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リブランディングとは?企業をより成長させるブランド戦略について解説

投稿日:2020年2月24日 /

更新日:2022年10月4日

リブランディングとは?企業をより成長させるブランド戦略について解説
● マーケティング

「リブランディング」とは、既存のブランドを時代や顧客の変化に合わせて再度構築することです。リブランディングが注目を浴びている背景には、テクノロジーの発展によりあらゆる物事が変化するスピードが速まっている昨今の社会情勢があります。この記事ではリブランディングの意味と、その重要性を詳しく解説し、ビジネスでの具体的な成功事例を紹介します。

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リブランディングとは

リブランディングとは

「ブランド」とは他社や他社製品にはない独自の魅力です。 いったんブランドを確立すれば宣伝広告費の削減、リピート率の向上、顧客のロイヤリティ向上などのメリットを享受することができます。 その既存ブランドを、時代や顧客の変化に合わせて再度構築するこが「リブランディング(ブランドの再生、再構築)」です。 どのようなブランドも、一切の変化を加えなければ時間の経過とともに飽きられて陳腐化することがあります。 リブランディングの意義は、ブランドが市場や外部環境の変化に対応できず行き詰まる状況を打開し、さらなる発展を目指すことにあります。

ブランディングとの違い

リブランディングが新規の「ブランディング」と決定的に異なるのは、既に確立されたブランドを継承しつつ変えていく点にあります。

ブランドは、ロゴなどのビジュアルイメージやキャッチコピーなど外面的なものから、製品やサービスを通して得られる利用価値や顧客体験などさまざまな要素で構成されています。 リブランディングでは、既存ブランドが築き上げたこれらの資産のプラス面を継承した上で、時代の変化や顧客ニーズ、市場の変化など外部要因を客観的に分析して現状に合わなくなっている点を変えていくことが求められているのです。

企業がリブランディングに取り組むタイミング

では、リブランディングが行われるのは具体的にどのような場合でしょうか。ここではリブランディングが検討されるいくつかのタイミングを紹介します。

ブランド

新たな市場への参画

リブランディングのタイミングとしてまず挙げられるのは、既存のブランドで新たな市場に参入を図るときです。 これには海外進出など販売対象エリアを広げたい場合や、中高年層に支持されていたブランドを若年層にも広げて顧客層を増やしたいケースなどが該当します。 新規市場に参入し、独自のポジションを築いて定着を目指す場合に、しばしばリブランディングが行われます。

時代や顧客ニーズの変化

ある時期まで支持されていたブランドが、時代の変化とともに低迷することがあります。 これは、経済情勢の悪化、強力な競合製品の出現、顧客のライフスタイルや好みの変化などの要因が顧客離れを引き起こしている可能性があります。 このように、外部環境の変化がブランドの価値に影響していると考えられる場合もブランド戦略を練り直すタイミングの一つです。

ターゲットからの反響が少ない

ブランドを新規に立ち上げても、想定したターゲットから望ましい反応が得られないことがしばしばあります。 リブランディングは、その場合の対策としても有効な手法の一つです。ブランドコンセプトや表現を見直すことで、ターゲットにメッセージが伝わりやすくなることもあります。

ただ、通常はブランドが市場に定着するまでに一定の時間がかかるため、判断を急ぐことは禁物です。 新規立ち上げ時にブランドコンセプトを明確にした上で、数値など客観的な指標を基にして中長期的に判断することが大切です。

ブランドのさらなる成長

ブランドの低迷時以外にもリブランディングを行うタイミングがあります。それはブランドのさらなる成長を目指す場合です。

マーケティングの分野では、製品やサービスには市場に現れてから消えていくまでの“寿命”があるという前提で、成長~衰退の過程を段階別に分ける「プロダクトライフサイクル(PLC)」というフレームワークを使って戦略を立てることがあります。 このライフサイクルを踏まえて、ブランドがまだ好調なうちに、将来を見据えて新しいことに挑戦しブランドのライフサイクルをリフレッシュする目的でリブランディングを行うことがあります。

陥りがちなリブランディングの失敗

陥りがちなリブランディングの失敗

リブランディングを行っても期待した結果を出せないケースがあります。続いては、リブランディングで陥りやすい失敗例を紹介します。

顧客ニーズの無視

リブランディングの失敗でよくあるパターンは、顧客目線を考慮せずに一方的な思い込みで施策を行うケースです。 「この方がより売り上げが伸ばせるだろう」と企業側が想定した内容と顧客のニーズがずれていた場合、深刻な売り上げ減少を引き起こすことがあるため注意が必要です。 リブランディング成功の確率を高めるには、マーケティングの基本である「顧客のニーズ」を正確に把握してブランドコンセプトを考えることが大切です。

ターゲット以外からの反感

リブランディングの内容に、想定したターゲット以外の層から反感を買うような表現が含まれている場合は失敗する可能性が極めて高くなります。 マーケティングの基本はターゲットを明確にして、そのターゲットに最適なメッセージを発信することにありますが、「○○な方」などの直接的な表現を使ってターゲットの属性を明確に指定してしまうと、ターゲット以外から反感を買う可能性があります。 SNSが普及している現代では想像を超えるスピードと規模で悪評が広まることがあり、肝心のターゲットが離れてしまうことにもなりかねません。 リブランディングの内容に不適切な表現が含まれていないか細心の注意を払いましょう。

リブランディングの成功事例

では、実際にリブランディングを成功させた企業について事例を紹介していきましょう。 ここでは老舗の強みを前面に打ち出した菓子メーカーの「湖池屋」、「ポカリスエット」の支持層を広げた「大塚製薬」、農業機械メーカーからステップアップを図った「ヤンマー」の3社について詳しく解説します。

CX施策事例

老舗というポジショニングを狙う:株式会社湖池屋

菓子メーカーの湖池屋は1953年に創業し、1967年に国内で初めて「ポテトチップス」の量産に成功した企業です。 主力製品はスナック菓子で、ポテトチップスのほか、「カラムーチョ」「スコーン」「ドンタコス」「ポリンキー」などのヒット商品があります。

その湖池屋は2016年10月、佐藤章氏が新社長に就任したことなどをきっかけに、リブランディングに取り組みました。 当時、ポテトチップスの市場が縮小し平均売価が下落、湖池屋もまた価格競争で消耗するという悪循環に陥っていました。

ポテトチップスの売り上げが停滞した理由としては、量の多さや価格の安さが求められていた時代から消費スタイルが変化したことにあります。品質や個別包装などの利便性が求められるようになったことも関係しているとみられていました。 アイスクリームやチョコレートが付加価値を伴ったプレミアム商品で消費者の購入意欲をかきたてて市場を伸ばしたのに比べ、ポテトチップスは新規のヒット商品を生み出せないまま停滞が続いていたのです。 湖池屋がリブランディングに踏み切ったのは、こうした状況を打開する目的がありました。

湖池屋がリブランディングで目指したのは、伝統を活かした「ポテトチップスの老舗」というポジションの確立でした。 まず、リブランディングの象徴として、創業時から続いていた楕円形のコーポレートマークを一新しました。 新しいコーポレートマークは、家紋を意識した六角形で、かねてからの方針であった「親しみ」「安心」「楽しさ」に、「本格」「健康」「社会貢献」を加えた新生・湖池屋の6つの方針を表現したものです。 そして、リブランディングの意図を社内全体に浸透させるためにあらゆる施策を徹底しました。 特製の「ブランドブック」を全社員に配布したり、料亭や旅館を思わせる外観に社屋を改修したり、名刺や封筒など社内で使用する備品にもロゴを入れるなどの努力が続けられたのです。

そして、「新生・湖池屋」を消費者に印象づけるためのフラッグシップとして、「ポテトチップスの老舗」にふさわしい製品の開発に取り組みました。 こうして「国産じゃがいも100%使用」で味付けや揚げ方にもこだわり品質を徹底的に追求した結果生み出されたのが、「KOIKEYA PRIDE  POTATO」シリーズです。 「湖池屋のプライドをすべてこの一品に捧げる」という思いを率直に表現したネーミングとシンプルなパッケージデザインは好評で、テレビCMなどの広告も人気を博し、発売から1か月を待たずに品切れになるなど、当初の予定をはるかに超える売り上げを記録したのです。

湖池屋が成功した要因には、リブランディングへの明確な意識を全社的に浸透させたこと、企業理念と新ブランドを象徴する製品を消費者が求める形で提供して広めることができたことなどが挙げられます。

若年層への訴求を強化し「若返り」を狙う:ポカリスエット(大塚製薬)

大塚製薬の「ポカリスエット」は、スポーツ飲料のパイオニア的な存在です。

1980年に発売された当初は競合製品が存在せず、いわゆる「ブルーオーシャン」市場で大きな成功を収めました。 しかし、競合他社が参入してスポーツ飲料の市場が飽和状態になるとともに、発売当初からブランドに親しんできた層が高齢化したため、新たな施策が急務となっていました。

そこで、競合他社に後れを取っていた中高生市場を新たなターゲットに設定して2015年にリブランディングが始まりました。 このリブランディングで、従来の機能性を前面に出したCMではなく、難易度が高いダンスを高校生が踊る「鬼ガチダンス」など若年層に向けたCMを新たに展開してブランドの若返りを図りました。 すると、SNSにこのダンスを真似た動画が投稿され拡散されるようになり、「ダンスの振り付けを知りたい」などの反応が大塚製薬に寄せられたのです。 これを機に、レッスン動画の配信や、「ダンス選手権」などキャンペーン企画の開催に繋げるなど、既存メディアとSNSを組み合わせてポカリスエットのブランドを若年層に広めることに成功しました。ポカリスエットの事例は、新規顧客層に向けたリブランディングの代表的な成功例といえるでしょう。

「次の100年」を見据えたプレミアムブランドの確立:ヤンマー(山岡発動機)

コーポレートイメージの大幅なリブランディングで成功したのがヤンマーです。

ヤンマーは1912年に創業し100年以上の歴史があるメーカーで、1933年にはディーゼルエンジンの小型化と実用化に世界で初めて成功しています。 主力製品は「農家の方を楽にする」という創業者の理念を体現した田植機やトラクターなどの農業機械で、農業と天候は密接に係わっていることから、オリジナルキャラクター「ヤン坊マー坊」が登場する天気予報のテレビCMを50年以上にわたって流し続けてきました。 しかし、創業からおよそ1世紀を経た2014年、ヤンマーはこのCMを終了するとともに、次の100年に向けたブランド再構築を見据えて「ヤンマープレミアムブランドプロジェクト」を立ち上げたのです。

農機具からスポーツまで、多岐にわたる事業を「食料生産」「エネルギー変換」を軸にして持続可能な循環型社会を目指すという理念に基づくものと再定義し、「A SUSTAINABLE FUTURE ─テクノロジーで、新しい豊かさへ。─」というブランドステートメントを掲げました。 ヤンマーはこのリブランディングにあたり、ユニクロや楽天のロゴデザインで知られる著名クリエーターの佐藤可士和氏を迎えてコーポレートロゴを新たに設計しました。 さらに、農機具などの製品デザインも刷新して新しいブランドイメージを定着させることに全力を注ぎました。

こうして2016年には新しいブランドイメージを前面に押し出したテレビCMや新聞広告を大々的に展開し、市場に確実に浸透させていったのです。 このように、企業理念の再定義に基づいて新たなブランドイメージ構築を行ったヤンマーも、リブランディングの成功事例として取り上げられるようになっています。

まとめ

リブランディング

今回は、リブランディングの意味と根底にある考え方、リブランディングの意義について詳しく紹介しました。もちろん、市場に定着しているブランドを再構築することは、そのブランドが築いた資産を失うリスクもはらんでいるため、相応の慎重さを持って施策を行うことが求められます。顧客ニーズや外部環境の変化、競合製品に対する自社製品のポジショニングなど各種の要素を冷静に見極め、適切なタイミングでリブランディングを行うことが重要です。
そして、リブランディングの実施を決めた場合には、新たなブランドコンセプトやビジュアルイメージ、ブランドに込めたメッセージを社内外に浸透させ刷新に徹底的に取り組む姿勢がなければ効果が薄れてしまいます。新規市場を開拓してポジション確立を目指す場合や、企業のさらなる成長を図る場合にリブランディングは有効な手段の一つです。メリットや注意点を理解した上で取り入れていきましょう。

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