アサインとは?
アサインとは、「割り当てる」「任命する」「付与する」「課する」といった意味を持つ言葉です。
ビジネスシーンにおけるアサインの使い方は、下記の例があげられます。
- 業務の担当者をアサインする
- 新規ポジションにアサインする
一般的にアサインは、上司から部下に向けて使用される場合が多いです。
例えば、「あなたを次のプロジェクトリーダーにアサインすると決めました」と言った場合は、「プロジェクトリーダーへの任命が決まりました」を意味します。
アサインする側が「上司」、アサインされる側が「部下」になる点を覚えておきましょう。
次に、下記について解説します。
- アサインとジョインの違い
- アサインとアサインメントの違い
- アサインの対義語には何がある?
- 人事で使用されるアサインの意味
- アサインが使用される背景
ひとつずつ解説していきます。
アサインとジョインの違い
アサインとジョインの違いは、能動的もしくは自発的であるかが異なります。
ビジネス私に起きるジョインの意味は、下記の通りです。
- 連携する
- 合同で作業する
ジョインには、仕事や取り組みに対して自分から加わるといった意味合いが強く、能動的な意味を含んでいます。
一方のアサインは、上司から任命される際に使用される言葉なので、自動的な意味合いが強いです。
「アサイン=自動的」「ジョイン=自発的」と覚えておきましょう。
アサインとアサインメントの違い
アサインとアサイメントの違いは、動詞もしくは名詞であるかが異なります。
動詞であるアサインに対して、アサインメントは名詞です。
アサインメントの意味には、下記の3つがあります。
- 任命
- 付与
- 割り当て
ビジネスシーンにおいてどちらの表現も間違いではありませんが、現在はアサインを利用する場合が多いです。
そのためアサインメントを使ったとしても、利用する場面によっては理解されない可能性があるので補足説明が必要である点を理解しておきましょう。
アサインの対義語には何がある?
アサインの対義語には、「外す」「開放する」「取り下げる」「課する」があります。
それぞれの使用例は、下記の通りです。
アサインの対義語 | 使用例 |
外す |
|
開放する |
|
取り下げる |
|
課する |
|
「外す」は多くの場合、不十分であるといったマイナスイメージを与える可能性があるので、使用する際は注意しましょう。
「開放する」には相手の命令や指示ではなく、自分の判断で抜ける際に使用されます。
「取り下げる」は、一度提案・提出したものを取り消す場合に使用される言葉です。
人事で使用されるアサインの意味
アサインは「割り当てる」「任命する」「付与する」「課する」といった意味だけでなく、配属などの意味で利用されます。
そのほかの場面では、部屋や席を割り当てる際に利用される場合があり、ひとつの単語で対象となるケースや異なる意味を持ちます。
人事で使用されるアサインは、空間や物を提供する際に利用される点を覚えておきましょう。
そのため情報を相手に正しく伝えるためには、下記の点に注意が必要です。
- 単語の意味を説明する
- 理解が難しい箇所は補足する
伝える言葉ひとつで、相手の受け取り方が変わってしまいます。
なので、日常のビジネスの中にトラブルを含んでいる点を理解しておきましょう。
アサインが使用される背景
アサインが使用される背景は、多文化社会やグローバル化の進展が原因です。
日本では人口減少や少子高齢化が進み、外国人労働者を受け入れたり、海外展開したりする日本企業が増えました。
結果として、日本企業でもさまざまな国の文化や言葉が取り入れられて、アサインをはじめとするビジネス用語が流通したとされています。
業界別アサインの意味とは?
ここまで、アサインの概要や対義語などをお伝えしました。
続いて、業界別のアサインの意味を解説します。
- 業界1:IT業界
- 業界2:ホテル・旅行業界
- 業界3:転職業界
- 業界4:契約・法律業界
ひとつずつ解説していきます。
業界1:IT業界
IT業界におけるアサインは、特定の操作や機能をキーボードキーに割り当てる際に使用します。
利用される際の意味は、「数字を割り当てる」「仕様を割り当てる」です。
IT業界のアサインの語源は、キーアサインが由来しています。
キーアサインとは、マウスやキーボードに独自の設定を行い、特定の機能や操作ができるようになるといった意味です。
実際に使用される例文には、下記があげられます。
- WindowsのF1キーに印刷機能はあるが、利用したことがない
- 新規ソフトを導入すると、キーボードの機能が自由自在にアサインできる
「割り当てる」といった意味で利用されますが、ビジネスにおける意味とは異なる点を覚えておきましょう。
また、PMリーダーや開発責任者向けに、メンバーのスキルや稼働状況をクラウドで一元管理できるアサイン管理ツールも存在します。
業界2:ホテル・旅行業界
ホテル・旅行業界におけるアサインは、特定の部屋や席を顧客に割り当てる際に使用します。
それぞれの割り当てる際の名称は、下記の通りです。
- 部屋の割り当て:ルームアサイン
- 席の割り当て:シートアサイン
実際に使用される例文には、下記があげられます。
- 先日の旅行でアサインされた部屋は、景色が綺麗だった
- ビジネスクラスで席を予約したが、当日はファーストクラスの席がアサインされた
- ルームアサインメントをお客さま都合で考えることは、ホテル運営において非常に大切です
ホテル・旅行業界で使用するアサインには、発信者と受取者で同じ意味を持ちます。
業界3:転職業界
転職業界におけるアサインは、人材を「採用」「選出」する際に使用します。
採用と選出の意味で使用するケースは、下記の通りです。
- 採用:新しい部署にアサインされて
- 選出:企業に紹介するために新しい人材をアサインしてほしい
転職業界で使用される場合は、それぞれの視点によって異なる意味がある点を覚えておきましょう。
業界4:契約・法律業界
契約・法律業界におけるアサインには、「譲渡」といった意味があります。
また、商標登録後にアサインバックとして使用されるケースもあります。
アサインバックの特徴は、下記の通りです。
- 他人名義で商標権を取得した後に、その商標権を譲渡して取得する
- 同じカテゴリーで類似した商標があると登録できない
しかし先行登録商標があった場合でも、商標権者と交渉してアサインバック契約が成立すれば、商標権を取得できます。
そのため、商標登録の認可や許可、権利を割り当てる際に、アサインが使用されています。
ビジネスシーンでアサインを使うときの注意点は?
ここまで、業界別のアサインの意味をお伝えしました。
続いて、ビジネスシーンでアサインを使うときの注意点を解説します。
- 注意点1:できれば日本語に置き換える
- 注意点2:噛み砕いて意味を説明する
- 注意点3:業界や業種で使い分ける
ひとつずつ解説していきます。
注意点1:できれば日本語に置き換える
アサインをビジネスシーンで使用する際は、同じ業界人の会話のなかでアサインを使用することは問題ありません。
しかし、受取者が初めて耳にするビジネス用語かもしれないので、できれば日本語に置き換えて使用しましょう。
また下記の理由からも、日本語への置き換えを推奨します。
- カタカナは読みにくい
- ビジネス用語には意味が変化した・新しく登場した言葉が多い
ほかの業界の方と仕事をする際や初対面の方、入社したばかりの新人に対しては、「アサイン」ではなく分かりやすい日本語に置き換えましょう。
注意点2:噛み砕いて意味を説明する
アサインを伝える際には、まずは伝える本人が意味を理解したうえで、相手に噛み砕いて意味を説明しましょう。
前述したようにアサインには、「割り当てる」「任命する」「付与する」「課する」といった4つの意味があります。
そのため、便利なビジネス用語といった理由で使用しても、相手が意味を理解していなければ話が通じません。
むしろ、無駄なやりとりを増やす可能性もあるでしょう。
噛み砕いて意味を説明する際に、意識するポイントは下記の3つです。
- 結論もしくは全体像から話す
- 気持ちと予測は事実と分けて伝える
- 相手が知っているたとえ話を活用する
アサインに限らずビジネス用語を相手に伝える際は、言葉の意味を相手に正しく伝える目的意識を持ちましょう。
注意点3:業界や業種で使い分ける
アサインの意味は、業界や業種によって異なるので使い分けが必要です。
業界用語に詳しくない方にとってビジネス用語の羅列には、下記のリスクがあります。
- 正しい意味が理解できない
- 会話全体の内容を把握することが難しくなる
アサインは、業界や業種によって意味が異なるので使い分けが必要になるでしょう。
こちらの記事では、入社や転職の際に使用される「オワハラ」の概要や背景、実際の事例を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
今回は、アサインの概要や業界別の意味、使用上の注意点を解説しました。
アサインは、「割り当てる」「任命する」「付与する」「課する」といった意味を持つ言葉です。
下記の業界においても、さまざまな意味があります。
- IT業界
- ホテル・旅行業界
- 転職業界
- 契約・法律業界
本記事でお伝えした「できれば日本語に置き換える」「噛み砕いて意味を説明する」「業界や業種で使い分ける」といった注意点を参考にして、アサインを使用してください。
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