メールマーケティングの目標
メールマーケティングの目標は、顧客から自社の商品・サービスを購入もしくは利用してもらうことです。
また、その目標は下記の4つに分類できます。
- 顧客を育成する
- 顧客との関係性を良好に保つ
- 顧客の購入意欲を選別する
- 見込み顧客にアクションを起こしてもらう
それぞれ詳しく解説していきます。
顧客を育成する
メールマーケティングの目標のひとつは、見込み顧客の育成(リードナーチャリング)です。
特にBtoBビジネスにおける顧客育成では、顧客の知識を高めながら購買意欲を高めていきます。
顧客育成の方法は、下記の通りです。
- メールマガジン
- ステップメール
- セグメントメール
見込み顧客を育成することで、自社の商品・サービスの強みや競合他社の類似商品・サービスに関する比較情報などを提供できます。
BtoBの領域では顧客が購入に至るまでの期間が長く、購入後は長期的な付き合いとなるため、丁寧に取り組まなければなりません。
顧客との関係性を良好に保つ
メールマーケティングの目標として、顧客との良好な関係性の維持があります。
購入までの検討期間が長いほど、放置して忘れてしまう可能性もあるはずです。
しかしメールマーケティングを活用することで、下記の効果があります。
- 自社の印象を思い出してもらえる
- 休眠・脱落していたニーズを掘り起こせる
例えば「6ヶ月前に断られた商談先」や「資料ダウンロード後に連絡がない」といった顧客に、メールを送る方法も効果的です。
また商談が成立した後は、関係性を保つために顧客を放置しない意識を持ちましょう。
セミナー案内や顧客が購入した商品・サービス情報などを継続的に提供すれば、顧客とのエンゲージメントやLTV(ライフタイムバリュー)の向上が期待できます。
顧客の購入意欲を選別する
メールマーケティングには、顧客の購入意欲を選別する目標があります。
購入意欲の高い顧客を選別する理由は、営業担当者による電話・訪問でのフォローには限界があるためです。
そのため顧客の購入意欲を測る方法として、下記が挙げられます。
- 配信したメールが開封されたか
- メールに添付したURLがクリックされたか
- URLをクリックして、事例や製品資料が見られているか
メールマーケティングは無料で送信できますが、配信数や工程数が増えた場合は、MAツールの活用も検討しましょう。
見込み顧客にアクションを起こしてもらう
メールマーケティングの目標は、見込み顧客にアクションを起こしてもらうことです。
例えば資料請求した顧客にメールを配信する際は、下記の内容でアプローチを行います。
- アポイントを伺う
- 業界の課題・改善点を連載形式で配信して、セミナー参加に促す
- 商品・サービス事例を紹介して、詳しい資料をダウンロードしてもらう
メールマーケティングを通じて、商談へのアクションやセミナー参加、資料ダウンロードにつなげていきましょう。
こちらの記事では、BtoBメールマーケティングで成果を出すポイントやコンテンツの例を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
メールマーケティングにおける代表的なKPI設定
ここまで、メールマーケティングの目標をお伝えしました。
続いて、メールマーケティングにおける代表的なKPI設定を解説します。
- CVR
- CTR
- 開封率
- 到達率
ひとつずつ解説していきます。
CVR
メールマーケティングにおけるCVR(Conversion Rate)とは、メール配信後に目標とする最終的な成果に至った割合です。
CVRは、「CV数÷クリック数×100」で算出できます。
またCVRを上げるポイントは、下記の3つです。
- セグメント配信を行う
- 入力フォームを改善する
- メールの内容と遷移先ページを統一する
ちなみにCVRの平均値は、業種や商品・サービス、設定方法で異なります。
そのためKPIを設定する際は、CVRの基準を明確にしてから配信しましょう。
CTR
メールマーケティングにおけるCTR(Click Through Rate)とは、配信されたメールのリンクがクリックされた割合です。
CTRは、「(クリック数÷配信)×100」で算出できます。
CTRを向上させるポイントは、下記の3つです。
- CTAボタンを工夫する
- レスポンシブメールを送信する
- 顧客が魅力的に感じるコンテンツを送信する
メールマーケティングでは、設置されたリンクのクリック数によって、顧客の興味・関心度合いを測れます。
またツールを活用することで、CTRの分析も可能です。
開封率
メールマーケティングでは、画像データである「Webビーコン」が受信先メーラーで表示されたかどうかによって、開封率が計測されます。
開封率は、「メルマガ開封数÷メールの到達数×100」で算出されます。
また開封率を上げるポイントは、下記の5つです。
- 件名を工夫する
- データ容量を考慮する
- プレヘッダーを意識する
- ターゲットに合わせて配信する
- 差出人名と差出人のアドレスを設定する
当然ですが、メールが開封されなければリンクもクリックされません。
そのためCTRも測定できるCRMやメール配信システムを活用して、メール配信を正確に測定しましょう。
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到達率
メールマーケティングにおける到達率とは、エラーにならず顧客のメールサーバーへメールが届いた割合です。
到達率は、「到達数÷配信総数×100」で算出されます。
またメールの到達率を上げる方法は、下記の7つです。
- 配信停止方法を明記する
- 送信ドメインの認証を行う
- IPアドレスを分けて配信する
- 顧客ニーズを把握して配信する
- メール配信システムを利用する
- エラーメールアドレスを削除する
- スパムトラップのアドレスは避ける
ただし、ISP(Internet Service Provider)によって到達率が左右される点は覚えておきましょう。
ISPではIPアドレスをスコア化した「IPレピュテーション」が導入されているため、なるべく高いスコアを維持する必要があります。
こちらの記事では、BtoBマーケティングにおけるKPI設定の重要性やポイント、設定例を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
メールマーケティングのKPIを改善する方法
ここまで、メールマーケティングにおける代表的なKPI設定をお伝えしました。
続いて、メールマーケティングのKPIを改善する方法を解説します。
- 定期的にリストスクリーニングを行う
- なりすましメールへの対策を行う
- メールのタイトルを改善する
- 効果の高い日時に配信する
- ファーストビューの見え方を改善する
- CTAを改善する
ひとつずつ解説していきます。
定期的にリストスクリーニングを行う
メールマーケティングのKPIを改善するには、定期的なリストスクリーニングが必要です。
リストスクリーニングの特徴として、下記が挙げられます。
- IPレピュテーションを高い水準で保てる
- エラーとして返ってきたメールを、メールアドレスから除去できる
定期的にリストスクリーニングを行わなかったり、大量のエラーリストに配信したりした場合に、迷惑メールと判定されやすくなるので注意しなければなりません。
ちなみにリストスクリーニングは手動でも実行できますが、メール配信システムを導入することで自動もしくは半自動で行えます。
なりすましメールへの対策を行う
メールマーケティングのKPIを改善する方法は、なりすましメールへの対策が挙げられます。
なりすましメールとは、悪意のある第三者が企業・団体を装い送信されるメールです。
対策として「送信ドメイン認証」が採用されており、下記の3種類に分けられています。
詳細 | |
SPF(Sender Policy Framework) | 送信元のIPアドレスとサーバーに登録されている IPアドレスを照合して、なりすましを検知する |
DKIM(DomainKeys Identified Mail) | 電子署名をメール配信に付与して、 受信側の検証によってなりすましを検知する |
DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformance) | SPFとDKIMで失敗したメール配信を、 配信側が扱いを「スパム・受信・受信拒否」で決められる |
ちなみに送信ドメイン認証はひとつだけでなく、到達率を上げるために全て設定しておきましょう。
メールのタイトルを改善する
メールマーケティングにおけるKPIの改善方法として、メールタイトルの改善が挙げられます。
メールタイトルで開封させるための施策例は、下記の通りです。
- 開封するメリットを伝える
- 内容を具体的にするために数字を入れる
- 顧客が「自分と関係がある」と思う内容にする
- 重要なポイントは15文字以内で伝える(文字が見切れるため)
メールの開封率に、最も影響を与えている重要なポイントがタイトルです。
また顧客は、タイトルの内容で中身を見るか判断している点は覚えておきましょう。
効果の高い日時に配信する
メールマーケティングにおいて、配信日時は開封率を大きく左右する要素です。
顧客が受信ボックスを利用しそうなタイミングに合わせて配信できれば、最新メールは順番に表示されるため、開封率も高まります。
一方で受信ボックスを全く見ていない日時に配信した場合、自社のメールが上位に表示される可能性は低くなるため、開封率も下がってしまうでしょう。
受信ボックスを開く日時は顧客の行動パターンによってさまざまですが、試行錯誤を繰り返しながら効果の高い日時を発見する必要があります。
ファーストビューの見え方を改善する
メールマーケティングのKPIを改善するには、本文のファーストビューを確認しましょう。
具体的に確認すべき項目は、下記の通りです。
- 本文が必要以上に長くないか
- CTAまでの距離が遠くないか
- ページの表示速度が遅くないか
- タイトルと本文に一貫性があるか
想定よりCTRが低い場合は自分のメールアドレスにメールを送信して、顧客と同じ目線でファーストビューを確認しましょう。
またメールの内容を確認する際は、画面サイズで見え方が異なるのでパソコンとスマートフォンで確認します。
CTAを改善する
メールマーケティングには、CTAの改善が欠かせません。
実際にCTAを作成する際に、押さえておくべきポイントは下記の通りです。
- 「無料」を文頭につける
- 挿入するURLは必要最低限に留める
- テキストではなくボタンリンクに変更して、視認性を持たせる
「重要なポイントがわからない」「最後の一押しが弱い」などの問題を解消して、CTAの向上を目指しましょう。
メールマーケティングでKPIを設定するコツ【SMART】
ここまで、メールマーケティングのKPIを改善する方法をお伝えしました。
続いて、メールマーケティングでKPIを設定するコツを紹介します。
- Specific(明確性)
- Measurable(測定可能)
- Achievable(達成可能)
- Related(関連性)
- Time bounded(適時性)
それぞれ紹介していきます。
Specific(明確性)
メールマーケティングのKPIは社内で共有されるケースがあるため、第三者が見ても明確な指標を設定しなければなりません。
実際にSpecific(明確性)を設定する際は、下記の問いに対する答えを用意しておきましょう。
- どのタイミングで配信するのか
- 配信までにどういったステップがあるか
- ほかの業務と比べて、どれくらいの優先順位をつけるか
KPIが曖昧な場合、従業員は何をするべきか迷ってしまう可能性があります。
そのため、明確なメールマーケティングの目標を設定しましょう。
Measurable(測定可能)
Measurable(測定可能)におけるKPIでは、下記の2つを実施します。
- 目標達成までの進捗を確認
- 配信業務が適切に行われているか確認
確認する際に数値化できていた場合、課題を早期発見できたり、PDCAを迅速に回せたりします。
一方で数値化できていない場合は、目標達成までの正確な状況を確認できず、進捗に悪い影響を及ぼすでしょう。
Achievable(達成可能)
メールマーケティングでのAchievableとは、達成できる目標を意味します。
仮に達成できない目標をKPIに設定した場合、従業員のモチベーションは下がるでしょう。
そのため達成確率の高いKPIを設定して、全従業員から納得してもらう必要があります。
つまり実際に設定する際の判断基準は、「本当に達成できるかどうか」で決めましょう。
Related(関連性)
KPIはKGI(Key Goal Indicator)には、強いRelated(関連性)があります。
具体例は、下記の2つです。
- KPIと企業最終目標との関連性
- 個人の数値目標と企業全体との関連性
上記は経営陣だけでなく、従業員も理解しておく必要があります。
Time bounded(適時性)
メールマーケティングでのKPIを設定する際に、目標達成時期が正確かつ期限が適切に設定されているかも重要です。
仮に期限が設定されていない場合、配信業務が後回しとなる可能性があります。
そのため具体的な期限を設けて、実行すべきアクションを明確にしましょう。
まとめ
今回は、メールマーケティングの目標や代表的なKPI設定、改善方法などを解説しました。
メールマーケティングの目標は、下記の4つに分類されます。
- 顧客を育成する
- 顧客との関係性を良好に保つ
- 顧客の購入意欲を選別する
- 見込み顧客にアクションを起こしてもらう
また、代表的なKPIにはCVRやCTR、開封率、到達率があります。
本記事でお伝えしたKPIを改善する方法や設定時のコツも参考にして、自社のメールマーケティングに活かしてください。
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