サマリーとは
サマリーには、要約や要旨、概要、要点、要約、手短な、などの意味がある言葉です。
ビジネス現場におけるサマリーとは、会議や視察などの報告書に添える、短時間で内容が理解できる要約された書類を意味します。
サマリーの語源は、ラテン語のsummma(要約)からきています。
サマリーの類義語として様々な言葉がありますが、まずはそれぞれの違いを見てみましょう。
- サマリーとレジュメの違い
- サマリーとアジェンダの違い
- サマリーとアウトラインの違い
- サマリーとアブストラクトの違い
ひとつずつ解説していきます。
サマリーとレジュメの違い
レジュメは、サマリーと同じ「概要」といった意味がありますが、使用する目的が大きく異なっています。
サマリーとレジュメの違いは、下記の通りです。
- サマリー:論文やレポート等の冒頭につける要旨
- レジュメ:既に話す内容が決まっている概要をまとめたもの
つまりレジュメとは、大学の講義や講演会といった人が多く集まる場所で配布される、内容のまとまった資料を指します。
具体的に、レジュメが使われる分野は、下記の3つです。
- 転職分野
- 教育分野
- ビジネス分野
ちなみにビジネス分野におけるレジュメは、会議の際に議題の論点整理として活用されます。
会議の参加者は、レジュメをもとに議論を展開していきます。
サマリーとアジェンダの違い
アジェンダとは話し合う内容ではなく、話し合うための題材や項目をまとめたものを指す言葉です。
議事日程や検討課題、行動指針などの意味があります。
アジェンダの特徴は、下記の3つです。
- 会議の内容については触れない
- 開始時間や終了時間、予定されている議題は記載する
- 会議が始まる前に参加者へ配布する
アジェンダでは、会議で決定する内容の効力について、触れる場合もあるでしょう。
またアジェンダを作成する際は、会議を行う目的を明確にして、参加者にアジェンダの事前共有を行います。
さらに議題の時間配分や優先順位、質疑応答の時間確保も重要なポイントです。
生産性の高い会議を実現するために、アジェンダの意味や使い方を理解しておきましょう。
サマリーとアウトラインの違い
アウトラインとは、枠組みや骨子、概略などの意味を持った言葉です。
「要約」を意味するサマリーとは違い、「業務や会議で行うべき内容を明確にすること」といった目的が、アウトラインにはあります。
アウトラインの具体的な役割は、下記の通りです。
- 目次
- 概要
- 見出し
- 章立て
そもそもアウトラインの一要素としてサマリーがあり、アウトラインの内訳としてサマリーや目次、見出しがあります。
また、IT用語として使用されるアウトラインの意味は、Excelの集計機能やグラフィックの輪郭線です。
サマリーとアウトラインでは、言葉の役割や資料における位置づけを理解して、意味の違いを理解しましょう。
サマリーとアブストラクトの違い
アブストラクトとは、背景や方法、結論までの概要を簡単にまとめた文章です。
サマリーと同じ「要約」の意味がありますが、主に学術論文の領域で使用されています。
アブストラクトを活用する目的は、下記の通りです。
- 読み手の興味を引く
- 十分な情報を簡潔に伝える
- 研究の本質を端的に伝える
- 研究の核心部分である結論に触れる
- 研究の内容と結果について明確に述べる
一般的にアブストラクトでは、研究の背景やテーマ、方法、結果、結論の5つについて述べられます。
また、アブストラクトを記述する際は略語や専門用語を避けて、誰が見ても研究の内容が理解できるようにしなければいけません。
アブストラクトを書く作業は簡単ではありませんが、本文を仕上げた後であれば内容を微調整できるので、執筆がはかどりやすくなるでしょう。
伝わりやすいサマリーの作り方
ここまで、サマリーの概要をお伝えしました。
続いて、伝わりやすいサマリーの作り方を紹介します。
- グラフや表などを活用する
- 箇条書きをメインに使う
- 形式を有効活用する
ひとつずつ紹介していきます。
グラフや表などを活用する
サマリーを分かりやすく伝えるには、グラフや表などを活用しましょう。
ビジネスやデータ解析の場面では、ログや売り上げデータに蓄積されたデータを集計もしくは解析します。
その際に、グラフや表にまとめることで、多くの情報を一覧化できる点がメリットです。
その他にも、下記のメリットがあげられます。
- 直感的に理解できる
- 建設的で生産性のある議論につながりやすい
グラフや表を活用する際は、派手に装飾しすぎないようにしましょう。
例えば複数の色や影、3D表現を使用すると、グラフや表が複雑になり、理解の妨げになる可能性があります。
そのため、できる限りグラフや表は省略もしくは抽象化して、詳細なデータよりも概要・傾向が分かりやすいようにしましょう。
箇条書きをメインに使う
分かりやすくサマリーの伝え方として、箇条書きがメインで使用されています。
サマリーの目的は、短い時間でだれでも概要を理解することです。
そのため通常の文章ではなく、箇条書きが適しているでしょう。
箇条書きを使用するメリットは、下記の通りです。
- 重要な部分だけ伝えられる
- 要点を特定して早く確認できる
- 情報が相手の記憶に残りやすくなる
ただし、箇条書きで分かりやすく伝えるには、羅列する形式では理解しづらくなってしまいます。
「並列もしくは時系列で並べる」「きれいな階層構造にする」といった点を、意識してみましょう。
また、箇条書きは横ではなく縦に並べると、さらに見やすいサマリーになります。
形式を有効活用する
サマリーを作成する際は、既に今までの会議などで使用されている形式を有効活用しましょう。
読み手が理解するまでに要する時間を最小限にすることが、サマリーの目的です。
形式を活用するメリットとして、下記の4つがあげられます。
- 記載内容の抜け漏れを防止できる
- 新しく作成する労力を削減できる
- 統一感のあるサマリーを作成できる
- デザイン性の高いサマリーを簡単に作成できる
企業で活用されているサマリーがある場合は、読み手がその形式に慣れている可能性があるので、同じ形式を採用するべきでしょう。
場合によっては、形式に入っている項目が不要であったり、書きづらいレイアウトだったりするかもしれません。
そのため改善が必要な際は、過去の形式を基本として、部分的な修正に留めます。
効率的にサマリーを作るには
ここまで、伝わりやすいサマリーの作り方をお伝えしました。
続いて、効率的にサマリーを作るツールやサービスを紹介します。
- User Local自動要約ツール
- ELYZA DIGEST
- IMAKITA Document Squeezer
ひとつずつ紹介していきます。
User Local自動要約ツール
User Local自動要約ツールとは、SNSの傾向分析ツールであるSocial Insightを運営する、株式会社ユーザーローカルが提供している文章自動要約ツールです。
要約できるサマリーを、「3行・5行・10行」から選択できます。
文章の重要な部分を、ヒートマップ表示やマーカー表示、モノクロ強調表示によって可視化することも可能です。
User Local自動要約ツールの特徴や活用するメリットには、下記の3つがあります。
- 文章中の重要な部分を視覚的に捉えられる
- フォームに入力した文章が特徴語や重要分として瞬時に抽出される
- 重要単語を多く含んでいるので、他の文章から類似度の高い一文を抽出できる
最大で1万文字を自動で翻訳できるため、まとまった文章をすぐに理解したい人に向いているツールといえるでしょう。
また、姉妹ツールである「AIテキストマイニング」と併用すれば、さらに深い文章を分析できます。
ELYZA DIGEST
ELYZA DIGEST(イライザダイジェスト)とは、東京大学松尾研究室発のスタートアップである株式会社ELYZAが提供している文章自動要約ツールです。
どんなに長文で入力されたテキストデータでも、3行に要約する機能が備わっています。
ELYZA DIGESTの要約方法は「生成型」が採用されており、その他にも抽出型や圧縮型、テンプレート型があります。
それぞれの特徴は、下記の通りです。
- 生成型:入力した文章からAIが要約文を生成する手法。原文にはない表現が使えて、入力した文章が壊れていた場合でも対応できる可能性がある。
- 抽出型:軽量の手法で実装できて、文章の中から重要な文を抽出する方法。原文の意味と異なる要約が生成される可能性はほとんどない。
- 圧縮型:文章にある特定の単語を削除して、圧縮文を生成する方法。原文の意味と異なる要約を生成する可能性が低い。
- テンプレート型:事前に用意したテンプレートの一部を、数字や名刺等に置き換えて文章を作成する手法。テンプレートが元になっているので、自然な文章になりやすい。
生成型は「それ」や「同日」といった表現が使えるので、文章を簡潔に読みやすくする効果があります。
また限られた文字数の有効利用が可能です。
IMAKITA Document Squeezer
IMAKITA Document Squeezerとは、AIが長文から選出して、文章の中から特に重要度の高い一文を指定された行数で選出するシステムです。
「長文を3行ほどでまとめる」ことを目的としています。
要約に対応している言語は、下記の通りです。
- 英語
- 日本語
- 中国語
- ドイツ語
- スペイン語
- フランス語
- イタリア語
- ポルトガル語
フォーマット内で文章を区切るには、日本語の場合は「。」「!」「?」、中国語は「。」のみ、それ以外の言語は「.」を活用します。
文の最大数と最小数を指定できるだけでなく、キーワードの抽出も可能です。
またコピーアンドペーストを行わずに、テキストを要約できます。
まとめ
今回は、サマリーの概要や似ている用語との違い、伝わりやすいサマリーの作り方を解説しました。
サマリーは、レジュメやアジェンダ、アウトライン、アブストラクトといった様々な類似している言葉があります。
また、伝わりやすいサマリーを作るには、下記を意識してみましょう。
- グラフや表などを活用する
- 箇条書きをメインに使う
- 形式を有効活用する
本記事でお伝えした効率的にサマリーを作るツールやサービスを活用して、自社の会議で資料を作成する際に役立ててください。
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