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デジタルフォレンジックとは?目的や種類・活用事例を解説

投稿日:2023年6月21日 /

更新日:2023年8月27日

デジタルフォレンジックとは?目的や種類・活用事例を解説
● 分析ツール● 情報共有

近年話題になることが増えた「デジタルフォレンジック」。インターネットの普及が進んだ現代において欠かせない存在となりました。
しかし、まだまだデジタルフォレンジックについては、認知が進んでいない企業も多く、さまざまなリスクを抱えている状況です。
そこで、今回はデジタルフォレンジックの概要や目的、種類、活用事例に至るまで幅広くご紹介します。サイバー攻撃や社内の不正などから自社を守るためにも、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

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デジタルフォレンジックとは?

デジタルフォレンジックのイメージ

デジタルフォレンジックは、コンピュータやデジタルデバイス上での証拠の収集、解析、保護、および復元を行うための科学的な手法や技術のことを意味します。

デジタルフォレンジックは、犯罪捜査や証拠収集の分野で広く使用されていて、コンピュータハッキング、ネットワーク侵入、データの改ざん、データの消去、オンライン詐欺などの場面や事件で活用されることが多いです。

また、デジタルフォレンジックは、法執行機関や企業のセキュリティチームなどが使用する傾向にあります。専門のデジタルフォレンジックチームが、証拠の取得や解析において法的要件や証拠の管理の原則を厳密に守りながら作業を行います。

フォレンジックとは?

デジタルフォレックスの語源となる「フォレンジック」とはそもそも何なのでしょうか。

フォレンジックは、一言でいうと「法廷」を示す言葉です。科学的な手法や技術を用いて証拠の収集、解析、評価を行う法科学の一分野であり、通常では犯罪捜査や証拠の調査に関連して使用されます。場合によっては、医学や工学などのほかの分野でもフォレンジックが応用されるなど、さまざまな分野で採用されている状況です。

ちなみに、フォレンジックの手法は、物理的な証拠のパターン・トレースの調査、専門知識や専用ツールの利用なども該当します。

フォレンジックは、厳密なプロトコルと手順に基づいて行われ、証拠の正確さと信頼性を確保することが求められている状況です。

デジタルフォレンジックの料金相場

デジタルフォレンジックの料金相場は幅広く、安価なケースでも数万円、高額な例では100万円近くに至ることもあります。具体的な価格は専門家やフォレンジックサービスプロバイダによって異なるうえに、デジタルフォレンジックの範囲や複雑さによって料金が変動します。

単純なデータ復元や削除されたファイルの回復など、比較的簡単な作業から、複数のデバイスの詳細な解析や暗号解読など、高度な作業までさまざまなレベルがあるので、どのような依頼なのかで料金には差が生じます。

また、作業に要する時間も料金の変動に影響します。時間がかかる作業は料金が高くなる傾向にあるため、データの量や複雑さ、証拠の特性など、長時間化するような依頼は、料金も高額になることを覚えておきましょう。

なお、法的要件でデジタルフォレンジックの料金が高くなることもあります。デジタルフォレンジックの作業が法的手続きに関連している場合、料金はさらに高くなることが多いので、法的な専門知識を要する依頼内容や報告書の作成などでは、相場よりも高くなることもあるので注意してください。

デジタルフォレンジックの目的

デジタルフォレンジックのイメージ

デジタルフォレンジックの目的は何なのでしょうか。
活用されるシーンや対応できる範囲などについて見ていきましょう。

原因の究明

デジタルフォレンジックの目的として、まず挙げられるのが原因の究明です。

不正アクセスや悪意のあるウイルスに感染してしまった場合など、何らかのサイバー攻撃を受けたときにまずは被害の状況を確認します。

被害の規模や状況などがある程度判明したら、デジタルフォレンジックを活用し、何が原因であるのかを調査していきます。

デジタルフォレンジックを用いて調査できるのは、どのようなサイバー攻撃を受けているのかといったことのほか、脆弱性がある部分や、ウイルスの感染経路、サイバー攻撃を受けた経緯などです。

原因が判明すれば、今後のサイバー攻撃の対策のヒントになるほか、法律に則って対処すべきか否かの判断へとつなげることが可能です。

訴訟への対策

デジタルフォレンジックで判明した問題や原因によっては、訴訟に向けて準備する必要があります。デジタルフォレンジックは、単純に原因を究明するだけではなく、この責任がどこにあるのかの調査にも活用でき、結果的には訴訟準備の材料を集めるうえでも重宝します。

実際、セキュリティに関わるトラブルは、責任の所在が分かりにくい場合が多いだけでなく、誰がいつどのような責任を問われる側になるかが分からないのが現状です。

仮に、自社に責任があると判断された場合には、訴訟のために過失の詳細や経緯の真実などをデジタルフォレンジックにて集めておく必要があるでしょう。

不正行為の予防

デジタルフォレンジックは、不正行為の予防につながるので、未然にトラブルを防ぎたいときには大きな味方となるでしょう。

デジタルフォレンジックを採用しているだけで、攻撃者の抑止力を期待できるだけでなく、原因究明や調査に必要な人材を割いていたり、万が一の事態での依頼先が明確に決まっていたりすると、攻撃先としての選択肢から外れる可能性が期待できます。

デジタルフォレンジックは、とくに内部不正を未然に防ぐ際に役立つので、「顧客データを外部へ流す(売る)」「社内の機密情報を漏らす」などのリスクが軽減できるでしょう。

コンプライアンスの確認

デジタルフォレンジックを使用していることは、企業や組織がコンプライアンスを徹底していることの確認になります。

近年話題になっているコンプライアンス問題は、目に見える形での改善や維持が難しく、確認方法も曖昧となっている現場は珍しくありません。しかし、情報セキュリティの観点におけるコンプライアンスであれば、デジタルフォレンジックで情報セキュリティ管理システムに則って運営しているかを確認できます。

社内や組織内のコンプライアンスに不安がある担当者にとって、デジタルフォレンジックの導入は大きなメリットとなるでしょう。

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デジタルフォレンジックの種類

デジタルフォレンジックのイメージ

一口にデジタルフォレンジックといっても、さまざまな種類があります。
ここからは、デジタルフォレンジックの種類とそれぞれの特徴についてご紹介します。

コンピュータフォレンジック

コンピュータフォレンジックとは、デジタルデバイスやコンピュータシステムにおいて、証拠を収集し、解析するための手法・工程のことです。主にコンピュータ関連の犯罪捜査やセキュリティインシデントの調査に関連しており、証拠の回収と解析を通じて事件の解明や法的手続きのために活用されます。

コンピュータフォレンジックの目的は、デジタルデータから証拠を抽出することです。これには、削除されたファイルの回復、ストレージデバイスのイメージング、ログファイルの解析、ネットワークトラフィックのキャプチャと分析などが含まれます。また、デジタルデバイスやネットワーク上の異常や不正アクティビティの検出も重要な役割を果たします。

モバイルフォレンジック

モバイルフォレンジックは、スマートフォンやタブレットなどの通信機器からデータを回復し、解析する手法です。デバイス内の通話履歴やメッセージのほか、写真やSNSアプリなどを調査することもできます。

モバイルフォレンジックでは、さまざまな技術とツールを使用することも多く、フォレンジックソフトウェアやハードウェア、データ抽出ツール、解析ツールなどと併用することが多い傾向にあります。

モバイルデバイスのファイルシステム、データベース、ログファイル、キャッシュ、クッキーなどを解析し、証拠を収集できるのがモバイルフォレンジックの特徴です。

なお、モバイルフォレンジックは、刑事司法の分野で広く使用されています。法執行機関は、犯罪捜査においてモバイルデバイスから証拠を収集し、事件の解明や被告の起訴を支援するためにモバイルフォレンジックを利用します。

企業においては、セキュリティチームが、不正アクティビティや情報漏洩の調査においてモバイルフォレンジックを活用することが多いです。

モバイルフォレンジックは、デジタル技術の進歩とともに現在も進化しています。新しいモバイルデバイスや操作システムのリリースに対応し、より効果的なデータ収集と解析の手法が開発されています。

ネットワークフォレンジック

ネットワークフォレンジックは、ネットワーク上で発生する通信データやネットワークアクティビティに関する証拠を収集したり、解析したりするために活用する手法のことです。ネットワークフォレンジックは、ネットワークセキュリティインシデントの調査やデジタル犯罪捜査などの場面で活用されることが多いです。

ネットワーク上の通信データを収集し、解析することによって、不正アクティビティやセキュリティ侵害の証拠を特定できるのがネットワークフォレンジックの特徴。パケットキャプチャ、ログファイルの解析、ネットワークトラフィックのモニタリングなどのデータ収集・解析が可能です。

デジタルフォレンジックの活用事例

デジタルフォレンジックのイメージ

デジタルフォレンジックは、具体的にどう活用することができるのでしょうか。
実際に国内企業で活用されている事例を中心にご紹介していきます。

企業犯罪

デジタルフォレンジックは、企業犯罪の予防として活用される事例が多いです。

組織として運営していく中で、利益を目的として不正行為が発生するトラブルは後を絶ちません。とくに入札談合や証券取引関連法違反、インサイダー取引などに関してはこれまで数えきれないほど発生していました。

デジタルフォレンジックを取り入れることによって、不正を働く社内外の人間の犯罪予防へとつなげることができ、結果的に企業の信頼や安全を守ることができます。「不正の証拠を調査・解析できる」といった環境が整っているだけでも、抑止力につながるので企業犯罪のリスク対策ができていない企業にとって有効な手段となるでしょう。

労働事件

働き方の見直しが話題に上がることが増えましたが、まだまだ働き方の改善が実現できていない企業は少なくありません。その結果、過労死をはじめとしたさまざまな労働事件にに発展してしまう事例は数多く存在します。

デジタルフォレンジックはこうした「労働事件」の調査のために活用されることも多いです。デジタルフォレンジックは、削除したデータも復元できることから、仮に既に削除されていたとしても、当時交わした契約の内容や、稼働履歴、メールの送受信内容などを復元して確認でき、速やかな調査へとつなげます

不適切な金銭支出

デジタルフォレンジックは、不適切な金銭支出の疑いがある際に使われることがあります。

メールにて証拠を集めたり、通話履歴を調査したりする際には、デジタルフォレンジックが有効な手段となります。社内だけではなく、社外の共犯者や事情を知る関係者などをリサーチできることから、原因や被害の究明・調査に役立ちます。

また、使用しているメールシステムによっては、調査を行うにあたって対象者に調査状況を知られることなく、メールの情報を収集できるので、証拠隠滅などのリスク回避も期待できます。

まとめ

デジタルフォレンジックのイメージ

デジタルフォレンジックは、インターネットが主流となった現代において必要な技術であるといえます。

実際、インターネットが普及したことで、さまざまなトラブルや犯罪が起きている状況。不正やトラブル、被害の状況を調べるうえで、デジタルフォレンジックは重要な手がかりを掴むチャンスも期待されています。

今後はさらにデジタルフォレンジックが社会に定着すると考えられているため、より企業や組織の安全の確保が容易となる未来も近いかもしれません。

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