AWSとは?
AWSとは「Amazon Web Services」の略で、Amazonが提供している200以上のクラウドコンピューティングサービスの総称です。
クラウドコンピューティングとは、インターネットを経由して「サーバー」「ストレージ」「データベース」「ソフトウェア」などのコンピューター資源を利用できる仕組みです。自社でサーバー機器を設置して保守したり、データベースやソフトウェアを開発したりすることなく、デバイスとインターネット環境さえあれば利用できます。
AmazonのAWSでは、サーバーやデータベースだけでなく、AIやIoTなどの最新技術まで提供しています。自社の業務内容やプロセスに合わせて、最適なサービスを選択して利用できます。
AWSは大規模なコミュニティがあるのも特徴です。「JAWS-UG(AWS Users Group–Japan)」というAWSユーザーの大規模コミュニティでは勉強会や交流イベントなどを行っており、ユーザー同士でAWS活用を促しています。
「JAWS-UG(AWS Users Group–Japan)」公式サイト
AWSの料金プラン
AWSのサービスの多くは、サービスを利用した分だけ料金を支払う、従量課金制が導入されています。
サービスによっては、無料のものや、12カ月間は無料で使えるものもあります。
また、無料トライアルが設けられているサービスもあるので、本格導入の前に使い勝手を試せます。
サービスごとに料金が異なるので、気になるサービスがあれば下記リンクから料金を確認してみましょう。料金の見積もり依頼をすることも可能です。
パブリック・プライベートクラウドの違い
AWSは、クラウドコンピュータリングのひとつです。クラウドコンピューティングには、以下の2種類があります。
- パブリッククラウド
- プライベートクラウド
パブリッククラウドは、事業者が構築したクラウド環境を、企業や一般ユーザーを特定せず、誰でも利用できる仕組みです。事業者のクラウド環境を利用するため、ユーザーは自社でサーバーやデータセンターなどを構築する必要なくサービスを利用できます。
一方のプライベートクラウドは、特定の企業しか利用できないクラウド環境です。自社が使いやすいようクラウド環境をカスタマイズして構築できる点がメリットですが、サーバーやデータセンターなどの構築・運用・保守を自社で行わなければなりません。
AWSは、誰でも利用できるようオープンになっているため、パブリッククラウドに該当します。
AWSのメリット・デメリットは?
便利なWebサービスが充実しているAWS。利用することでさまざまなメリットがありますが、デメリットとなるポイントもあります。
そこで、ここからはAWSのメリット・デメリットを紹介します。
AWSのメリット
まずは、AWSのメリットを紹介します。
メリット1:セキュリティ対策が万全
AWSは、非常に高いセキュリティレベルで構築されています。軍隊や国際展開している銀行など、機密性の高い組織のセキュリティ要件を満たしているのです。
ビジネスでは、顧客に関する情報や業務上のノウハウなど、漏えいしたら大きな損失につながる情報を多く扱います。情報漏えいしないようにするには、自社で高いセキュリティレベルの仕組みを作る必要がありますが、構築や運用、保守などに多大なリソースがかかります。
そこで、元から高いセキュリティレベルのAWSを利用することで、自社で構築や運用の必要なくセキュリティ対策が万全のサービスを利用できるのです。
メリット2:導入コストを削減できる
AWSは初期費用なしで利用でき、サービスによっては無料で利用できるものもあります。そのため導入コストを削減できる点もメリットと言えるでしょう。
また、自社でサーバーやデータセンターなどを構築するには、膨大な開発費がかかります。
しかし、サーバーやデータセンターなどのクラウド環境が揃っているAWSを導入することで、自社での開発費を削減できる効果もあるでしょう。
メリット3:人手不足を解消できる
自社でサーバーやデータセンターを構築したり、ソフトウェアを保守したりすると、専門的な技術や知見をもつ人材が必要です。
しかし現代は労働力が不足しているうえに、IT業界は慢性的な人手不足に陥っています。2025年には約43万人ものIT人材不足になると言われており、非常に深刻な状況です。(※)
そのため、サーバーやソフトウェアの構築から運用までを一貫してくれるAWSを利用することで、自社で専門的な人材を確保する必要がありません。IT人材の人手不足に悩んでいる企業にとってはメリットとなるでしょう。
※DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~|デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会(経済産業省)
AWSのデメリット
AWSを利用する際には、注意すべきデメリットもあります。
デメリット1:費用が高騰する可能性がある
AWSは従量課金制なので、利用したボリュームに応じて利用料金も変動します。そのことを知らずにたくさん利用しすぎると、予想以上に費用が高くなるということも起こるのです。
無料のサービスを選んだり、使いすぎないよう調整したりする必要があるでしょう。
デメリット2:システムダウンの対応をする必要がある
AWSはAmazon側でメンテナンスが行われるため、メンテナンスしてシステムがダウンしている間は、AWSの各サービスを利用できません。
システムダウン中は、他のサービスで代替したり、業務時間を調整したりしなければならないため、デメリットとなる企業もあるでしょう。
デメリット3:カスタマイズが難しい
AWSはデータベースやソフトウェアなどの運用をAmazonが担っている以上、自社に合わせた柔軟なカスタマイズはできかねます。自社の業務プロセスや業務内容に合わせたサービスを利用したい場合には、各サービスの機能を確認し、自社に合うかどうか見極める必要があるでしょう。
もしカスタマイズ性の高い製品を使いたい場合は、AWSだけではなく、他のツールや、自社でシステムを開発することも検討すべきと言えます。
代表的なAWS関連サービス5選!
200種類以上があるAWSのサービス。どのサービスがおすすめなのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで、代表的なAWSサービスを5製品紹介します。どれも人気の高い製品なので、ぜひご参考ください。
サービス1:Amazon EC2 | 仮想サーバー
Amazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)は、AWS上に仮想サーバーを構築・利用できるサービスです。Web上で数クリックでサーバーを構築できるため、リアルでサーバーを構築・開発するよりもスピーディかつリーズナブルにサーバーを構築できます。
サーバーの台数やCPU、メモリなども柔軟に変更できるため、自社の事業規模に合わせてサーバーを構築できます。
サービス2:Amazon S3 | オンラインストレージ
Amazon S3(Amazon Simple Storage Servise)は、データの整理や管理が可能なオンラインストレージです。WebサイトやSNSなど99.999999999%の高い耐久性があり、安全にデータを管理できます。
ファイルの形式は問わないため、Webサイトやアプリケーションのバックアップデータや、動画・画像などのファイルなど、さまざまなデータの保存が可能です。
サービス3:Amazon RDS | フルマネージドデータベース
Amazon RDS(Amazon Relational Database Service)は、クラウド上でデータベースのセットアップや運用ができるサービスです。 Amazon AuroraやMySQLなどのデータベースエンジンから選択でき、AWSが運用・保守を行います。
サービス4:Amazon CloudWatch | 運用監視機能
「Amazon CloudWatch」は、自社で導入しているAWSサービスの運用状況をモニタリングできるサービスです。
運用監視だけでなく、ログを残したりアラートを出したりする機能もあり、運用状況を細かく分析できます。
サービス5:AWS lambda | サーバーレスコンピューティング
AWS lambda(AWSラムダ)は、サーバーレスコンピューティングサービスです。
「サーバーレス」とは、物理的なサーバーは存在しているものの、サーバーの運用・管理はベンダー(提供会社)側で行うため、ユーザー側はサーバーを意識しなくてよいということです。
AWS lambdaをトリガーにして、サービスのアクションを設定できます。
まとめ
Amazonが提供しているAWS(Amazon Web Services)とは、さまざまな機能をもつ200種類以上のサービスを利用できるクラウドコンピューティングです。
無料で利用できるサービスもあるうえに、サーバーやソフトウェアの構築・運用・保守の必要もないため、手軽に高セキュリティのサービスを利用できます。
無料で利用できるサービスや無料トライアルができるサービスもあるので、気になるAWSサービスがあれば使い勝手をチェックしてみましょう。
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