顧客管理はツールを導入することで収益を出しやすくなる
顧客管理は手動で行うことはおすすめできません。収益を出しやすくするためには「ツール」を導入することをおすすめします。
顧客管理の必要性
顧客管理とは、単に連絡先や名前・住所を管理すればいいというものではありません。顧客に関する多様な情報を様々な切り口で管理することにより顧客ごとのニーズを的確に把握し、「顧客と長期にわたり良い関係を築く」ことが主な目的となります。
顧客管理は、効率的かつ効果的に運用できるようになるだけでも新たなビジネスチャンスにつながると言っても過言ではない概念です。
管理する顧客情報は個人向けか法人向けかでも変わる
管理する情報は、個人向けか、法人向けかによっても変わってきます。
個人向けの場合
・過去の商品やサービスを購入した経緯
・どんなキャンペーンに反応があったか
・自社サービスのアクティブユーザーか
法人向けの場合
・どんな案件で顧客と関わったか
・その案件の結果
・現在も取引があるか
【現状】ツールを導入せず”慣習”でエクセルで顧客管理をする企業は多い
顧客管理ツールを導入していない企業は、顧客情報をエクセルで管理しているケースは非常に多いのが現状です。
というのも、エクセルは会社のPCに標準で搭載されていることが多く、新たにツールを導入するコストがかからないだけでなく、もともと古くから企業で広く利用されており、多くの人に馴染みがあるためです。さらに、新入社員や転職者に対しても教えるコストがかからず、手軽に利用できる点が大きいです。
しかし、あくまでもエクセルは表計算ツールであり、顧客管理に特化した仕様ではありません。
もちろん、利用するのにハードルが低いメリットがありますが、デメリットもあります。
デメリット
・関数やマクロなど複雑な数式を組み込むほど重くなる
・複数で同時作業をすると不具合が起こりやすくなる
・スマホからの編集では使いにくい点が多い
・容易にファイルを持ち出せてしまう(USBメモリの紛失、メール添付による誤送信など)
エクセルは使いやすい反面、どうしてもパフォーマンスやセキュリティに不安があり、企業活動において最重要ともいえる顧客情報の管理に弱点が多いのも事実です。
一方で、顧客管理ツールを利用する場合はどんなメリットがあるのでしょうか?
顧客管理ツールを導入するメリット
顧客管理に特化したツールは、主に次のようなメリットがあります。
メリット
・セキュリティ性が高まる(USBにコピーされたり、誤ってメールに添付されたりする心配はありません。)
・企業毎にカスタマイズを行い、顧客情報を効率よく管理できる
‐ その時その時に必要な情報をすぐにピックアップできる
– リストの作成もスムーズにできる
‐ 単に情報を社内へ共有できるだけでなく、必要なセグメントによって切り分けたリストの抽出も可能
顧客管理の目的は、「顧客と良好な関係を築いて次のビジネスチャンスに活かすこと」です。顧客管理ツールはその目的で作られており、適切な情報を適切なタイミングで取得できるため次の営業活動につなげやすいのもメリットです。
最近では、キャンペーンページの作成補助をしてくれたり、チャット機能が付いたりと顧客管理機能のみに留まらないツールも登場しています。
顧客管理ツールはエクセルに比べてコストは増えますが、その費用以上の成果が得られる可能性は十分にあるため、導入検討の意義は大いにあります。
社内でしっかり検討し、まずは最小限の規模での試験的な導入を検討してみてはいかがでしょうか。
顧客管理から発達した「CRM(顧客関係管理)」という手法
顧客管理から「CRM(顧客関係管理)」という新しい手法が誕生しました。
顧客管理方法にも種類がある
顧客管理ツールと深く関連する言葉に「CRM(顧客関係管理)」や「SFA(営業支援システム)」があります。 こちらについても簡単にご紹介します。
CRMは「顧客管理」がメイン
顧客管理は、「Customer Relationship Management」の頭文字を取って「CRM」といわれます。
「ビジネスの中心となるのは顧客である」という考えのもと、顧客情報を管理して次のビジネス展開を目指すのがCRMです。これはマーケティング手法の一種ですが、これを実行するためのCRMツールと呼ばれるものも数多く登場しています。
関連記事:CRM(顧客管理)
SFAは「営業支援」がメイン
よくCRMと一緒に耳にするのが、SFAという言葉です。SFAは、「Sales Force Automation」の頭文字をとった言葉で、自動化により営業を効率的に行うという概念です。
SFAのツールは、「目標の達成状況」や「案件管理」、「進捗状況」などを確認する機能に特化しています。営業個人が管理することが多く、俗人化していた営業活動の内容を社内で共有し、多角的にサポートできるというメリットがあります。
関連記事:SFA(営業支援)
顧客管理でビジネスを成功に導く
ビジネスを成功へ導くには顧客管理が欠かせません。
効率的かつ効果的に顧客情報を管理する
顧客管理ツールで管理できる顧客情報は、「問い合わせ内容」から「予約履歴」「購入した商品」や「購入の頻度」などあらゆるものがあります。それらを手動で一つ一つ入力・管理するのは非常に大変ですが、顧客管理ツールなら自動で管理する仕組みが整っています。
ビジネスは顧客があってこそ成り立ちますから、「既存顧客」に限らず「見込み顧客」の情報も分析も必要となります。効率的かつ効果的にニーズを把握したり、顧客への理解を深めたりすることで、新しい案件を発掘するチャンスが生まれます。
データ分析にも活用できる
顧客管理ツールの多くは、レポート機能がついています。あらゆる角度から集めたデータを顧客管理ツールに統合すると、効率化だけではなくデータ分析にも活用できます。集めたデータをしっかり活用して、新たな案件へとつなげていきましょう。
顧客管理ツールの選び方について
では、顧客管理ツールの選び方について解説します。
顧客管理ツールの動作環境には「クラウド」「オンプレミス」「アプリ」の3種類がある
顧客管理ツールの動作環境の型は、主に3種類に分かれます。
クラウド
最近主流になっているのが、社内にサーバーを立てる必要がないクラウド型の顧客管理ツール。サーバーを設置しない分コストが抑えられ、メンテナンスはメーカーに任せられるので管理しやすいというメリットがあります。
オンプレミス
社内でサーバーを設置して運用するのがオンプレミス版。費用はクラウド型より高くなりますが、社内でサーバーを設置する分セキュリティが優れているというメリットがあります。
アプリ
オフラインで利用できるツールもあるのがアプリ版のメリット。外出先では、必ずインターネット環境があるとは限りません。オフラインで入力してもエラーにならず、インターネットにつながったときに送られるというメリットがあります。
ツールによって搭載されている機能は違う
ツールによって搭載する機能は異なり、SFA寄りの顧客管理ツールもあれば、ビジュアルに特化した顧客管理ツールもあります。
大事なのは自社のビジネスにおいて、どんな機能が適しているかを判断する事です。例えば、外回りや訪問を行う場合は、地図上に顧客の名前が表示されるツールも使いやすいでしょう。高価で機能も充実している顧客管理ツールが適している場合もあれば、シンプルな機能でコスト重視のツールが適していることもあります。
導入を検討するうえでのポイント
顧客管理ツールを導入する上で以下のポイントを考えましょう。
ポイント①:顧客管理ツールの導入目的を明確にする
今では多くの企業が顧客管理ツールを自社に導入していますが、目的や意図もなくツールを導入するのはおすすめしません。
まずは現状の顧客管理状況を把握しましょう。例えば、現在エクセルで顧客管理を行っている場合、今エクセルで管理するうえで困っていることや顧客管理ツールでしたいことを明確にします。営業部門や顧客対応する従業員の意見も聞く必要があります。
顧客管理ツールは文字通り顧客情報を管理するためのツールですが、顧客を管理する目的があるはずです。例えば、「どんな情報を一元管理したいか」「今煩雑に思っている作業はなにか」など。それらを明確にしてから、それらの課題を解決できる顧客管理ツールを選ぶようにしましょう。
ポイント②:実際に使う人の声も大事にする
ツールを導入する目的の1つに、パッケージ化されたものは使いやすいという点があります。
顧客情報を扱う社員が多いほど、頻繁に顧客管理ツールを使用しなければいけません。その中にPC操作に慣れていない人がいるかもしれません。ちょっとした使いづらさがストレスに感じてしまうかもしれません。そのため、現場の人間の使いやすさを考慮することがとても重要になります。顧客管理ツールを導入するも、使いづらさから現場の社員に活用されず失敗に終わるケースも非常に多いです。
顧客管理ツールは、顧客との関係を良いものにして次の営業活動につなげるために導入します。現場の意見を尊重しながらツールを選ぶことが大切です。
次の章では、おすすめの顧客管理ツールをご紹介します。
おすすめの顧客管理ツール4選
無料と有料のツールを2つずつご紹介します。
無料と有料の違い
無料のツールのメリットはなんといってもコストが抑えられることです。有料のツールの場合は手厚いサポートが付いていたり機能が充実していたりと、やはり有料だからこその使いやすさはあります。先ほどご説明した通り、価格だけにとらわれるのではなく自社の状況など総合的に考慮し、最適な顧客管理ツールを選びましょう。
無料おすすめツール①:「Zoho CRM」
「Zoho CRM」はクラウド型の顧客管理ツールであり、多くの企業をはじめ大学でも導入されている実績があります。
できること
・メールや電話だけではなく、SNSやチャットツールで発生したコミュニケーションを一元管理することができる
・顧客行動を計測するためのWebサイト訪問者のアクセス分析なども行える
・自動化に特化しており、日々繰り返される作業があれば「Zoho CRM」がマクロを提案してくるため、煩雑なルーティンワークを自動化できる
・商談情報の管理画面フォーマットはカスタマイズが可能で、自社の運用に合わせてレイアウトを自由に変えられる
プラン
15日間の無料トライアル期間がついており、試験的に運用することが可能。無料期間終了後は、1,440円/月~で利用継続が可能。
無料おすすめツール②:「Fullfree」
ダウンロードして利用できる「Fullfree」は、インストール型の顧客管理ツールです。
できること
・無料版では1台のPCでしか利用できないことが多いが、「Fullfree」は1台でも複数台でも利用可能
・データの共有やカスタマイズまで無料で行うことができる
・エクセルと同じ計算式が使えるため、今までエクセルで管理していたという会社も導入がスムーズ
・フォーマットはフルカスタマイズできるので、自社に必要な機能の選別ができる
・顧客の予約履歴や対応履歴を1つの画面で管理できるので、行動履歴も管理しやすい
・自動バックアップ機能があり、過去のデータベースをツールに反映させて履歴を確認することもできる。(バックアップ先はスタンドアロン端末:有料)
有料おすすめツール①:「ちきゅう」
「ちきゅう」は、SFA(営業自動化支援)の機能をも併せ持ち、顧客管理の他に商談管理や行動履歴管理・やることリストといった機能が搭載されています。
できること
・顧客管理機能では、既存顧客に限らず見込み客のデータも一元管理が可能
・クラウド上で管理されるため社外であってもオンラインで素早くアクセス可能
・データベース項目はドラッグ&ドロップでカスタマイズ可能で、必要な顧客情報を抽出できるリスト機能も搭載されている
・プロジェクト内のメンバー同士でコミュニケーションできるディスカッション機能があり、そこで決定した行動予定をやることリストに追加できる
・画像やファイルの共有も可能なので、視覚的なコミュニケーションも行える
有料おすすめツール②:「Sales Cloud」
多数のビジネスツールをリリースしているsalesforce社が提供する「Sales Cloud」は、「Einstein」というAIを搭載し、顧客情報を分析することができるツールです。
できること
・AIでは失注商談と成功商談の違いを見分け、自動で顧客に優先順位をつけられる
・商談でよく発生する社内承認や見積もり・請求といった作業も自動化できるので、事務処理や社内での認可手続きを効率化できる
IDC社の調査によると顧客管理ツールの世界市場シェアNo1を獲得しているツールであり、世界中で多くの企業が導入している顧客管理ツールといえます。
世界15万社以上が利用する世界No.1の営業ソリューション
Salesforce Sales Cloudの資料請求はこちらまとめ
本記事では、顧客を管理するうえでツールを使うことのメリットや導入の際のポイント、おすすめのツールについて紹介しました。
顧客が少ないうちはエクセルを用いて手動で管理することでも特に問題はないかもしれませんが、顧客が増えてきた場合は、既存顧客や新規顧客のデータを効率的に管理し、必要な時に必要な情報を適切な形式で取得できる環境であることはビジネスをスケールさせていくうえでとても大切になってきます。
顧客管理ツールを導入の際は、自社の状況を正しく理解し、使いやすさ、解決したい課題を明確にしたうえで、最適なツールを選択し、最適な形で導入することが重要です。
関連記事:CRM(顧客管理)