ユーザビリティとは?
Webサイトやアプリケーションの運用においてユーザビリティは常に意識しておきたい項目の一つであると言えます。
ユーザビリティは「使いやすさ」を意味する言葉であり、ユーザーにとってストレスなく操作できることは顧客満足度においても効果的であり、重要であると言えます。
ユーザビリティと同様「アクセシビリティ」「UX」「UI」という言葉もよく耳にすると思いますが、それぞれとの違いにはどのようなものがあるのでしょうか。
どれも似た言葉であることから混同しがちですので、しっかり理解していきましょう。
アクセシビリティとの違い
ユーザビリティ同様「使いやすさ」の意味を指すアクセシビリティですが、どのような違いがあるのでしょうか。
対象となるユーザーの幅に違いがありますので、下記の表を参考にしてください。
ユーザビリティ | アクセシビリティ | |
対象 | 特定 | 全体 |
層 | 薄い | 厚い |
ユーザー | 健常者のみ | 障害者含む全体 |
さまざまな障害を抱えている方にも見やすく使いやすいWebページやアプリケーションの作成を行うことで、アクセシビリティが高いと言えます。
特定のユーザーに対して使いやすさを求めるユーザビリティに対して、アクセシビリティは全てのユーザーにとって必要な情報を提供する必要があることを理解しておきましょう。
UXとの違い
UXとは、ユーザーエクスペリエンスの略であり「ユーザーが得られる体験」を意味します。
Webページやアプリケーションを閲覧した際に「説明がわかりやすかった」「料金形態がわかりにくい」といった感情やサイトに関する印象がUXに当てはまります。
「使いやすさ」を意味するユーザビリティとUXの向上は連動しており、ユーザビリティを向上されることにとってUXも向上すると言えるでしょう。
UIとの違い
UIは、ユーザーインターフェースの略であり「ユーザーとの接点」という意味です。
Webページやアプリケーションで表示されるフォントのサイズや色、リンクやボタンなどの視覚的な要素のことを指しています。
UIは「要素」である一方、ユーザビリティは「使いやすさ」を意味しているので、配置しているボタンの押しやすさやフォントや色で読みやすいかなど「要素の使い勝手を表す指標」と理解しておくと良いでしょう。
ユーザビリティの要素
ユーザビリティについて概要が理解できたところで、続いて構成要素について詳しく見ていきましょう。
ユーザビリティは下記の5つの要素で構成されており、それぞれが高いレベルであることが重要となります。
- 学習しやすさ
- 効率性
- 記憶しやすさ
- エラー発生率
- 主観的満足度
学習しやすさ
ユーザビリティにおける「学習しやすさ」は、機能・操作の覚えやすさやわかりやすさのことを指します。
- シンプルなデザイン
- 直感的に操作できるか
上記の項目によってユーザーが学習しやすいかを判断していきます。
初めてWebサイトやアプリケーションを利用するユーザーに対して、マニュアルなどなく直感的に操作できるサービスを構築することによりユーザビリティが高いと評価されます。
効率性
ユーザビリティにおいて「効率性」とは、必要な操作が行いやすいことを指しており、使うほど扱いやすくなるサービスであると高い評価を得られやすいでしょう。
- シンプルな操作性
- 不要な機能の削除
具体的な方法としては、上記の2つが挙げられますので、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
記憶しやすさ
ユーザビリティにおける「記憶しやすさ」は、時間をおいて利用するユーザーに対しても以前と同じような操作が可能であるかどうかを意味します。
- 閲覧済みのリンクには違う色で表示
- ユーザーの記憶に残りやすい操作方法
- アクセスしやすいボタンの配置
上記のように工夫することが重要であり、ユーザーの記憶に残りやすく一定期間利用していなくとも以前と同じように利用できることで、ユーザビリティが高いと評価されます。
エラー発生率
Webページやアプリケーションのエラー発生率の低減は、ユーザビリティのためだけでなく、運用するにあたって基本中の基本であると言えるでしょう。
どんなに見やすく・操作しやすいサイトであれ、エラーが頻繁に発生してしまってはユーザーも利用したいと思わず、離脱へとつながってしまう可能性があります。
エラーの発生率を下げることはもちろん、万が一エラーが発生した際にも簡単に解決できるようにすることが必要となります。
主観的満足度
ユーザビリティにおいて「主観的満足度」も重要な要素となります。
操作のしやすさからも満足度は得られますが、使っていて楽しいかや目的を達成できたかもユーザーの満足度を高めるポイントと言えるでしょう。
利用するユーザー全員に対し主観的満足度を高められるWebページやアプリケーションの立案や作成を行うことが重要であり、意識しておきたいポイントです。
ユーザビリティを向上・改善させる方法
ユーザービリティの構成要素が理解できていても、向上・改善させる方法が理解できていなければ、どのように対策を行えばいいか迷ってしまいます。
そこで、以下の4つの向上・改善させる方法を詳しく解説していきます。
- アクセス解析ツールでユーザー動向を確認する
- ユーザビリティテストでフィードバックをもらう
- ターゲットユーザーを定義する
- ヒューリスティック評価を行う
アクセス解析ツールでユーザー動向を確認する
ユーザビリティの向上・改善させる方法としてまず導入したいのが「アクセス解析ツール」です。
アクセス解析ツールを活用することで、Webページに訪れたユーザーの動向を確認することができるため、どのような対策を行うべきかを確認できます。
Webページのアクセス解析ツールと聞くと「Googleアナリティクス」が思い浮かぶ人も多いでしょう。
そこで、以下の記事「アクセス解析ツールとは?|Googleアナリティクスからアクセス解析研究所まで、設定方法やレポート作成方法を公開!」では、Googleアナリティクスの設定方法やレポート作成方法を詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてください。
また、Googleアナリティクス以外にも、アクセス解析ツールを提供している企業が多くあります。
しかし、どれを選べばいいかわからないと悩んでしまうことも少なくありません。
以下の記事「【比較】おすすめのアクセス解析ツールの20選!」では、提供されているアクセス解析ツールの比較だけでなく、選ぶ際のポイントについても解説していますので、こちらもぜひ参考にしてください。
より具体的に分析するにはヒートマップツールの活用がおすすめ
アクセス解析ツールでは、ユーザーの動向を確認することができますが、より具体的に分析したい場合は「ヒートマップツール」を活用することをおすすめします。
数値だけではなく、色で表されるヒートマップツールでは、よりユーザーの動向がわかりやすく表されるため、分析しやすい点が特徴であると言えます。
以下の記事「ヒートマップとは?正しいツールの選び方やおすすめツールもご紹介!」では、ヒートマップの仕組みや機能など基本的な内容から、正しい選び方やおすすめのヒートマップツールなども紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
ユーザビリティテストでフィードバックをもらう
ユーザビリティを向上・改善する方法として「ユーザビリティテスト」の実施も効果的であると言われています。
ユーザビリティテストは、利用するユーザーが不快感を感じずに操作できるかや目的を達成できているかなどをテストし、問題点を発見するものです。
前述したアクセス解析やヒートマップツールよりも改善を必要とする点が明確となりますので、より適切な改善を行うことができるでしょう。
ユーザービリティのテストの方法は以下となります。
対面型 特定の操作を被験者に行ってもらい、その場で動きを観察できる リモート型 被験者に特定の操作をしている様子を録画してもらい、動画から検証を行う 簡易型 内部の人間や家族に特定の操作を行ってもらった上で改善点などのフィードバックを受ける
ユーザビリティテストは、それぞれの方法でコストや結果ができるまでの時間が大きく異なりますので、小規模で行う場合には「簡易型」がおすすめです。
ターゲットユーザーを定義する
ユーザビリティの向上・改善を行うにあたって、まずはターゲットユーザが定義されているかどうかを再度確認・見直しましょう。
ユーザービリティの評価基準は、利用するユーザーの環境や目的によって大きく異なります。
万人受けするサービスを作ることは困難であることから、ターゲットユーザーを明確にしておくことは、ユーザビリティの高いサービスを作成する上でも重要であると言えるでしょう。
そこで以下の記事「【徹底解説】マーケティングにおけるターゲット層とは?ターゲティング手順を事例をもとに解説します」では、ターゲットユーザーを定義するにあたって手順や事例について詳しく解説していますので、合わせて一読ください。
ヒューリスティック評価を行う
ヒューリスティック評価は、UIやUXの専門家が行うユーザービリティ評価です。
専門家の経験則に基づいてユーザビリティを評価するため、向上・改善において適切で具体的なアドバイスを受けることができるでしょう。
ヒューリスティック評価を提供する企業は多くあり、評価期間や値段も大きく異なることから、自社サービスに最適な企業を選ぶ必要があります。
まとめ
この記事では、ユーザビリティについて構成要素や向上・改善させる方法について詳しく解説しました。
Webページやアプリケーションなどのサービスを提供するにあたってユーザビリティを高めることは重要と言えますので、しっかり理解して対策を行なっていくことが必要となります。
小規模であれば、無料で行えるアクセス解析ツールや、コストを抑えて実施できるユーザービリティテストを上手に活用して向上・改善を行っていきましょう。
kyozonでは、今回紹介したユーザビリティ以外にも、マーケティングに役立つさまざまな知識を得られることができますので、ぜひ参考にしてみてください。
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