CTR:Click Through Rate(クリック率)とは
CTRとは、広告が表示された回数(インプレッション数)に対して、実際にどのくらいの割合でクリックされたかを示します。
読み方はそのままCTR(シーティーアール)です。
今回は、運用広告で使用することを前提に説明しますが、SEO対策でもよく使われる単語です。
CTRの計算方法
CTRは、クリック数÷表示回数で求められます。
例えば、表示回数は10,000回、クリック数が750回の場合だとCTRは7.5%となります。
では、表示回数は24,000回、クリック数が900回だとCTRは何%になるでしょうか?
正解は3.75%です。
先ほどよりも数字の細かい結果となりました。このように頻度を表す指標は、小数点第二位まで数字が出たのであれば表示させることが多いです。そのため、レポートを提出する際にも、小数点第二位は切り捨てずに表示させて報告すると良いでしょう。
リスティング広告で目指すべきCTRの平均値
「いったい何%にすればベストなのか?」それは配信している広告媒体や掲載順位、扱う商材などによってもバラつきがあります。一概にココを目指してくださいとは言えませんが、あくまで基準としてこちらを参考にしてみてください。
業界 | 平均クリック率 (Google検索) |
デート・出会い | 6.05% |
旅行・観光 | 4.68% |
擁護団体 | 4.41% |
自動車 | 4.00% |
教育 | 3.78% |
不動産 | 3.71% |
健康・医療 | 3.27% |
法律 | 2.93% |
金融・保険 | 2.91% |
Eコマース | 2.69% |
産業サービス | 2.61% |
家庭用品 | 2.44% |
求人 | 2.42% |
B2B | 2.41% |
消費者サービス | 2.41% |
技術 | 2.09% |
データ参照:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]
業界 | 平均クリック率 (GDN) |
デート・出会い | 0.72% |
旅行・観光 | 0.47% |
擁護団体 | 0.59% |
自動車 | 0.60% |
教育 | 0.53% |
不動産 | 1.08% |
健康・医療 | 0.59% |
法律 | 0.59% |
金融・保険 | 0.52% |
Eコマース | 0.51% |
産業サービス | 0.50% |
家庭用品 | 0.49% |
求人 | 0.59% |
B2B | 0.46% |
消費者サービス | 0.51% |
技術 | 0.39% |
データ参照:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]
CTRを高くするとどんなメリットがあるのか
実際にCTRを向上させることでどんなメリットがあるのか、3つの点で見てみましょう。
メリット1:広告の品質スコアが高くなる
品質スコアは、Google広告で広告やキーワード、ランディング ページの品質を表す指標です。
質が高いと判断された広告は、入札単価(CPC)が下がりやすい、上位掲載されやすい、配信量が増える傾向があります。
特にCTRを高くするという観点だけで言えば、上位掲載されれば当然ながら人目に触れる機会も増えるので重要度は高いです。
メリット2:CV数(コンバージョン数)が増加する
クリック数が増加すればランディングページに遷移するユーザーも増えるので、CVに繋がる機会も増えます。
メリット3:ユーザーデータを収集できる
CV数の増加同様に、ランディングページへの遷移数が増えればより多くのデータが集まります。データが集まれば広告はもちろんのこと、ランディングページを改善させるためのPDCAも早く回せるでしょう。
すぐ実践できるCTRを改善する方法
これまでは、CTRが何たるかを簡単に説明させていただきました。
では実際にCTRを改善させるためには何を行っていけばいいのかをお伝えします。
方法1:広告文に数字や記号を入れる
文字以外も、数字であれば「初回50%OFF」、記号であれば「【SNSで話題沸騰】シミ美容液」と入れるだけで目を引く内容になります。
しかし、「業界No.1実績」という表現は、一見よく見かける内容かと思いますが、漠然とした謳い文句は昨今では見慣れた表現です。逆にユーザーに不信感を与える内容になってしまうことのないように注意が必要となります。
方法2:広告表示オプションを設定する
広告表示オプションはGoogleやYahooにある無料機能の一つで、設定するだけで多くのメリットが得られます。
- より多くの訴求内容を入れられる
- 広告の占有率が増える
- クリック率が上がる
特にGoogle広告では、Yahooと比べるとかなりオプション内容も豊富に揃っているので、用途に合わせて追加しておくのが良いでしょう。
- 電話番号表示オプション:電話番号を表示する機能
- メッセージ表示オプション:モバイル端末の検索時にSMSメッセージを送るアイコンを表示する機能
- 住所表示オプション:住所を表示する機能
- アフィリエイト住所表示オプション:自社商品を販売している最寄りの店舗を知らせる機能
- 価格表示オプション:価格を表示する機能
- アプリリンク表示オプション:アプリのダウンロードリンクを表示する機能
- プロモーション表示オプション:セールやプロモーション情報を表示できる
- 販売者評価の広告表示オプション:ユーザーによる販売者の評価を広告に表示する機能
中には審査が厳しいオプション、設定までに多少工程が必要なオプションもありますが、メリットしかないので必ず設定しておきましょう。
方法3:2つのキーワードを見直してみる
キーワードは「配信するキーワード」と「広告文に入れるキーワード」の2つの点から最適化を行います。
- 配信するキーワードの見直し
- 配信で設定しているキーワードがターゲットに合っているか、自社商材・ランディングページでの訴求ポイントと実際にマッチしているかをチェックする必要があります。合っていないのであれば、キーワードを見直すか、検索クエリを確認して意図しないキーワードへの配信を除外キーワードとして設定を行い、無駄クリックを防ぎましょう。
- 広告文に入れるキーワード
- 広告文は、検索したキーワードに関係のあるキーワードで構成されていることが理想です。ユーザーが何を求めて検索するのか、何を魅力的に思うかなど、ユーザー視点で考えて作成してみましょう。
方法4:ターゲット設定
自社商材のターゲット層以外へ配信してしまうとクリック率低下に繋がります。ターゲットは性別、年齢、地域でそれぞれ設定が行えます。さらに詳細に世帯収入や子供の有無でも設定が行えるため、高額商材や子供向け商材など、ターゲット層がはっきりしているものなどは細かく設定しておいてもいいかもしれません。
ただし、配信量が激減する可能性もあるため設定を加えた後は必ず成果の動向を追うように注意しましょう。
まとめ
広告運用担当者さんへの入門編としての解説でしたが、お役に立てたでしょうか?
CTR(クリック率)は広告に対するユーザーからの評価であり、改善施策として初心者さんが取り組みやすい改善施策でもあります。
また、効果を上げていく過程で商材やターゲット層への理解度も深まるため、その後の施策にも活かせると思います。
CTRという指標自体は基本中の基本ではありますが、成果を上げるためには重要な要素です。成果を出すための知識材料として少しでもこの記事がお役に立てれば幸いです。