「マーケティングは、何から始めたら良いかわからない」「マーケティング手法が多すぎて大変」
消費者の購買行動のオンライン化が進み、企業と消費者のタッチポイントもオンラインへと移っています。そのような中でマーケティング手法も多様化し、どの方法が効果的なのか頭を悩ませている担当者さまも多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、代表的なマーケティング手法を一覧で紹介します。また、自社の状況把握に活用できる分析手法も紹介するので、ぜひご参考ください。
マーケティングとは
そもそも「マーケティング」とは、どのような意味なのでしょうか。
よく「マーケティングとは、売れる仕組み」という定義を目にします。
「近代マーケティングの父」とも言われるフィリップ・コトラー氏は、著書『コトラーのマーケティング・コンセプト』において、マーケティングの概念について述べています。その内容を要約すると「市場のニーズを満たす製品・サービスを生み出し、どのように販売するか決定して、その結果を評価しながら提供物を高める」といった内容になります。
端的に表すと、ニーズを満たす製品・サービスを作り出し、自然と売れていく循環を作ることがマーケティングと言えます。
ただし、企業の機能としての「マーケティング(マーケティング部門)」は、少し違っています。まだ自社商材について認知していない層にアプローチしてリード(見込み顧客)を獲得し、購買意欲を高めて育成して営業・販売部門へと引き継ぐ役割を担うことが一般的です。
「マーケティング」について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参考ください。
マーケティング戦略とは
マーケティングを実行していくうえで無視できないポイントが、マーケティング戦略です。
マーケティング戦略とは、マーケティングをどのように進めていくための方向性のことです。企業がマーケティングを展開していくための「軸」や「土台」となるものなので、マーケティング戦略を策定してから実行へと移しましょう。
マーケティング戦略の立案には「STPマーケティング(STP分析)」が役立ちます。STPマーケティングとは、以下3つの要素を分析する手法です。
- S(Segmentation:セグメンテーション):市場の細分化
- T(Targeting:ターゲティング):狙うべき市場の選定
- P(Positioning:ポジショニング):自社の立ち位置の決定
現代は選択肢が充実しており、消費者のニーズが多様化しています。さらに時代の変化が激しいため、ニーズも変動していきます。
そのような状況下では、自社が狙うべき市場を見極めて自社の立ち位置を確立することが重要です。
セグメンテーション
セグメンテーションは、日本語で「分割」と訳されます。STPにおけるセグメンテーションは、消費者の属性・ニーズ・購買行動などで市場を細分化することです。
ターゲティング
ターゲティングは、ターゲットを絞り込むことです。細分化した市場のうち、自社の顧客となる可能性が高いターゲット層を見極めます。
ポジショニング
ポジショニングとは、自社の立ち位置の明確化です。ターゲットとする市場の中で、自社がどのような立ち位置にいるのか明確にします。自社だけでなく競合調査も行った上で、自社の立ち位置を分析しましょう。
代表的なマーケティング手法一覧
マーケティング手法の種類は多岐にわたります。 特に近年はマーケティング手法が多様化しています。インターネットの進歩やスマートフォンの普及により、消費者とのタッチポイント(接点)のオンライン化が進んでいるからです。
そこで、代表的なマーケティング手法を紹介します。
Webマーケティング
私たちの生活で、インターネットはもはや必需品とも言えます。そんな中、インターネット上でのマーケティング施策「Webマーケティング」の効果が高まっています。
Webマーケティングは、WebサイトやWeb広告、SNSなど、インターネット上で行うマーケティング施策全般を指します。 以下で紹介するマーケティング手法も、多くがWebマーケティングに該当します。
インバウンドマーケティング
インバウンドマーケティングは、記事やホワイトペーパー、動画などのコンテンツで価値のある情報を発信し、消費者が能動的に情報を見つけて興味・関心を引き上げていく手法です。
インターネット上にさまざまな情報があふれ、消費者自身が情報を選択できる時代になっています。企業が一方的にアプローチする「アウトバウンド型」だけでなく、消費者自らが必要な情報にアクセスできる「インバウンド型」のマーケティング手法により、消費者との信頼関係を構築できます。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、有益なコンテンツを発信して消費者との距離を縮め、リード獲得やファン醸成などにつなげる手法です。インバウンドマーケティングを実現させるための手段とも言えるでしょう。
広義では製品パンフレット・動画・メルマガなどもコンテンツに含まれますが、オウンドメディアで記事コンテンツを発信して検索エンジンで上位を獲得する(SEO:検索エンジン最適化)施策が主な方法となっています。
コンテンツマーケティングについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご参考ください。
SNSマーケティング
SNSマーケティングとは、 LINE Twitter Facebook Instagram などのSNSアカウントを運用するマーケティング手法です。
情報発信だけでなく、コメントやシェアなどで双方向のコミュニケーションができる点が強みです。
老若男女問わずSNSを利用する現代では、SNSによる消費者との関係構築は欠かせません。
Instagramマーケティングについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご参考ください。
インフルエンサーマーケティング
SNSやYouTubeなどで影響力のある人物「インフルエンサー」を、企業のマーケティングに活用する事例が増えています。
インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーとタイアップして自社商材を紹介してもらい、認知拡大やリード獲得につなげます。
インフルエンサーのフォロワーや登録者に広くアプローチできる点が魅力です。
動画マーケティング
YouTubeやTikTok、Instagramリールなど、動画コンテンツのニーズが高まっています。そのような背景から、動画で自社商材を紹介したり、有益な情報を発信したりする「動画マーケティング」が広まっています。
動画マーケティングは、視覚的・聴覚的に訴求力が高い点がメリットですが、撮影や編集など動画制作のリソースがかかる点には注意しましょう。
メールマーケティング
メールマーケティングは、以前からよく行われているマーケティング手法です。
かつては全員に画一的な内容を送る「メルマガ(メールマガジン)」が主流でしたが、現在はさまざまな施策があります。
- セグメントメール:属性や購買履歴などで細分化したターゲット層にメールを配信する
- パーソナライズメール(パーソナライズドメール):一人ひとりに必要な情報を、最適なタイミングでメールを配信する
- ステップメール:シナリオに沿ってメールを配信する
また以前はテキストのみのメールが一般的でしたが、最近ではメール内に画像挿入や文字装飾などができるHTMLメールがほとんどです。
O2Oマーケティング
O2Oマーケティングとは「Online to Offline」の略で、オンラインからオフラインへ消費者を誘導する手法です。
たとえば、以下のような流れです。
- SNSで商品について認知する(オンライン)
- Webサイトでその商品の情報を収集する(オンライン)
- アプリで割引クーポンを手に入れる(オンライン)
- 実店舗で商品を購入する(オフライン)
新規獲得だけでなくリピーター醸成にもつながる手法です。
代表的なマーケティング分析手法一覧
マーケティングでは、自社の状況や市場の動きなどに合わせ、効果的な手法を展開しなければなりません。そこで重要になるのが分析です。
マーケティングで活用できる分析手法は、主に以下のものが挙げられます。
なお「自社のマーケティング課題は何かわからない」「課題解決の方法を知りたい」という場合は、こちらの記事もご参考ください。
3C分析
3C分析では、以下3つの要素を分析します。
- Customer:市場(顧客)
- Competitor:競合
- Company:自社
内部環境と外部環境を把握し、戦略策定に役立てます。
PEST分析
PEST分析では、以下4つの要素を分析します。
- Politics:政治
- Economy:経済
- Society:社会
- Technology:技術
マクロ視点で外部環境を分析し、自社を取り巻く状況を把握します。
ファイブフォース分析
ファイブフォース分析は、以下5つのフォース(脅威)の要素を分析します。
- 既存の競合企業
- 新規参入企業
- 代替品の存在
- 売り手(サプライヤー)の交渉力
- 買い手(顧客)の交渉力
自社にとっての脅威を把握し、対抗策を打ち出します。
SWOT分析
SWOT分析とは、以下4つの要素を分析します。
- Strength:強み
- Weakness:弱み
- Opportunity:市場・顧客
- Threat:脅威
一つひとつの要素だけでなく、掛け合わせて分析することで具体的な戦略につなげます。
VRIO分析
VRIO分析では、自社の経営資源を以下4つの要素から分析します。
- Value:経済的な価値
- Rareness:希少性
- Imitability:模倣可能性
- Organization:組織
自社の強み・弱みの把握に役立ちます。
STP分析
STP分析は、1章で紹介した通り、以下3つの要素を分析する手法です。
- Segmentation:市場の細分化
- Targeting:狙う市場の決定
- Positioning:自社の立ち位置を確立
市場選定や販売方法の検討に役立ちます。
マーケティング手法を実践・支援できるサービス5選
効果的にマーケティング手法を実践するためには、サービスやツールの活用が欠かせません。おすすめのマーケティングサービスを5つ紹介します。
モニタリングDX | SNS集客
「モニタリングDX」は、SNSや口コミの投稿をAIが分析するツールです。
料金プラン
プラン名 | 1KWプラン | 2KWプラン | 3KWプラン |
---|---|---|---|
初期費用 | 150,000円 | 150,000円 | 150,000円 |
基本料金 | (月額)85,000円~ | (月額)150,000円~ | (月額)200,000円~ |
従量料金 | – | – | – |
TACT SEO | Web・SEO集客
「TACT SEO」は、 SEO対策に必要な調査 SEO課題の分析 リライトの効率化 など、SEO対策に活用できる機能が搭載されたSEO対策ツールです。
料金プラン
プラン名 | ライトプラン | プロフェッショナルプラン | エキスパートプラン |
---|---|---|---|
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
基本料金 | (月額)50,000円 | (月額)90,000円 | (月額)170,000円 |
従量料金 | オプションあり | オプションあり | オプションあり |
Freeasy | マーケティングコスト削減
「Freeasy」はインターネット上でのアンケートを行い、マーケティングリサーチを効率化するためのツールです。
料金プラン
プラン名 | スクリーニングアンケート | 本調査 |
---|---|---|
初期 費用 | なし | なし |
基本 料金 | なし | なし |
従量 料金 | 5問以内の場合、1000サンプルごとに5,000円(税別) 6問以上10問以内の場合、1000サンプルごとに10,000円(税別) | 設問数×サンプル数×10円(税抜) ※データクリーニングオプション利用時は、設問数×サンプル数×15円(税抜) |
LetroStudio | 動画活用・コンテンツ制作
「LetroStudio」は、800以上のテンプレートで質の高い動画コンテンツを作れる動画制作ツールです。
料金プラン
プラン名 | 自社利用プラン | 広告代理店プラン |
---|---|---|
初期費用 | 200,000円 | 200,000円 |
基本料金 | (月額)180,000円 | – |
従量料金 | – | (月額)150,000円 |
coorum | ファンマーケティング
「coorum」は、コミュニティを活用してファンを醸成するためのコミュニティ管理ツールです。
料金プラン
プラン名 | お問い合わせください |
---|---|
初期費用 | お問い合わせください |
基本料金 | お問い合わせください |
従量料金 | お問い合わせください |
まとめ
マーケティング手法が多様化している中で、自社のターゲット層に効果的なマーケティング手法を打ち出すことが重要です。
特に最近ではオンライン手法の有効性が高まっているので、自社のターゲット層がどのようなプラットフォームやメディアを活用しているのか把握し、タッチポイントを見極める必要があります。そしてツールやサービスを活用し、効率的なマーケティングを展開しましょう。
まずは、どのようなマーケティング手法があるのか本記事で理解した上で、最適な手法を選択してください。
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