そもそもテレアポとは?
テレアポとは、テレフォンアポインター(Telephone Appointment)の略称です。
電話でアポイントを取るために、見込み顧客に対してアポイントを取る人を指します。
テレアポの特徴は、下記の通りです。
- 一般的に企業のコールセンターに勤務している
- 事前に用意された顧客リストを活用して、見込み顧客に自社の商品・サービスを勧める
- 自社の商品・サービスに興味を持ってくれた顧客と商談の約束を取り付ける
基本的にテレアポは、どの職場でもマニュアル化されており、採用後は研修を一定期間受けたあと、実務業務を開始します。
架電日時や会話内容はパソコンの履歴に残しておき、仮に商談の予約が取れた際は、営業担当に引き継ぎます。
企業によっては、「1日あたりの架電数」が決まっている場合もあるので覚えておきましょう。
未経験者でも始めやすく、架電成績に応じてスーパーバイザーやチームリーダーへの昇格も可能です。
テレアポの基本的な流れ
テレアポの基本的な流れは、下記の通りです。
- 挨拶
- 自己紹介
- 対象企業と商材の関連性の説明
- 質問
- 日時の提示
ひとつずつ解説していきます。
挨拶
最初の挨拶は、印象を決定づける大切な段階です。
初めて電話越しで話をする場合は、失礼がないように堅苦しくなってしまうかもしれません。
しかし堅苦しい挨拶は、相手を警戒させる可能性があります。
そこで、下記の例をご覧ください。
挨拶例 | |
堅苦しい挨拶 |
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やわらかい挨拶 |
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堅苦しい挨拶は、本題に入る前に電話を切られてしまうリスクも高いです。
まずは話を聞いてもらうために、柔らかな挨拶を意識して警戒されないようにしましょう。
自己紹介
挨拶が終わったら、自己紹介で相手から興味を持ってもらう必要があります。
手短に挨拶を済ませるために、企業名と個人名だけを名乗る場合がありますが、相手からすれば自社がどういった会社なのか理解できていません。
そのため、まずは自社のイメージを分かりやすく伝える必要があります。
イメージが伝わる・伝わらない自己紹介の例は、下記の通りです。
自己紹介の例 | |
自社イメージが伝わりづらい自己紹介 |
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自社イメージが伝わりやすい自己紹介 |
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企業名と個人名だけでなく、具体的な提供サービスや事業内容を簡潔に説明できれば、自社のイメージをさらに伝えられるでしょう。
また、略語や専門用語は避けて、初めて聞いた相手が理解できる説明を意識しなければいけません。
対象企業と商材の関連性の説明
自己紹介が終わると、次は対象企業と商材の関連性を説明していきます。
テレアポの際はトークスクリプトに従いながら、相手に「どうして自社の商材が必要であるか」といった関連性を適宜伝えます。
ポイントは、どんな企業でも当てはまる特徴を伝えることです。
例えば「今よりも売上を向上させたい」といった言い回しは、すべての企業に該当する特徴です。
質問
質問する際は、相手の答えやすい質問を問いかけることがポイントです。
相手に質問する際は、クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンがあり、それぞれの特徴として下記が挙げられます。
特徴 | |
クローズドクエスチョン |
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オープンクエスチョン |
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どちらかだけを多用してしまうと、相手に不快感を与えてしまうかもしれません。
そのため状況に応じて、クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを使い分ける必要があります。
質問する際は、「誘導尋問や詰問にならない」「相手に何か新しいアクションを促す」といった点を意識しましょう。
日時の提示
これまでやってきたことが無駄にならないように、日時を提示する際は、こちら側から提示します。
日時を相手に任せてしまうと、「都合が分かったら連絡します」と言われてしまうかもしれません。
テレアポを成功させる、もしくは取り逃しを防ぐ方法は下記の2つです。
- こちらから日時を提案する
- 提案する際に2択を提示する
例えばアポイントを取る場合、顧客にはアポイントを「受ける・受けない」の選択肢があります。
その際に、こちらが「2日と6日のどちらにしますか?」と提示することで、「アポイントを受けない」の判断をスキップできます。
相手に面倒を感じさせないような日時を示しておけば、相手の反応も変わってくるでしょう。
テレアポで成功するためのコツ
ここまで、テレアポの概要や基本的な流れをお伝えしました。
続いて、テレアポで成功するためのコツを解説します。
- 精度が高い営業リストを活用する
- 事前調査を徹底する
- 声のトーンを意識する
- 時間帯・タイミングを相手に合わせる
- 説明は端的に行う
- 沈黙を恐れないようにする
- 断られたときの切り返しを用意する
- 相手との距離感を意識する
- トークスクリプトを柔軟に変化させる
- 仮説ベースの考えを持つ
- 導入事例を提示する
ひとつずつ解説していきます。
精度が高い営業リストを活用する
テレアポを成功させるには、精度の高い営業リストを活用しましょう。
成約率の高い顧客を抽出するために、下記の項目をスコアリングします。
- 店舗数
- 事業カテゴリー
- 顧客ステータス
精度の高い営業リストは、アポの獲得率や商談の成約率に影響するので、リストの質は重要です。
また1日に架電できる数には限りがあるので、精度の高いリスト作成は成功率を上げるために不可欠といえるでしょう。
事前調査を徹底する
テレアポで成功するには、事前調査の徹底は欠かせません。
実際に相手へ電話をかける前には、下記の情報は把握しておきましょう。
- 事業内容
- その企業が抱えている課題・ニーズ
- 企業が力を入れている商品・サービス
- その企業が過去に導入した類似サービス
架電先の情報がない状態よりも、はるかに成功率を高められます。
また企業に関する情報は、Web上で検索することで簡単に調べられます。
声のトーンを意識する
テレアポの際は、メラビアンの法則を参考にしながら声のトーンを意識しましょう。
メラビアンの法則とは、自分の気持ちや感情を伝える際に、相手に印象を与える情報の割合を示した心理学の法則です。
「3Vの法則」「7-38-55」とも呼ばれており、それぞれの割合は下記の通りです。
情報の例 | 情報の割合 | |
言語情報(Verbal) |
| 7% |
聴覚情報(Vocal) |
| 38% |
視覚情報(Visual) | 見た目 | 55% |
テレアポにおいて視覚情報は関係なく、聴覚情報が大半を占めます。
聴覚情報に次いで、視覚情報(会話内容や言葉)が相手に影響を与える点も覚えておきましょう。
時間帯・タイミングを相手に合わせる
テレアポを成功させるコツとして、時間帯・タイミングを相手に合わせる方法もあります。
仮に自社の商品・サービスに興味がある企業でも、時期や時間の忙しいタイミングで電話をかけても断られる可能性が高いです。
業界や業種によって忙しい時期は異なるので、相手企業の時間に余裕があるタイミングを想定して架電する必要があります。
余裕のある時間に電話をかけることで、担当者と話せる時間と確率が高まり、アポ取得確率も上がるでしょう。
説明は端的に行う
テレアポを成功させるコツは、端的に説明を行いましょう。
電話の場合は相手の表情が見えないため、完璧に商品・サービスについて伝えようと身構えてしまい、説明が細かすぎたり長くなったりしてしまいます。
特に説明が長くなりすぎると売り込んでいる雰囲気が相手に伝わってしまい、不信感を与えてしまうかもしれません。
なのでまずは相手から信頼感を得るために、伝えるべき情報は端的に行いましょう。
沈黙を恐れないようにする
テレアポの際に沈黙の時間を恐れてしまい、相手に考える時間を与えず話してしまう担当者がいます。
会話のテンポは相手によってさまざまです。
- 話が好きな相手
- 聞く方が好きな相手
- 話すこと自体が苦手な相手
相手のテンポに合わせず、こちらのペースで話を進めても「後で検討します」「また後日連絡します」とアポの成功確率を落としてしまうかもしれません。
こちらからの問いかけに対して、反応がすぐになく沈黙が続いた場合でも、こちらから畳みかけるセールストークは避けましょう。
必ず相手のテンポ・ペースに合わせた、臨機応変な対応が求められます。
断られたときの切り返しを用意する
テレアポの多くは、入念に準備しても断られるケースがほとんどです。
しかし、仮に断られた場合でも執拗にアポを取ろうとするのではなく、その際の切り返しを用意しておきましょう。
断られたときの切り返しの例は、下記をご覧ください。
ケース | 切り返しの例 |
「時間がない」「忙しい」と言われた |
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「考えていない」「必要ない」と言われた |
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「結構です」と言われた |
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「考えさせてください」「検討します」と言われた |
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「高い」と言われた |
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「担当者不在です」と言われた |
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もちろんすべての断り文句は想定できないので、代表的なものだけでも用意しておきましょう。
断り文句が生まれづらい切り返し方やトークを考えておけば、アポの獲得率は向上するはずです。
相手との距離感を意識する
テレアポを成功させるコツは、相手との距離を意識しましょう。
突然どこの誰かも分からない相手から電話がかかってきたら、どうしても抵抗が生まれてしまいます。
そのためまずは、自分と相手の共通点を見つけて距離感を縮める方法が有効です。
出身地や趣味など、提案と関係がない内容で問題ありません。
トークスクリプトを柔軟に変化させる
テレアポを成功させるには、相手に合わせたトークスクリプトを柔軟に変化させましょう。
誰に対しても同じ対応をしてしまうと、相手に機会的な印象を与えてしまい、煙たがられる可能性があります。
このようなリスクを避けるために、トークスクリプトへ柔軟性を持たせる方法は下記の通りです。
- 相手企業の最新情報を確認しておく
- 新商品・サービスについての話題を含めたトークを行う
顧客情報を交えて、相手に合わせたトークスクリプトを作成しましょう。
こちらの記事では、トークスクリプトの作成方法や分析、改善などについて解説しているので、ぜひ参考にしてください。
仮説ベースの考えを持つ
テレアポを成功させるにあたって、仮説ベースで話を展開しましょう。
人は一般的に「100%」や「絶対」と断言されると、不信感を抱いてしまいます。
そのため例えば、「こちらのサービスは御社の売り上げ向上に役立つかもしれません」と、オブラートに包んだ表現が有用です。
テレアポの際は、自社の提案がどれだけ相手のニーズに合致していた場合でも、仮説ベースでの考えを持ちましょう。
導入事例を提示する
テレアポの際は、導入事例を提示することで成功確率を上げられます。
仮に相手へ自社商品・サービスのメリットが伝わった場合でも、導入後の状態をイメージできないかもしれません。
しかし具体的に導入事例を提示できれば、商品・サービスに対して信頼できるでしょう。
導入事例を提示する際は、相手の環境と似ている事例を紹介することで、高い効果を期待できます。
さらに成功率を上げるテレアポのコツ
ここまで、テレアポで成功するためのコツをお伝えしました。
続いては、さらに成功率を上げるテレアポのコツを3つ解説します。
- うまい人を真似る
- 数をこなす
- クロージングを意識する
それぞれ解説していきます。
うまい人を真似る
テレアポの成功率をさらに上げる方法として、「うまい人を真似る」があります。
自分よりテレアポ成功確率の高い人が、トークで「どういった話をしているか」を聞いて、自分のトークとの違いを比較しましょう。
実際にトークのうまい人が活用している工夫例は、下記の通りです。
- すべての情報は伝えず簡潔に説明して、相手を惹きつける
- まずは結論を伝えて、話を聞いてもらいやすい雰囲気を作る
- 相手との過去の関係性をアピールして、信頼関係を最初に作る
- 自分の話ばかりにならないようにして、相手に考える時間を作る
成功率を上げるには、まずはうまい人を真似るところから始めてみましょう。
数をこなす
今よりテレアポ成功率を上げるには、数をこなす方法が最適です。
テレアポの量をこなすと質が向上して、さらに量をこなす、いわゆる「質量転化の法則」が働き、少しずつテレアポのコツを掴めるでしょう。
もちろん1件1件のテレアポは大事ですが、それよりも数を追いかけることを意識すべきです。
経験値が増えれば自分でチャンスを作れる機会も作りやすくなるため、結果としてテレアポの成功率に寄与します。
クロージングを意識する
さらにテレアポを成功させるには、クロージングを意識しましょう。
クロージングする際の意識すべきポイントは、下記の通りです。
- 会話の主導権を握る
- 簡潔な説明を心がける
- 明るい未来を想像させる
ほかには既存トークスクリプトの改善を行ったり、テレアポトークの研究をしたりすることで、クロージング率の向上につなげられます。
こちらの記事では、BtoB営業でテレアポを成功に導くコツを解説しているので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
今回は、テレアポの概要やコツ、今よりもうまくなるためのコツを解説しました。
テレアポとは、テレフォンアポインター(Telephone Appointment)の略称です。
基本的な流れは、下記の5つです。
- 挨拶
- 自己紹介
- 対象企業と商材の関連性の説明
- 質問
- 日時の提示
また、成功させるコツとして「精度が高い営業リストを活用する」「事前調査を徹底する」「声のトーンを意識する」などもあります。
本記事でお伝えしたさらに成功率を上げるテレアポのコツも参考にして、自社のテレアポに活かしてください。
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ちなみにこちらの記事では、インサイドセールスとテレアポの違いやインサイドセールスで成果を出す方法などを解説しているので、ぜひ参考にしてください。