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カスタマーサクセス(CS)の主なKPI指標12選!KPI設定手順や達成ポイントも解説

投稿日:2024年10月11日 /

更新日:2024年10月11日

カスタマーサクセス(CS)の主なKPI指標12選!KPI設定手順や達成ポイントも解説
● CS

カスタマーサクセスとは、自社サービスを導入・利用している顧客にアプローチし、顧客を成功へと導く取り組み・部門のことです。カスタマーサクセスによって解約率や顧客満足度が大きく左右されるため、特にサブスクリプションモデルのSaaS企業にとって欠かせません。

その効果を高めるのに重要なのがKPIの設定です。本記事では、カスタマーサクセスにおける代表的なKPI指標を12選紹介し、KPI設定手順や達成ポイントを紹介します。

こんな方におすすめ!

  • 効果的なKPI設定でカスタマーサクセスを強化したい方
  • カスタマーサクセスの取り組みによってLTVを最大化させたい方

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カスタマーサクセスにおけるKPIとは?

カスタマーサクセスで成果を出すためには、KPIの設定が欠かせません。

ここでは、カスタマーサクセスにおけるKPIについて解説します。

KPIの定義

KPI(Key Performance Indicators)とは「重要業績評価指標」のことを指し、ビジネスの最終目標に向けた進捗状況を測るために使われる、定量的な指標です。

ビジネス目標を達成するうえで大切な指標とその関係性

ビジネスの最終的な目標はKGI(Key Goal Indicator)と言い、たとえば「今期の売上〇円」「利益率が昨年比〇%」などが設定されます。KGIは、ビジネスにおける最終的な成果やゴールを表す指標です。

KGIを達成するためには、具体的なアクションやプロセスが必要です。たとえば、「毎月〇件の商談を実施する」「リピート率を〇%にする」など、こうした中間目標がKPIです。KPIは、最終目標であるKGIに到達するために、各部門やチームがどれだけ成果を上げているかを示すものです。

さらに、KDI(Key Driver Indicator)は、KPIやKGIを達成するために最も重要な「推進要因」を表します。KDIは、具体的な行動や活動に焦点を当て、KPIの結果に直接影響を与える指標です。たとえば、「顧客との接触回数」「広告クリック率」「初回対応時間」などがKDIとして考えられます。

最終的なビジネス目標であるKGIを達成するためには、KDIで行動を促進し、その結果としてKPIをモニタリングすることが重要です。KPIを通じて、組織は進捗を把握し、必要な調整を行いながら目標に向けて効率的に動くことができます。

<例>

カスタマーサクセスにおいても、自社のカスタマーサクセス活動の最終目標を達成するためにKPIの設定が重要になります。

カスタマーサクセスでKPIが重要な理由:施策の判断ができる

カスタマーサクセスは、顧客に対して多様なアプローチを行って顧客を成功へと導き、自社の発展へとつなげます。そのため、「各施策が適切なのか」「効果が出ているのか」を判断し、そのまま施策を続けるのか、改善してブラッシュアップするのか、それともその施策を取りやめて新たな施策を打ち出すのか、を判断する必要があります。その際、定量的に判断できるKPIを設定していることで、各施策の効果や妥当性を判断することが可能です。

また、カスタマーサクセス担当者が顧客と良好な関係を築けているかどうか判断する場合にもKPIを活用できます。たとえば、KPIとして「顧客満足度」を設定した場合、顧客満足度が向上していればカスタマーサクセス担当者の対応が適切であると言えるでしょう。逆に、顧客満足度が下がっていれば、顧客と担当者の間で何らかのトラブルが生じていたり、担当者が対応してきれていなかったりするなどの原因が考えられます。

このように、カスタマーサクセスの成果を高めるためには、KPIを設定して定期的に測定・分析していくことが重要です。

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カスタマーサクセスでよく使われるKPIを12種類紹介

カスタマーサクセスでは、以下のKPI指標がよく活用されています。

 評価カテゴリ主な指標
 顧客の価値・収益性

 1.LTV(顧客生涯価値)
 2.アップセル・クロスセル率

 顧客の継続性

 3.チャーンレート(解約率)
 4.リテンションレート(顧客維持率)

 顧客満足度とロイヤリティ

 5.NPS(ネットプロモータースコア)
 6.顧客満足度
 7.カスタマーヘルススコア
 8.SNSやレビューサイトでの投稿獲得数

 ユーザーエンゲージメントと活性度

 9.オンボーディング完了率
10.アクティブユーザー数
11.セッション時間

 ビジネス成長の潜在性

12.CSQL(Customer Success Qualified Lead)

 

一つずつ、どのような指標なのか確認していきましょう。

なお、いずれもSaaS企業におけるカスタマーサクセスを想定しているため、業種や商材などによっては適さない場合もあります。

1.LTV(顧客生涯価値)

LTV(Life Time Value)は「顧客生涯価値」のことで、一人の顧客がサービスの契約から解約までにもたらす収益を指します。

LTVの算出方法はいくつかあるためここでは代表的なものを紹介しますが、自社のビジネスモデルや目標に適した計算式を活用しましょう。

 LTV
代表的な計算式顧客の平均購入単価 × 平均購入回数
メーカーや小売のリピート商材などの計算式購入の平均購入単価 × 購入頻度(年) × 契約継続期間(年)
SaaS・サブスク型商材などの計算式顧客の平均購入単価 ÷ 解約率
B2Bビジネスや高額商品を取り扱うビジネスなどの計算式取引額(年間) × 収益率 × 契約継続期間(年)


この計算式からもわかるように、LTVは「単価を上げる」「解約せずに続けてもらう」「リピートしてもらう」などの要素から成り立っています。前述した「チャーンレート(解約率)」もLTVを左右する重要な要素のため、LTVは各KPIとの相関関係があると言えます。

2.アップセル・クロスセル率

現状のプランより高額なプランへアップグレードする「アップセル」や、オプションや関連サービスも契約してもらう「クロスセル」も、カスタマーサクセスのアプローチ次第で向上します。アップセル率とクロスセル率の向上は、カスタマーサクセスの働きかけによって、サービスの価値を感じて「より活用したい」と思っている顧客が多いと評価できるでしょう。

アップセル・クロスセルにより顧客単価も高くなるため、LTV向上にもつながります。

3.チャーンレート(解約率)

チャーンレートとは「解約率」のことを意味します。

サブスクリプションモデルが多いSaaSの場合、いくら新規顧客を増やしても解約数が多ければ利益率は向上しません。そのためチャーンレートをKPIとして設定し、解約せずに利用を継続してくれる顧客がどれだけいるのか見ていく必要があります。

チャーンレートは、顧客数を基準とした「カスタマーチャーンレート」と、売上金額を基準とした「レベニューチャーンレート」の2種類です。

 

カスタマーチャーンレートレベニューチャーンレート
概要期間内に解約した顧客の割合期間内の売上金額のうち、解約によって失った金額の割合
計算式解約数 ÷ 契約数 × 100単価 × 解約数 ÷ 売上金額 × 100


たとえば、期間内の解約件数が1件でも、その顧客の契約単価が高額だった場合、カスタマーチャーンレートは低いですがレベニューチャーンレートは高くなります。そのため、どちらか一方だけではなく、両方とも継続して見ていくべき指標と言えるでしょう。

4.リテンションレート(顧客維持率)

解約率を意味するチャーンレートに対し、継続してくれる顧客の割合を示したのが「リテンションレート(顧客維持率)」です。チャーンレートが低い数値であれば、リテンションレートは高いということを意味します。

単純な計算方法としては、期間内の顧客数を100%として、そこから解約率を引いて求める方法があります。

 リテンションレート
 計算式1100 - 解約率


また、一定期間の終了時点での顧客数から、その期間内に新たに獲得した顧客数を引いた数値を、その期間が開始する際の顧客数で割った数値でも求められます。

 リテンションレート
 計算式2(期間終了時点の顧客数 - 期間内の新規顧客数)÷ 期間開始時点の顧客数 × 100


この計算方法は、期間内に獲得した新規顧客の数を差し引いて計算するため、継続している顧客数をより詳細に計算できます。

5.NPS(ネットプロモータースコア)

NPS(ネットプロモータースコア)は「顧客推奨度」などと言われることもあり、顧客がそのサービスをどれだけ他者に勧めたいと思っているかを数値化した指標です。「勧めたい」という気持ちがあるということは、そのサービスに価値を感じ愛着を抱いている状態であるため、ロイヤルティが高いと評価できます。

NPSを算出する方法は以下の通りです。

  • 「あなたはこのサービスを、家族や友人にどのくらい勧めたいですか?」と質問する
  • 1~10の11段階で回答してもらう
  • 「0~6点:批判者」「7、8点:中立者」「9、10点:推奨者」に分類する
  • 「推奨者」の割合から「批判者」の割合を引いた数値を求める

数値がマイナスになることも珍しくありませんが、カスタマーサクセスが適切に対応して「批判者」の数を減らしたり、「中立者」から「推奨者」へ育成したりすることで、NPSの向上が見込めます。

6.顧客満足度

「顧客満足度」も、カスタマーサクセスにおけるKPIとしてよく活用されています。

サービスを導入しても使い方がわからなかったり、組織で定着しなかったりする顧客が多いと、顧客満足度は下がるでしょう。しかし、そうした顧客にもカスタマーサクセスがアプローチし、使い方を教えたり定着を支援したりすることで、顧客満足度を改善できます。

顧客満足度は、以下の5つの段階で評価してもらい、調査するのが一般的です。

  • 5:非常に満足
  • 4:満足
  • 3:どちらでもない
  • 2:不満
  • 1:非常に不満

このうち、4点と5点をつけた回答数を全回答数と割って算出します。

 顧客満足度
 計算式「非常に満足」「満足」と答えた回答数 ÷ 全回答数 × 100


また、100点満点で回答してもらい、全回答の合計点数から全回答数を割ることで、平均点数を算出して顧客満足度として算出する方法もあります。

顧客満足度を調査する際には「このサービスにどのくらい満足していますか?」という設問だけでなく、「顧客対応品質に関する満足度」や「サポートのスピードに対する満足度」なども調査項目に入れておくと、カスタマーサクセスの取り組みへの評価を数値化することも可能です。

かつてはハガキや書面などによる調査が一般的でしたが、最近ではインターネットを活用した調査が多くなっています。Googleフォームなど無料で利用できるアンケートフォームもあるため、顧客が回答しやすい方法で調査しましょう。

7.カスタマーヘルススコア

カスタマーヘルススコアとは「顧客の健康状態の数値化」と直訳できるように、サービスを健全に利用できているか数値化した指標です。ヘルススコアが高ければ、継続して利用してくれる可能性が高いと言えます。

ヘルススコアは、特定の数値だけでなく、さまざまな数値を合わせて算出することが多く見られます。たとえば「ログイン回数」「データ入力回数」「顧客満足度」などです。

総合的なヘルススコアの数値でカスタマーサクセスの施策の効果を判断するだけでなく、顧客ごとに個別の対応を実施する際にも役立ちます。たとえば、ヘルススコアが低い顧客は解約リスクが高いため早期にサポートしたり、ヘルススコアが高い顧客にはアップセル・クロスセルを提案したりできるでしょう。

8.SNSやレビューサイトでの投稿獲得数

SNSやレビューサイトなどで、ユーザーからの口コミを獲得している件数もKPIとして設定されることがあります。

その顧客がサービスに対するエンゲージメントが高ければ、SNSやレビューサイトなどでポジティブな口コミを発信してくれます。投稿数が多ければ、それだけサービスのファンが多いと言えるでしょう。口コミが多ければ、今まで自社サービスを知らなかった層に対しても「信頼できるサービスだ」と認識してもらうことができ、新たな顧客の獲得も期待できます。

ただし、中にはネガティブな口コミが投稿されている場合もあります。ネガティブな口コミはサービス改善のヒントになるため、社内にフィードバックして適切に対応しましょう。

9.オンボーディング完了率

オンボーディングとは、サービスを導入した顧客が自走できる状態にするための取り組みです。

サービス導入初期の顧客は使い方や活用方法がわからないため、高いレベルでサービスを使いこなすのは難しい状態です。その時点で不満を感じてしまうと、導入早々に解約したり、下位プランへダウングレードしたりするなどの事態につながりかねません。そのため、カスタマーサクセスが顧客に機能面を教えたり、組織の運用体制を整備したりして、顧客が自走できる状態まで育成することが重要です。

期間内にオンボーディングが完了していれば、その後も継続して利用してくれる可能性が高いと判断できます。一方、オンボーディングが完了していないと、サービスの価値を見いだすことができず解約リスクが高いと言えます。

「オンボーディングが完了している状態」は、企業やサービス内容によって異なります。「チュートリアルを終えている」「初期設定が完了している」「既存システムからデータを移行できている」などの基準を設定し、期間内にどのくらいの割合のユーザーが完了しているか測定しましょう。

カスタマーサクセスにおけるオンボーディングを効率良く行うツールを以下記事で紹介しています。ぜひ、あわせて参考にしてください。

10.アクティブユーザー数

サービスのアクティブユーザー数とは、サービスを積極的に活用しているユーザーの数を指します。

サービスに登録していても、利用頻度が少ないユーザーや、まったくログインしていないユーザーがいることは珍しくありません。契約数が増えてもログインしていないユーザーが多ければ、それだけ解約リスクの高いユーザーがいることを示します。

そのため、一定期間内に「ログインしている」や「データを入力している」などの条件に当てはまるユーザーを「アクティブユーザー」とし、積極的に活用できているユーザーがどれだけいるのか測定する必要があります。

アクティブユーザー数が多ければ、カスタマーサクセスが使い方をサポートしたり活用方法を提案したりしていて、積極的な活用につながっていると評価できるでしょう。一方、アクティブユーザーが少ない場合は、カスタマーサクセスがアプローチして利活用を促進することで改善が可能です。

11.セッション時間

セッション時間とは、ユーザーがサービスを利用している時間を指します。セッション時間が長いほど、そのユーザーはそのサービスに時間を費やしているということになり、さまざまな機能を使ったりデータを分析したりしていると判断できるでしょう。

逆に、アクティブユーザーだとしてもセッション時間が短ければ、必要最低限の機能しか使っていないことを意味するため、積極的に利用してもらうよう働きかけが求められます。

「セッション時間が短い=解約リスクが高い」という意味ではありませんが、さまざまな機能を活用してサービスの価値をさらに感じてもらう必要があるでしょう。

12.CSQL(Customer Success Qualified Lead)

CSQL(Customer Success Qualified Lead)は「カスタマーサクセス活動によって生み出されたリード」といった意味で、アップセルやクロスセルなどのエクスパンション施策の条件を満たした顧客を指す場合が多いです。

CSQLはカスタマーサクセスでエクスパンション施策を行うこともありますが、大口契約が見込める顧客や入念な商談が必要な顧客など、営業部門による対応が適切な場合はカスタマーサクセスから営業部門へ引き渡すこともあります。

CSQLは日本ではまだ一般的ではない指標ですが、CSQLが多ければ売上アップの機会も多いことを示すため、今後注目される可能性が高いと予測されています。

 

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KPIを設定する手順

カスタマーサクセスを成功させるには適切なKPI設定が重要です。そこで、効果的なKPIを設定する手順を3ステップで説明します。

ステップ1|KGIを設定する

まずは、最終的なゴールとなる「KGI」を設定します。KPIはKGIから逆算して設定するため、最初にKGIの設定が必要となるのです。

カスタマーサクセスにおけるKGIとしては、以下のような例があります。

  • 自社の売上目標金額のうち〇%
  • チャーンレートが昨年比〇%減
  • リテンションレート〇%以上
  • 顧客満足度が〇以上

チャーンレートやリテンションレートなどはKPIとしても設定されることのある指標ですが、自社のKGIとして適切であればKGI指標として用いても問題ありません。

ステップ2|現状を分析する

次に、自社は今どのような状況なのか分析し、KGIを達成できる度合いを把握します。チャーンレートやリテンションレート、オンボーディング完了率、アクティブユーザー数など、先述した指標の数値を洗い出して現状を把握しましょう。

この分析により、自社の現在の強みやボトルネックを把握でき、どの部分を強化すべきか明らかになります。

ステップ3|KPIを設定する

現状を把握したら、KGI達成のためのKPIを設定していきましょう。

このとき、KGIを達成するためにはどのようなKPIを達成すべきか逆算して考えることがポイントです。たとえばKGIが「売上金額」の場合、「毎月のチャーンレートをどのくらいに抑えなければならないか」と考えます。そして、そのチャーンレートにするためには「オンボーディング完了率や顧客満足度が毎月どのくらいでなければならないか」と逆算できます。

このように、KGIを頂点としてツリー形式でKPIを設定していくと良いでしょう。

また、KPIを設定する際には要点を絞ることもポイント。KPIとして設定できる指標は複数ありますが、あまりにも多くのKPIを設定しすぎると現場が混乱し、KPI達成が困難になります。KGIに関連するKPIに絞って設定し、運用していく中で必要があれば追加しましょう。

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KPIを設定・運用する際の6つの注意点

最後に、KPIを設定・運用する際に注意すべき6つのポイントをお伝えします。

注意点1|KPIを満たすことで、KGIの実現につながるのか確認する

KPIを設定する際、その達成が最終目標であるKGIにどのように貢献するのかを明確にすることが重要です。KPIが部分的な成果をもたらしても、全体の目標に寄与しない場合、戦略の方向性を見誤るリスクがあります。KPIとKGIの因果関係を事前に確認し、設計ミスを防ぐことで、リソースを無駄にせず、効率的に目標達成を目指せるようにしましょう。

例)セッション数は増えたが、コンバージョンにつながらない。

注意点2|達成可能な指標を設定する

KPI設定の際によくあるのが「高い目標を設定してしまう」というリスクです。マネジメント層は、よりカスタマーサクセスが効果的に機能するよう高い目標を設定したいと思いがちですが、目標値が高すぎると現場の状況とギャップが生じてしまいます。その結果、施策の効果を客観的に測れなかったり、担当者のモチベーションが低下したりするなどのリスクが生じることも。

そのため、現状よりも若干背伸びした数値で、達成可能な指標を設定することがポイントです。

注意点3|定量的に測定できる指標を設定する

「顧客と良好な関係を築く」などの定性的な目標だと、本当に達成できているかどうか判断しきれません。また、改善点も見つけにくいためPDCAを回すことが難しくなります。

KPIにはデータとして定量的に測定できる指標を用いて、施策や顧客対応の効果を客観的に測れるようにしましょう。

注意点4|定期的にKPIの見直しと調整を行う

自社の状況に合わせて定期的にKPIを見直す必要があります。ビジネス環境の変化により、KPIとして設定している指標や目標数値が見合わなくなることがあるため、「妥当な指標を設定できているか」「目標数値は低すぎず高すぎないか」を検証し、必要があれば柔軟に調整して現状に最適化しましょう。

注意点5|企業全体でKPIを共有する

KPIはカスタマーサクセス部門だけでなく企業全体で共有し、共通の目標意識を持つことも重要です。

チャーンレートやリテンションレート、顧客満足度などは、カスタマーサクセスの取り組みだけでは改善できません。たとえば、いくらカスタマーサクセスの対応が優れていても、サービス自体の使い勝手が悪ければ解約につながる可能性が高くなります。また、Webサイトを充実させるためにマーケティング施策が必要となったり、アップセルのために商談を行ったりする場合もあるでしょう。そのため、開発部門やマーケティング部門、営業部門などとも連携する必要があります。

他部門と連携しながら企業全体で取り組み、顧客を成功に導いていくことが重要です。

注意点6|ツールを活用する

カスタマーサクセスのKPIを設定して達成するためには、データを測定・分析できるツールの活用が欠かせません。顧客情報を管理できるツールや、カスタマーサクセスのアプローチ履歴を記録できるツール、顧客のアクセス状況を分析できるツールなど、自社に最適なツールを導入・活用しましょう。

カスタマーサクセスで活用できるツールの一例を紹介します。

ツールの種類特徴
CRM(顧客関係管理システム)顧客情報や取引履歴、問い合わせ履歴などを一元管理する
SFA(営業支援システム)商談履歴やアプローチ履歴を記録する
MA(マーケティングオートメーション)ツールマーケティング施策の自動化・効率化ができる
アンケートツールNPSや顧客満足度などを調査できる
アクセス解析ツール顧客のサービス利用状況を解析する
オンボーディングツール顧客のオンボーディングを促進する


このようなツールの多くに、データの分析機能が搭載されています。情報の一元管理やデータの分析を行い、カスタマーサクセスのKPI達成度を測定していきましょう。


以下の記事でオンボーディングツールを一挙ご紹介しています。ぜひご参考ください。

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まとめ:適切なKPI設定でカスタマーサクセスの効果を高めよう

カスタマーサクセスのKPIとして設定できる指標は多岐にわたるため、自社の状況やビジネスモデル、サービスの特徴などをふまえて最適な指標をKPIとして設定しましょう。

KPIで効果を測定していくことで自社の課題やボトルネックを特定でき、施策のブラッシュアップや対応品質の向上につながります。定期的なKPIの見直しと改善を行い、顧客満足度と自社の成長を両立させましょう。

これからカスタマーサクセスの立ち上げを考えている方はこちらの記事もおすすめ!

 

執筆   :西  並子
編集・図解:平山 理沙

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