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エスカレーションの意味とは?
まずは、エスカレーションという言葉そのものの意味から紐解いていきましょう。
エスカレーション(escalation)の英語の意味
ウィズダム英和辞典によると、英語の “escalation” には以下のような意味があります。
- 段階的拡大
- エスカレーター式修正(経済用語として)
また、対義語は “de-escalation”(デ・エスカレーションもしくはデスカレーション)です。意味は「段階的縮小」です。
これだけの情報では、いまひとつ意味がわからなくても仕方ありません。補足していきましょう。
エスカレーションの言い換えは「段階的な上長への引き継ぎ」
エスカレーションは「上位への段階的なアプローチ」という意味合いがあり、ビジネス用語として具体的に言い換えれば「段階的な上長への引き継ぎ」ということです。
端的には企業の窓口の者が対応しきれずに、さらに上位の者に対応を交代することです。そこでも対応できなければ、さらに上位の者に交代するという上方向に流動的な状態を指します。
また、そういう対応を「エスカレーション対応」と呼びます。これが必要となるのは、高度な専門知識や判断が必要な問題や、対応が遅れると問題が深刻化しそうな局面などです。
なお、エスカレーション対応をつつがなく行うためには、ビジネス上のリテラシーが求められます。
リテラシーについては、以下の特集記事『リテラシーとは何か?意味を簡単にわかりやすく、主要分野別に網羅して解説』にて、詳しく解説しています。ぜひとも、参考にご一読ください。
エスカレーションのありがちな誤認
エスカレーションは、「上申」という訳語もあります。これは上位者に報告や意見陳述を行うことを意味しますが、ビジネス用語のエスカレーションは上申とニュアンスが違います。
上申は事後報告ですが、エスカレーション対応は単に報告するだけでなく、対応方針を伺い、場合によっては相手を交代してもらう「解決のための上位へのアプローチ」のニュアンスです。
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なお、エスカレーション対応にも応用できるなお、心理学を応用したビジネス手法について、以下の特集記事『心理学を応用したマーケティング手法一覧!すぐに使えるテクニック11選』ですぐに使えるテクニックをご紹介しています。ぜひ参考にご覧ください。
ビジネスカテゴリー別のエスカレーションの意味
ビジネスカテゴリーによって、エスカレーションの意味が微妙に変化します。個々のビジネスカテゴリー別に、詳しく見ていきましょう。
一般企業のエスカレーションとは「上長に指示を仰ぐこと」
一般的な企業組織におけるエスカレーションは、得意先や取引先への対応に困った場合に上長に報告して指示を仰ぐという意味合いで用いられます。この場合の上長は、ほとんどの場合に直属上司です。
しかし必ずしも管理職ではなく、チームリーダーや先輩社員の場合もあるでしょう。
多くの企業組織では、こうしたエスカレーションなしには、業務が回りにくくなっています。よって、特にエスカレーションというビジネス用語を知らなくとも、自然に実行しているビジネスパーソンが多いと思われます。
接客サービス業のエスカレーションとは「クレーム対応を上司に任せること」
小売店や飲食店、美容院などの接客サービス業におけるエスカレーションは、クレーム処理に対応しきれない場合に、上司に代わってもらうことを意味します。俗に言う「責任者出てこい!」という顧客が怒っている局面です。
最近では「クレーマー」どころか「モンスタークレーマー」という確信犯的な悪質クレーマーも一部で見られます。エスカレーションを行う部下も受ける上司も、冷静で慎重かつ毅然とした対応が求められます。
なお、接客サービス業では最近、Instagram(インスタグラム)を使ったマーケティングがトレンドとなっています。
Instagram(インスタグラム)を活用したインスタマーケティングの詳細については、以下の記事『インスタ(Instagram)マーケティングとは?使える全機能と活用のコツ!』で特集しています。ぜひそちらも参考にしてください。
また、インスタマーケティングと連携するのが有効なマーケティング手法は、コンテンツマーケティングです。
コンテンツマーケティングに関する詳細に関しては、以下の特集記事『コンテンツマーケティングとは?情報の資産効果で顧客拡大を図ろう!』で詳しく取り上げて解説していますので、ぜひそちらも参考にご覧ください。
コールセンターのエスカレーションとは「より詳しい者への確認」
コールセンター業務におけるエスカレーションは「より詳しい者に確認する」という意味です。
一次対応のオペレーターが対応しきれない場合に、二次対応のリーダーやスーパーバイザーに対応を確認するか、もしくは状況次第で交代して引き継いでもらうかどうかの判断を仰ぎます。
主にマニュアルやトークスクリプト(対話のシナリオ)にないようなイレギュラーな対話になっている場合にエスカレーションが必要となります。いわば、その職場での経験値やスキルが問われる内容です。
また、前述の接客サービス業と同様の、入電元が感情的になっていて手に負えないケースも見られます。
なお、コールセンターのシステム上に欠かせない中核要素はCTIシステムです。CTIシステムについては、以下の特集記事『CTIシステムの種類や基本機能とは?導入のメリットと活用事例も解説』にて総合的に詳しく解説しています。興味があるかたは、参考にご一読ください。
また、コールセンター業務も包含する大局的なマーケティングが抱える、現代の3つの問題点と解決策について、以下の特集記事『【徹底解説】日本の現代マーケティングが抱える3つの問題点と解決策!』で詳しく解説しています。ぜひ、参考にご覧ください。
ITカスタマーサポートのエスカレーションとは「上長へ引き継ぐこと」
IT業界のカスタマーサポートのエスカレーションは、「上長へ引き継ぐこと」を意味します。主にシステムユーザーからの問い合わせで発生します。
システムについての問い合わせはマニュアルがあるにせよ、高度な専門知識が必要となるので即答できないケースもあります。
また、システム障害などの緊急で深刻なケースもあるでしょう。この場合は急遽エンジニアにヘルプを要請し、システムをロックするなどの対処が必要な場合があります。
なお、カスタマーサポートと混同しやすいのがカスタマーサクセスです。
このふたつの違いについては、以下の特集記事『カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いとは?5つの視点から徹底解説』で徹底解説しています。気になるかたはぜひ、参考にしてください。
また、カスタマーサクセスが気になっているかたや、SaaSビジネスに携わるかたに向けて、以下の記事『カスタマーサクセスとは?サブスク型SaaSビジネスの生命線を完全解説!』でカスタマーサクセスを深堀りしています。ぜひ、参考にご一読ください。
IT保守運用担当のエスカレーションとは「トラブルをクライアントに報告すること」
IT業界の保守運用担当のエスカレーションは、「トラブルをクライアントに報告すること」を意味します。
保守運用を委託されているシステムにトラブルが起きた場合、社内での情報共有とともにクライアント企業の経営に関わる事案なので、速やかなクライアントへのエスカレーションが重要です。その際には、復旧予定もわかる範囲で伝える必要があります。
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なお、エスカレーションをスムーズにするのも、混乱させるのも、深い要因は組織のあり方に起因します。
現代のビジネスにおける組織の類型と作り方や、営業部門との関係性に関して以下の特集記事『現代のマーケティング組織の類型と作り方とは?営業部門との関係性も解説』で掘り下げて解説しています。ぜひ、参考にご覧ください。
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ビジネス以外のカテゴリーのエスカレーション
ビジネス以外のカテゴリーでも、エスカレーションという用語が使われています。代表的な「医療」と「戦争」のエスカレーションについて触れておきましょう。
医療におけるエスカレーションとは
広域抗菌薬と狭域抗菌薬の臨床現場での使い分けについて、エスカレーション療法と呼ばれる方法があります。
患者の状態が安定している場合には、推定した原因微生物のうち最も可能性が高い細菌を対象に抗菌薬の投与を開始し、効果がなかった場合に段階的に細菌の対象範囲を広げた抗菌薬の投与を行ったり、併用療法を行ったりなど方法を指しています。
しかし状態が悪い、つまり緊急性が高い場合に、エスカレーション療法では時間がかかってしまい危険な状態に患者を陥らせかねません。
よって、そういう局面ではデ・エスカレーション療法で、広い範囲から段階的に対象の細菌を絞っていくアプローチが求められます。
戦争におけるエスカレーションとは
戦争におけるエスカレーションとは、戦争の様式や規模が段階的に拡大していく様相を意味します。戦争の基本戦略は早い段階で大きなダメージを与えることなので、開戦初期は短期間にて最大限のエスカレーションが行われます。
また戦局が行き詰まると、それを打開するための新しい戦闘手段や規模の拡大というエスカレーションが行われます。
しかし軍事力とその背景の国力の限界、地形的な制限や政治的な必要性から、エスカレーションを制限しようとする要因もあります。そのため、計画的に戦争におけるエスカレーションをコントロールしようとする戦略もあります。
そもそも核兵器が出現して以降は、核保有国間の全面戦争は全面的破壊を予想させることから、その状態を極力回避しながら核抑止力を通常戦争にまで反映させるため、柔軟反応戦略や段階的抑止戦略が提唱されるようになりました。
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エスカレーション対応のルール作成におけるポイント
ビジネス上でエスカレーションが必要になるということは、程度はさまざまですが何らかの緊急事態が発生しているということです。そのため速やかに対応できるよう、ルールを決めておくことが賢明です。
ルールがなければ、「そもそもエスカレーションしていいのだろうか?」「誰にエスカレーションするべきなのか?」に迷い、適切な対応ができずに事態が悪化しかねません。
また逆に、本来現場で解決できることであるにもかかわらず、安易に上位者に対応を任せてしまうことも起こり得ます。それは上位者の業務を無駄に圧迫し、現場解決能力が育たないという不毛な状態を招きます。
ここでは、ルール作成の際に押さえておきたいポイントを解説します。
事態のレベルを想定しておく
各企業の顧客対応における事態の緊急度を4段階程度で設定しておくのがよいでしょう。そしてレベル1なら窓口で対応を完結、
レベル2なら係長にエスカレーション、レベル3なら課長、レベル4なら部長などと決めておけば、一次担当者も落ち着いて迷わずエスカレーション対応ができます。
またルールは運用しながらも定期的に見直し、その折々の状況に即したものにしておくことも重要です。
フローを明確にしておく
速やかにエスカレーションを行うために、ルールと併せて一連のフローを明確にしておくのが効果的です。誰が誰にエスカレーションを行うのかを、ケースに沿って設定しておきましょう。
さらに、決めているルートで連絡がつかない場合の「代替ルート」を定めておくことで、より盤石な体制となります。
「上司Aが不在時には上司Bのルートに変更」「15分以内にAが対応できなければ、Bが緊急対応する」などを詳細に定めてフローを共有しておくと、現場の混乱を最小化できます。
なお、問い合わせをかけてくるユーザーの心理を、理解するために欠かせないのは顧客エンゲージメントです。顧客エンゲージメントについて、以下の特集記事『マーケティング施策で高めるべき顧客エンゲージメントとは?事例付きで徹底解説』で詳しく解説しています。ぜひ、参考にご覧ください。
また、エンゲージとは別にユーザーの内なる欲求「インサイト」の理解は、顧客対応やマーケティングに役立ちます。
インサイトの概念を理解するためには、以下の特集記事『マーケティングの生命線はインサイト!実践に応用して新市場を創造しよう』を参考にしてください。
手段を明確にしておく
連絡手段としての電話やメール、チャットなどの優先順位を決めましょう。非常事態は電話で指示を仰ぎつつ、対応履歴を残すためのメールを必ず送るなどです。
企業の状況によって優先順位を詳細に決めておくと、スムーズにエスカレーション対応が行えます。
報告者に「責任の所在」を問わない
もし報告者が責任を問われてしまう風潮があると、問題が発生してもとにかく自分の段階で収めようとして不適切な対応を行ったり、トラブルを隠蔽したりなど、不安感からエスカレーションを避ける可能性があります。
そうならないよう、報告者に「責任の所在」を問わないことを明文化しておくとともに、エスカレーションすることに躊躇しないような、開かれた雰囲気および環境づくりも大切です。
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なお、エスカレーションの発生源となる問い合わせは「プロダクト」や「コンテンツ」に関するものが多いでしょう。
コンテンツというものの意味について、以下の特集記事『コンテンツの意味とは一体なに?分野別に具体例を挙げてわかりやすく解説』で掘り下げて解説しています。ぜひ、参考にご一読ください。
また、そもそもマーケティングとは一体どういうものなのかという基本命題については、以下の特集記事『マーケティングとはなにか?その意味や定義を日本一わかりやすく解説』において、掘り下げつつわかりやすく解説しています。基礎的情報として、ぜひ参考にご一読ください。
まとめ
ビジネス用語のエスカレーションについて、基本的な意味とビジネスカテゴリー別のニュアンスを解説し、運用のためのルール作成のポイントにも言及しました。
これをお読みのみなさんの職場では、エスカレーション対応のルールは明確化されていますか?もしまだなら、ぜひ企業力の底上げになるのでルールを作成し、運用されることをおすすめします。
また、当メディア「kyozon」ではマーケティングに役立つ、さまざまなサービスの資料が無料でダウンロードできます。マーケティング担当者や責任職のみなさんは、ぜひご利用ください。
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※2023年以降のマーケティング戦略構築に参考になる、マーケティングトレンドについて、以下の特集記事『マーケティングトレンドを徹底解剖!2022年までの考察と2023年の展望』で総合的かつ詳細に解説しています。ぜひとも、参考にご一読ください。
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