ディスプレイ広告とは
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ上の広告枠に表示される画像や動画広告、テキスト広告を指します。
ディスプレイ広告の主な媒体は、Googleディスプレイネットワーク(GDN)と、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)です。なお、2020年7月からは「Yahoo!広告 ディスプレイ広告(YDA)」の提供が開始され、2021年5月にYDNは提供が終了されています。
料金体系
ディスプレイ広告で広告費が発生するタイミングは、クリックされるごとに料金が発生するクリック単価制(CPC課金)が主流です。他にも、広告のインプレッション(表示回数)1,000回あたりに応じて料金が発生するインプレッション単価制(vCPM課金)を選ぶケースもあります。
どちらの料金体系でも、あらかじめ設定した予算から課金額が引かれていく方式のため、広告費は予算内に抑えることができます。
ディスプレイ広告とリスティング広告との違い
次に、ディスプレイ広告と並んで主要なネット広告である、リスティング広告との違いはどこにあるのか見ていきましょう。
広告の掲載場所の違い
リスティング広告は検索結果の上部に表示されます。
対して、ディスプレイ広告は、ポータルサイトのトップページ、関連サービスや提携サイトに広告が表示されます。そのため、ディスプレイ広告の方が掲載先のバリエーションが多いといえるでしょう。
アプローチできるターゲット層の違い
リスティング広告は、検索キーワードに連動した型の広告ですので、ニーズが明確なユーザーに絞って訴求できます。対して、ディスプレイ広告は、ポータルサイトのトップページなどにも掲載されるため、まだ課題に気づいていない潜在層へのアプローチが可能です。
広告フォーマットの違い
リスティング広告で表示される広告の形式はテキストのみですが、ディスプレイ広告の場合は画像や動画広告も選択できます。どちらもユーザーの興味を引くような広告を出稿することが重要になります。
ディスプレイ広告配信のメリット
リスティング広告との違いについて理解いただけましたでしょうか。
次は、ディスプレイ広告のメリットについて解説します。
リターゲティング(リマーケティング)が可能
ディスプレイ広告には、GDNではリマーケティング、YDN(YDA)ではリターゲティングと呼ばれる配信機能があります。これは、一度Webサイトを訪れたもののコンバージョンには至らなかったユーザーに対して、再度広告を表示する配信方法です。
既に自社のサービスや商品に興味や関心を持っていて、購入に対してモチベーションが高い傾向があるため、成果へつながりやすいといわれる非常に有効な配信機能です。
潜在層へのアプローチで認知拡大
前項でリスティング広告との違いとしても記載しましたが、ディスプレイ広告は幅広い潜在層へアプローチできます。
潜在層に対して認知拡大を図ることで、商品やサービスを知らないユーザーや、課題に気づいていないユーザー、興味はあるが行動に移していないユーザーなどのニーズを、広告配信によって掘り起こすことができます。
訴求できる点が豊富
ディスプレイ広告は、テキストのみのリスティング広告に対して、画像や動画も使用できるため、目に止まりやすいというメリットがあります。また、ビジュアルで表現することで、商品やサービスの魅力をより具体的に伝えることが可能です。
クリック単価(CPC)が安い
ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリという膨大な数ある広告枠に出稿できます。圧倒的なひとつの広告枠に対する競合が少なくなるため、検索ありきの広告であるリスティング広告と比較してクリック単価が安くなる傾向があるのです。
そのため、リスティング広告と同額の予算を使用した場合でも、より多くのユーザーをサイトに誘導することが可能で、ターゲティングの精度次第では獲得効率の上昇も期待できるでしょう。
ディスプレイ広告の種類
冒頭で主な媒体としてあげたGDNとYDN(YDA)では、大きなネットワークを構築し、提供しています。その特徴は以下のとおりです。
- GDN(Googleネットワーク)
Google関連サイトに広告を配信することができ、YouTubeやアメブロなどの一般のポータルサイトや、ブログページの広告枠に配信される。 - YDN(Yahoo!ディスプレイネットワーク)
Yahoo!の関連サイトに広告を配信することができ、Yahoo!ニュース、Yahoo!メールなど、主にYahoo!のサービスサイトに多く配信される。
これらのディスプレイ広告は、訴求したいターゲットに応じて、配信先にセグメントをかけることがきます。
キーワード
登録したキーワードに関連するWebサイトに広告を配信するセグメント方法です。
例えば、「美容クリニック」というキーワードで広告を登録すると、「美容クリニック」に関連していると判断されたWebサイトに自動的に広告が配信されます。
広告出稿が自由にキーワードを設定できるため、次項で解説するトピックターゲティングにはないキーワードでの配信や、より自社商品・サービスと親和性高いキーワードでの配信が可能です。
トピック
Googleが出している トピックを選択してセグメントをかけることで、特定のテーマに関するページのみに絞って配信できます。
例えば、「自動車」を指定すると、自動車に関するコンテンツを含んだWebサイトに広告が配信されます。また、「トラック、SUV」、「商用自動車」、「オートバイ」など、それぞれのトピックでより詳細なサブトピックを選択することも可能です。
このように、自社サービスに近いテーマのWebサイトに広告を配信することで費用対効果を高められます。ただし、他のターゲティング手法よりインプレッションが多く出やすいため、より自社に合ったトピックを選定することをおすすめします。
プレースメント
プレースメント配信では、WebサイトやWebサイト内の掲載位置を指定して広告を配信できます。さらにプレースメントには以下の2種類から設定が可能です。
・自動プレースメント
設定したキーワードに対し、過去のデータから関連性の高いWebサイトに配信されます。
・手動プレースメント
WebサイトやYouTubeチャンネル、アプリなどを直接指定して配信できます。
ふたつを比較すると、手動プレースメントの方が「好きなところに配信し放題」に見えます。しかし、ターゲティング狭めてしまうと、当然広告の配信先も狭まるため、想定よりもインプレッションされないという事態に陥らないように注意が必要です。
インタレスト
インタレスト配信は、ユーザーの行動履歴データをもとに、「枠」ではなく「ユーザー」をターゲティングして、広告を配信します。
つまり、「自動車」に関連のあるサイトに広告が表示されるのではなく、「自動車」に興味があるユーザーが閲覧したWebページに広告が配信されます。
ユーザー
「性別」「年齢」「子供の有無(Googleのみ)」などでセグメントをかけて、広告を表示させます。
例えば、「ベビーカー」の訴求を行う場合、「20代、30代、女性、子供あり」を指定することで、このセグメントにマッチしたユーザーへ広告が配信されます。これらのターゲティングは、Googleアカウントへのログイン情報や過去の閲覧履歴から推測され行われます。
ディスプレイ広告運用のポイント
最後は、ディスプレイ広告を配信するときのポイントをご紹介します。
ブランディングを目的と場合
ブランディングを目的とする場合、ユーザーの商品やサービスへの認知度と、問い合わせ意欲などを向上させることが重要です。
さまざまなWebサイトで幅広いユーザーに広告を配信できるディスプレイ広告は、認知拡大の施策として非常に有効です。
ユーザー属性を絞ったターゲティングを行い、広告を配信したいユーザーを明確にすることで、ブランディングの効果を高められるでしょう。
他にも、自社のブランドイメージとは離れたWebサイトを広告の配信先から除外することで、意図しないターゲット層からの無駄クリックを防げます。。
レスポンスを目的にする場合
購入や資料請求などのレスポンスを目的とする場合は、費用対効果を高めることが重要です。
そのため、ユーザーの興味関心に関わる項目でターゲティングの絞り込みを行えば、顧客化する可能性の高いユーザーへ広告を配信できます。
自社商品やサービスに興味を持つユーザーが閲覧するサイトへ広告が表示されるよう、適切なターゲティングで設定を行い、実際に広告が配信されるユーザーを絞り込むようにしましょう。
まとめ
今回は、ディスプレイ広告の基本知識について解説しました。
ただリスティング広告と掲載される場所が違うだけではなく、配信するときの目的や狙えるターゲット層も異なります。
そのため、メリットを含めてしっかりとポイントを抑えることで、リスティング広告とは違った成果を得ることができるでしょう。
これを機にぜひディスプレイ広告を検討してみてください。