIとコールセンターシステムとの違いや、CTIシステムを選ぶ際のポイントを解説しているので、ぜひ参考にしてください。
DISHの基本機能
ここまで、DISHの料金プランや特徴をお伝えしました。
続いて、DISHの基本機能を解説します。
- 機能1:ポップアップ
- 機能2:顧客情報との連携
- 機能3:着信の自動振り分け(ACD)
- 機能4:音声通話の録音
- 機能5:自動音声応答(IVR)
- 機能6:Q&Aの登録
ひとつずつ解説していきます。
機能1:ポップアップ
DISHには、顧客情報を検索して画面に表示するポップアップ機能があります。
本来ポップアップ機能は、顧客の購買率を高めたり離脱率を下げたりする場合に活用されるケースがほとんどです。
しかしDISHでは、着信した相手の電話番号をもとに顧客の情報の検索・画面に表示することで、よりスムーズなやりとりを実現しました。
機能2:顧客情報との連携
DISHの機能では、顧客情報と自社のCRMの連携が可能です。
顧客情報との連携によって、日々のやりとりの記録を顧客情報に追加できます。
また、自社のCRMと顧客情報を連携するメリットは、下記の通りです。
- 顧客の詳細な状況を理解したうえで対応できる
- 顧客情報の分析によって、業務改善が見込まれる
- 個々のデータ管理よりも情報漏洩のリスクが低い
- 情報共有を円滑にできるため、組織の対応力があがる
- 対応時にトラブルがあった場合でも状況を確認しやすい
- 顧客との過去のやりとりを参考にして、効果的なアプローチが期待できる
また、顧客情報はクリックするだけで発信できます。
顧客のさまざまな情報を一元管理できるので、情報を探す手間や時間が削られて業務効率化につながるでしょう。
こちらの記事では、CRMの概要や基本的な機能、自社に適したCRMを選ぶポイントを解説しているので、ぜひ参考にしてください。
機能3:着信の自動振り分け(ACD)
DISHに備わっている機能として、着信の自動振り分け(ACD)があります。
着信の自動振り分け(ACD)とは、顧客から着信があった際にルールに応じて通話先をコントロールできるシステムです。
待ち時間の長いオペレーターへ優先的に電話をつないだり、スキルや空き状況に合わせて通話を振り分けたりできます。
着信の自動振り分け(ACD)の導入による、オペレーターと顧客のメリットは、下記の通りです。
メリット | |
オペレーター | ・労働生産性が均等化される |
顧客 | ・待ち時間が短くなる ・満足度の高い対応をしてもらえる ・応対品質や信頼性の高いオペレーターにつながりやすい |
顧客満足度だけでなく、顧客を失うリスクの回避や業務効率化につながるでしょう。
機能4:音声通話の録音
DISHには、顧客との音声通話を録音する機能があります。
音声通話を録音するメリットは、下記の通りです。
- トラブルが発生した際の原因を究明できる
- 社内コンプライアンスの向上に役立てられる
- 商品・サービス向上につながる顧客の要望を経営陣に進言できる
- 顧客の発言した内容を聞き間違い・聞き逃しするリスクを減らせる
しかし、音声通話の録音はオペレーターの心理的負担になる場合もあるでしょう。
理由は、音声通話の録音を「監視されている」と捉えるオペレーターが存在するためです。
最悪の場合は、録音が原因で離職してしまうかもしれません。
そのためOJTやロールプレイを活用して、オペレーターが心理的な余裕を持てるようにしましょう。
こちらの記事では、OJTの概要やメリット・デメリット、向いていない人の具体例を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
機能5:自動音声応答(IVR)
DISHの機能として、自動音声応答(IVR)も備わっています。
自動音声応答(IVR)とは、着信時にメッセージを自動再生して、顧客の入力したボタンによって各オペレーターに割り振られるシステムです。
カスタマーサービスに電話した際の、音声ガイダンスといえばイメージできる方も多いのではないでしょうか。
自動音声応答(IVR)を活用するメリットは、下記の通りです。
- 業務の効率化につながる
- 部署間でのたらい回しがなくなる
- キャンペーンなどの営業戦略に活用できる
- 保留時間短縮により顧客満足度が向上する
- 音声ガイダンスで24時間365日対応できるようになる
- オペレーターによる電話の取り次ぎや応対の負荷が軽減される
また、自動音声応答(IVR)の目的は、利用者が担当者とストレスなく話すことです。
そのためシナリオを作成する際は、以下の点に気をつけましょう。
- 業界用語や専門用は使用しない
- シンプルで分かりやすい内容・設計にする
- それぞれのガイダンスは短く簡潔にまとめる
さまざまな利用者を想定して、「オペレーターと話す」もしくは「その他の問い合わせ」といった選択肢も用意しておきましょう。
機能6:Q&Aの登録
DISHには、Q&Aを登録できる機能があります。
Q&Aの登録によって、よくある質問に対する解答例を登録できたり、システム上で簡単に検索できたりします。
登録するメリットは下記の通りです。
- 問い合わせ件数が削減される
- オペレーターの負担を軽減できる
- オペレーター同士で、顧客対応マニュアルや過去の問い合わせ履歴を共有できる
- ユーザー自身で悩みや疑問を解決できるので、問題解決までの時間が短縮される
DISHはオペレーターの1日あたりの応対件数を削減し、業務負担を軽減できるでしょう。
DISHの稼働状況の管理
ここまで、DISHの基本機能をお伝えしました。
続いて、DISHの稼働状況の管理について解説します。
- オペレーター管理
- 対応状況のモニタリング
- レポート
ひとつずつ解説していきます。
オペレーター管理
DISHは、オペレーターが通話中・退席中といった状況をリアルタイムで確認できます。
これまではたくさんの電話機を並べて、着電すると問い合わせや注文対応に追われていました。
しかしDISHを活用することで、すべてオペレーターが対応していた業務の一部を省略できます。
さらにオペレーターの状況をリアルタイムで把握できるので、管理者の負担も削減できるでしょう。
対応状況のモニタリング
DISHでは、オペレーターごとにコール数や対応数、着信数などをモニタリングできます。
モニタリングにより期待できる効果は、下記の通りです。
- 各オペレーターのスキルレベルの明確化
- オペレーター自身のモチベーション維持
- トークスクリプトや業務プロセスにおける問題点の発見
対応状況をモニタリングする際は、「クレーム対応の補助として活用する」「オペレーターを適切に評価する」といった明確な目的を設定しましょう。
レポート
BISHには、稼働状況や対応数をレポートとして可視化できます。
レポートによって、統計データから中長期的な目標や指標値を設定できるでしょう。
また計測データから分析して、業務改善につなげられます。
レポートにおいて重要なポイントは、下記の2つです。
- 長期的な視点を持つ
- データを俯瞰的に見て、ばらつきに着目する
BISHのレポートは、業務改善や生産性向上に欠かせない方法といえるでしょう。
まとめ
今回は、コールセンターCTIシステム「DISH」の料金プランや基本機能などを解説しました。
DISHの特徴は、下記の3つです。
- 顧客関係継続に特化した設計
- データベース「LBC」との連携が可能
- 集計機能が多く搭載
また、ポップアップや着信の自動振り分け(ACD)、自動音声応答(IVR)など、さまざまな機能があります。
本記事でお伝えした、「オペレーター管理」や「対応状況のモニタリング」といった管理方法も参考にして、自社への導入を検討してください。
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