ドメインとは?
ドメインとは、簡潔に言うと「インターネット上の住所」で、Webサイトが存在しているインターネット上の場所を指しています。
具体的には、そもそもインターネット上の住所は「000.00.000.00」といった最大12桁で構成された数字列の「IPアドレス」というかたちで表されます。IPアドレスはネットワークごとに異なります。
このIPアドレスは数字列のため、一見しただけでは覚えられません。そこで、IPアドレスをわかりやすい文字や数字の列に変換した「ドメイン」を使用します。
現実世界に置き換えるとわかりやすいでしょう。
現実では、緯度・経度で位置を示しますが、それではわかりにくいため「○○県○○市○○町○丁目○番地」といった住所に変換しています。
これと同様のことが、インターネット上でも行われているのです。
なお、Webサイトには「ドメインパワー」というものがあります。ドメインパワーについては以下の記事で解説しているので、ぜひご参考ください。
ドメインの役割
ドメインは、インターネット上の位置を示す役割があります。たとえば、Webサイトやメールアドレスにドメインが使われています。
Webサイトの場合「https://www.○○○.com/」といったURLにアクセスすると、該当するWebサイトを訪問できます。このURLのうち「○○○.com」の部分がドメインとなります。
また、メールアドレスの場合には、ドメインは@以降の「~~@○○○.com」という形式で設定され、どこから送信されたメールなのかわかるようになっています。
独自ドメインとサブドメインの違い
ドメインには「独自ドメイン」と「サブドメイン」があります。
独自ドメインとは、ユーザーが任意で設定できる独自のドメインです。既存のドメインは取得できないため、世界にひとつだけしかありません。「お名前.com」や「ムームードメイン」など、ドメイン登録サービスから取得できます。
一方のサブドメインとは、独自ドメインから派生して利用できるドメインです。土台となる独自ドメインがあれば、サブドメインで複数サイトを運営することも可能です。
たとえば、Yahoo!では以下のようにさまざまなサービスを展開しており、それぞれのWebサイトをサブドメインで分けています。
- Yahoo! JAPAN:https://www.yahoo.co.jp/
- Yahoo! ニュース:https://news.yahoo.co.jp/
- Yahoo! ショッピング:https://shopping.yahoo.co.jp/
- Yahoo! 知恵袋:https://chiebukuro.yahoo.co.jp/
このようにサブドメインを活用することで、用途や内容によって区切ってサービスやコンテンツを展開できるのです。
サーバーとの違い
ドメインと混同されやすい言葉に「サーバー」があります。
サーバーとは、ユーザーからのリクエストに対応したデータや処理結果を返すコンピューターやソフトウェアのことです。
たとえばWebサイトを訪問する際には、該当するWebサイトのURLを入力してEnterキーを押すとWebサイトが表示されます。これは、ユーザーが「このWebサイトにアクセスしたい」というリクエストをサーバーに送り、サーバーがリクエストに合ったデータを返していることで、Webサイトが表示される仕組みです。
サーバーにはさまざまな種類がありますが、ドメインと関係が深いものは「DNSサーバー」です。DNSサーバーとは、IPアドレスとドメインを変換する役割を持ちます。
ユーザーがWebサイトのURLをリクエストした際、DNSサーバーがIPアドレスに変換して処理をすることで、該当するWebサイトを表示できます。
ドメインをインターネット上の「住所」とするならば、DNSサーバーは「土地」と言えるでしょう。
ドメインの種類は?
ドメインには「.com」や「.jp」という部分があります。この部分は「TLD(トップレベルドメイン)」と言い、さまざまな種類があります。
それぞれのTLDを紹介します。
種類1:gTLD | 分野別トップレベルドメイン
「gTLD(generic TLD)」とは、分野や用途などで分けられ、世界中どこでも利用できるドメインです。
【一例】
- .com:商業利用
- .net:ネットワーク関連
- .biz:企業やビジネス
- .org:非営利団体
- .info:情報発信
種類2:新gTLD | 新ドメイン
gTLDのうち、2012年以降に登録されたものを「新gTLD」と言います。より用途が細分化されているのが特徴です。
「.com」や「.net」では取得できなかった文字列のドメイン名でも、新gTLDであれば取得できる可能性があります。
【一例】
- .blog:ブログ
- .app:アプリ
- .company:企業
- .email:Eメール
- .shop:お店やシッピングサイト
種類3:ccTLD | 国コードトップレベルドメイン
gTLDは分野や用途のTLDであるのに対し、国や地域によって異なるTLDが「ccTLD(country code TLD)」です。特定の地域に存在・居住していなければ利用できません。
【一例】
- .jp:日本
- .us:アメリカ合衆国
- .cn:中国
- .fr:フランス
- .ca:カナダ
種類4:属性型jp
ccTLDの「.jp」は、日本でしか利用できないTLDです。
その中でも、さらに組織などの属性に紐づいたTLDを取得することも可能です。
【一例】
- .co.jp:日本企業
- .ne.jp:ネットワークサービス用
- .or.jp:財団法人、社団法人、特定非営利活動法人などの法人組織
- .ac.jp:高等教育機関や学校法人
- .go.jp:日本の政府機関、独立行政法人など
ドメイン名を決めるポイントは?
ドメインは、Webサイトの住所を意味するもので、一度決めたら変更はできません。Webサイトの根幹となる部分なので、以下のポイントを意識して慎重に決めましょう。
ポイント1:覚えやすいか
ドメインを決めるにあたり、覚えやすさは重要です。
チラシやポスター、パンフレットや名刺などの紙媒体にURLやメールアドレスを掲載して、新規ユーザーを獲得している企業も多いでしょう。しかしドメインが覚えにくいと、ユーザーのお問い合わせにつながりません。
自社のことを表す、簡潔で覚えやすいドメインを設定しましょう。
ポイント2:入力がしやすいか
ドメインを入力してもらうシーンも想定し、入力しやすい文字列にすることもポイントです。
同じ文字が続いたり、何桁もの数字で構成されていたりすると、入力ミスにつながります。また、長すぎると入力が面倒になりかねません。
そのため、入力のしやすさも意識して、ドメインを設定しましょう。
ポイント3:企業・サービスイメージがしやすいか
ドメインを見ただけで、その企業やサービスをイメージしやすいものがよいでしょう。
企業やサービスとまったく関係のない文字列にすると、ユーザーは何のWebサイトなのかイメージできません。
企業名やサービス名を入れたり、用途に合ったTLDを利用したりすることで、イメージを促します。
ドメインに関するよくある質問
ここでは、ドメインに関するよくある質問とその回答を紹介します。独自ドメイン取得に悩んでいる方は、ぜひご参考ください。
TLDはどう選べばいいですか?
TLDはさまざまな種類があるので、選択に困っている方も多いのではないでしょうか。
基本的には、用途や内容で選ぶこと重要です。企業やサービスの内容と合っていないTLDは、Webサイトの内容をイメージしにくくなるからです。
ただし「.com」や「.jp」は、多くの企業やWebサイトで使われているため、希望する文字列のドメインはすでに取得済みの場合も少なくありません。
そのため「.blog」や「.community」、「.beauty」などの新gTLDも候補として検討しましょう。
独自ドメインを選ぶメリットは?
GmailやOutlookなどのフリーメールサービスを使えば、「@gmail.com」などの最初から@以降が決められたメールアドレスになります。ただし、フリーメールサービスは誰でも利用できるため、当初のままの形式で利用すると「本当に、この企業からのメールなのだろうか?」など、ユーザーが不信感を抱く原因となりかねません。そのため、独自ドメインを設定することで、信頼性を高められます。
送信元が不明なメールだと開封につながりにくいですが、独自ドメインにより送信元が明らかなメールなら開封にもつながるでしょう。
また、メールアドレスとWebサイトが一貫できるため、ユーザーが企業やサービスを連想しやすくなります。
まとめ
ドメインは、Webサイト運営では欠かせないものです。業務のやり取りでメールを利用する際にも、ドメインがあることで信頼性向上などの効果が期待できます。
またTLD(トップレベルドメイン)にはさまざまな種類があるので、自社の用途や地域に合わせて最適なドメインを選択しましょう。
覚えやすく入力しやすいドメインにすることで、新規ユーザーの獲得にもつながります。
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