ページネーションとは?
ページネ―ションとは、ページを分割した際のことや、ページの番号のことを意味します。
たとえば、webサイトにおける特定の情報を分割して、ユーザーに対してサイト内の情報を区切っていることを分かりやすくします。具体的には、「カテゴリ一覧」「検索結果一覧」などをリスト化したページを複数に分割することなどが挙げられます。
他にも1ページ目、2ページ目といったボタンを配置したり、ニュースサイトでよく見る「続きを読む」などのリンクを設置したりすることもページネーションに該当します。
Webサイトにおいて、必ずしもページネーションが必要となるわけではありませんが、膨大な情報量となる場合に、ページネーションを実装したほうが見やすくなるので、ユーザビリティの向上が期待できます。
ページネーションはSEOに効果があるのか
ページネーションを実施すべきといった声が挙がる理由には、「SEO対策との関係」があります。
結論から言うと、ページネーションはSEO対策に効果があると言われています。ページネーションを実装することで、なぜSEO対策の効果が期待できるのかは、以下が理由として挙げられます。
回遊しやすくPVが伸びやすい
ページネーションを実装することにより、回遊しやすくなる点がSEO対策で効果があると言われる理由の一つです。
適切にページネーションのボタンが配置されていたり、別のカテゴリにアクセスしやすく工夫されていたりするなど、回遊しやすいwebサイトはPVが伸びやすい傾向にあり、直帰率の低下にもつながります。
実際「どこにどの情報があるのかがわかりにくい」といったwebサイトは、PVが少なくなる傾向で、検索エンジンからの評価も下がりやすいといったデメリットがあります。
SEO対策に力を入れたいのであれば、回遊のしやすさは重視すべきポイントと言えるでしょう。
UX評価が高い
ページネーションの実装によってSEO対策が期待できる理由としては、UX評価が高いことが挙げられます。
ページネーションを適切に実装することで、ユーザーが目的の記事や興味のある記事にアクセスしやすくなります。情報量が膨大なwebサイトであっても、ユーザーが無駄な情報を省きながらすぐに目的のページにアクセスできるので、ユーザーインターフェースの観点から改善が期待できます。
基本的に、ユーザーは検索行動で長い時間をかけることに抵抗があるのが事実。スピーディーに目的のページへたどり着けるよう、ページネーションを実装することが結果的にユーザーの満足度を高めるといえます。
読破率が上がる
ページネーションの実装により、SEO対策効果が期待できる理由として挙げられるのが読破率の向上です。
文章量が多い記事はユーザーが途中で離脱しやすい傾向にあります。直帰率の上昇にも影響してしまうことから、なるべくユーザーが最後まで読めるようにしなければなりません。
ページネーションとして1本の記事を複数に分割することで、ユーザーが読み続けやすくなり、読破率が高くなることが期待できます。
タイトルや冒頭の文章でユーザーの関心を集めつつ、適度にページネーションを実施して、ユーザーがストレスを感じることなく読めるように工夫しましょう。
ただし、数百文字や1,000文字程度の短文記事の場合は、むやみにページネーションを実施しないことをおすすめします。読み切りやすい文章量でありながら、ページネーションとして分割してしまうと、「読む気が失せる」といった事態になりかねません。
明確なルールはないものの、2,000文字以上の文章量の場合に、必要に応じてページネーションを実装することをおすすめします。
ページネーションの実装方法
ページネーションを実装する場合、記事を公開する環境や、使用するプラットフォームなどによって異なります。
以下では、一般的に使用されているツール・環境でのページネーション実装方法を解説します。
WordPressの場合
WordPressでページネーションを実装する場合は、プラグインで組み込む方法と、自分でPHPを作成する方法の2通りがあります。
それぞれの実装方法は以下の通りです。
【プラグインで組み込む方法】
- WordPressのダッシュボードにアクセスする
- 左側のメニューから「プラグイン」を選択
- 「新規追加」をクリック
- 検索バーに「ページネーション」などのキーワードを入力
- 表示された結果から自身が使いやすそうなプラグインを選択
- 「今すぐインストール」を選択
- インストール後に「有効化」をクリックする
【PHPで自作する方法】
- ページ内容を表示するためのクエリを作成する
- ページネーションを追加するためのコードを追加する
- ページネーションを表示する場所にコードを追加する
PHPで自作する場合は、コーディング関連の知識が必要となるため、簡単に実装したい方はプラグインで組み込む方法をおすすめします。
jQueryの場合
jQueryでページネーションを実施する場合は、プラグインのダウンロードが必要です。具体的な手順は以下を参考にしてみてください。
- jQueryのプラグインをダウンロードする
- webサイトのHTMLが表示される画面を開く
- HTMLにjQueryを入れる
- CSSでwebサイトの体裁を調整する
jQueryでページネーションを実装する際に使用できるテンプレートにはいろいろな種類があります。プラグインによって使い勝手や使用方法が異なるので、それぞれのテンプレートを確認したうえで、使いやすそうなものを選ぶといいでしょう。
HTMLの場合
HTMLの知識がある方であれば、ページネーションのリンクを追加して実装する方法もおすすめです。
ページネーションをHTMLで実装する場合は、以下の方法があります。
- ページの内容を表示するためのクエリを作成する
- webサイト内のHTMLでページネーションのジャンプリンクを作成する
- CSSで体裁を調整する
- 適切に設置されているかをプレビューなどで確認する
基本的には、ジャンプリンクをHTML内に追加するだけなので、作業自体は難しいものではありません。しかし、サイト内の情報の増加に伴い、リンク先のタグ設定の手間も増えます。
今後もwebサイトを運用していくことを視野に入れ、都合の良い方法でページネーションを実装してください。
ページネーションの実装のコツ
ページネーションを実装するにあたり、よりSEO対策効果が期待できるコツをご紹介します。
webサイトのSEO対策を強化するためにも、以下のコツをおさえたうえで取り入れてみましょう。
サイト下部に配置する
ページネーションを配置する際には、サイト下部に実装することでより効果の高いSEO対策につながります。
Webサイトの下部にページネーションを実装することで、全体的に見た目良くなるだけではなく、操作性も向上します。ユーザーが1ページ読み終わった後(見終わった後)に、すぐに別のページへと移動できるような配置場所なので、PV数の増加が期待できます。
なお、サイト下部であっても、右寄りや左寄りなどにはせず、中央に位置するようにページネーションを配置しましょう。
5ページ以内に収める
ページネーションを実装する際、表示するページ数は5ページ以内に収めることをおすすめします。
ページ数を5ページ以内に収めることで、訪問者が現時点で開いているページを把握しやすくなるうえに、進みたいページのボタンをタッチしやすくなるためです。
実際、ページネーションで表示するページ数が多すぎてしまうと、自分がどのページにアクセスすればいいのか迷子になってしまったり、次に進みたいページがどこなのかがわかりにくくなってしまいます。
そのうえ、表示するページ数が多すぎてしまうと、指でタップしたときに意図しなかったページに飛んでしまう可能性もあり、ユーザーのストレスの原因となることも考えられます。
なるべく、表示するページ数は5ページまでに設定して、ユーザーの使いやすさを重視しましょう。
現在のページがわかるようにする
SEO対策効果を高めるページネーションを実装したい場合には、現在閲覧しているページがわかるような配慮も必要です。
一目で自分のページが分かれば、次にアクセスするページが瞬時にわかるので、回遊率も向上するでしょう。
具体的な方法としては、滞在しているページの色を他とは変えたり、文字の太さや大きさを他よりも目立つようにしたりするなどの方法が一般的です。
最後のページにもジャンプできるようにする
ページネーションを実装するにあたり、SEO対策のためのコツとして知っておきたいのが、最後のページにもジャンプできるようにすることです。
ページ数を表示するだけではなく、最後のボタンも設置することで、ページ全体のボリュームをおおよそで把握しやすくなり、ユーザーが読み進めやすくなります。
なお、最後のページへのボタンを設置するときには、数字で表示させるよりも「最後」と表記したほうが分かりやすくなるのでおすすめです。
前後ページにジャンプできるようにもしておく
ページネーションを実装する際には、前後ページへジャンプできるようにしておくことも重要です。
現在開いているページから前のページに戻ったり、次のページに進んだりすることが簡単にできると、ユーザーがwebサイトを回遊しやすくなります。
ページネーションを実装するときの注意点
ページネーションを実装するにあたり、どのような注意点があるのでしょうか。
ここからは、ページネーションを実施するにあたり、知っておきたい注意点を解説していきます。
2ページ目以降を1ページに正規化しない
ページネーションを実装する際、2ページ目以降を1ページに正規化しないように注意しましょう。
これは、2ページ目以降のページ番号を1ページ目に変換して表示する方法を指します。
たとえば、1ページに10件ずつの記事が表示され、20件の記事がある場合、2ページ目にアクセスすると、最初の10件の記事が表示されます。しかし、「2ページ目以降を1ページ目に正規化する」という方法を採用する場合、2ページ目にアクセスした場合には、最初の10件の記事が再度表示されるのではなく、1ページ目に表示される10件目から20件目の記事が表示されてしまいます。
ユーザーが求めていたページとは違った内容が表示されてしまうことから、結果的にSEO対策の効果を半減させてしまうことになりかねません。
2ページ目以降のページは1ページに正規化しないことが、SEO対策としては重要です。
noindex・nofollowを使わない
ページネーションを実装するにあたり、注意したいのが「noindex」「nofollow」の存在です。
noindex・nofollowそれぞれを使用してしまうと、インデックスされなかったり、クロールされにくくなったりするなど、さまざまな弊害が生じてしまいます。
仮にインデックスやクロールが適切に行われなくなってしまうと、ページの評価が上がりにくくなるといったデメリットがあるのです。
webページでSEO対策効果を期待したいときには、ページネーションを実装する際には、noindex・nofollowを使用しないことをおすすめします。
クロール拒否をしない
SEO対策効果を期待してページネーションを実装する際、クロールの拒否はNGです。
ページネーションで分割したページでクロールを拒否してしまうと、そのページをGooglebotが巡回しなくなってしまいます。当然、クローラーが巡回しなければ、そのページが評価されにくくなってしまうため注意が必要です。
URL記述ミスをしない
ページネーションを実装するにあたり、注意点の一つとなるのがURLの記述ミスです。
たとえば、metaタグである「rel=”next”」と「rel=”prev”」は、基本的に「ahref属性のURL」も一緒に記述する必要があります。
その際に、URLを誤ってし合うと、パラメータが付与されている重複URLが生じてしまうことがあるのです。
重複URLは、サイトの評価が下がったり、上がりにくくなる原因の一つなので、URLはきちんと確認したうえで更新することが重要です。
まとめ
本ページでは、ページネーションにおけるSEO対策効果や、実装方法、実装のコツや注意点などについて詳しく解説しました。
適切にページネーションを実装することにより、SEO対策の効果は十分に期待できると言えます。とくに、ページの情報量が多いwebサイトにおいて、ページネーションは有効なSEO対策と言っても過言ではありません。
webサイトの運用を行っている企業担当者や、個人でブログを運営している方は、ぜひ適切なページネーションの実装について理解を深め、実際にwebサイト上で取り入れてみてはいかがでしょうか。