Webマーケティングとは、Web上で行うマーケティング活動です。情報収集や購買活動がオンライン化している現代では、取り組まなければならないマーケティング手法の一つと言えるでしょう。
しかし「どうやってWebマーケティングを始めるべきかわからない」「何から着手するべきなのだろう」と、頭を抱えている担当者も少なくありません。
そこで本記事では、Webマーケティングとはどのようなマーケティング活動なのか、深掘りして解説します。具体的な進め方や施策内容も紹介しているので、Webマーケティングについて理解を深めたい方はぜひご参考ください。
Webマーケティングとは?
Webマーケティングとは、その名の通り、Webを中心としたマーケティング活動を指します。
Webマーケティングの中心は自社のWebサイトとなり、Webサイトに集客をして認知拡大や販売促進などの成果につなげます。そのために、Webサイト内のコンテンツを充実させるだけでなく、Webサイトへの流入数を増やすための施策もWebマーケティングに含まれます。
デジタルマーケティングとの違いは?
Webマーケティングと混同されやすい手法として「デジタルマーケティング」があります。どちらもオンライン上でのマーケティング手法ですが、両者には違いがあります。
Webマーケティングは、先述の通り、Webサイトを中心としたマーケティング施策です。
一方のデジタルマーケティングは、Webサイトのみならず、スマホアプリやウェビナー、ビッグデータやAIなど、さまざまなデジタル技術を活用したマーケティングを指します。
そのため、Webマーケティングよりも広義なものです。Webマーケティングはデジタルマーケティングの手法の一つとも言えるでしょう。
Webマーケティングが重要とされている理由は?
現代のマーケティング活動では、Webマーケティングは必須です。なぜなら、消費者の情報収集や購買行動がオンライン化しているためです。
総務省のデータによると、個人のインターネット利用率は8割を超えているという結果になっています。現代の消費トレンドを作っている20~50代に絞ってみてみると、いずれも100%に近い水準となっており、インターネットが日常的に使われていることを意味しています。
さらに、インターネットの利用目的では、購買行動につながる「情報検索」は7割以上、「商品・サービスの購入・取引」は5割以上です。
(出典:総務省|令和3年 情報通信白書)
スマートフォンが普及してより手軽にインターネットを利用できるようになり、インターネットは当たり前のものになっています。さらに、デジタルネイティブ世代が企業の購買担当者や意思決定者となっている現代では、BtoBでもインターネットによる情報収集が行われています。
このことから、インターネット上でのマーケティング手法であるWebマーケティングは重要性を高めているのです。
Webマーケティングの業務の流れ
Webマーケティングを始める際には、以下の業務の流れを参考にしましょう。
目的を明確にする
まずは目的の明確化が必要です。
「流行っているから」「なんとなく始めたい」というように目的が不透明だと、どのようなターゲットにどのようなコンテンツを届けるのか、方向性がぶれてしまいます。
- 認知を拡大したい
- 商品購入につなげたい
- 会員登録をしてほしい
- リピーターを増やしたい
など、Webマーケティングの目的を明確に設定しましょう。
KGIとKPIを設定する
目的が明確になったら、その目的に合わせた目標数値も設定します。
設定すべきなのは、最終的なゴールとなるKGIと、KGIを達成するために到達しなければならないKPIです。
WebマーケティングのKGIとしては、例として以下の項目などが該当するでしょう。
- 売上金額
- 平均顧客単価
- 新規顧客獲得数
- アポイント獲得件数
このように、数値として測定できる指標を設定しましょう。
併せて、KGIを達成するためのKPIも設定します。KGIによってKPIは異なりますが、Webマーケティングでは以下のような項目がKPIとして用いられることが多いのでご参考ください。
- Webサイトへのアクセス数やPV数
- 検索エンジンでの順位
- CVR(コンバージョン率)
- 資料ダウンロード数
- メルマガ開封率
- SNSのエンゲージメント数
このように、KPIもKGIと同様に具体的な数値で測定できる指標を用いましょう。
KGIとKPIについては、こちらの記事も参考になります。ぜひご参考ください。
ターゲット層を設定する
次は、Webマーケティングのターゲットとなるユーザー層を設定します。年代・性別・居住地など、具体的にターゲット層を設定することで、どのような施策が効果的か分析しやすくなるでしょう。
ターゲット層を明確化するためには、ペルソナの設定も一つの手です。
ペルソナとは自社の典型的な顧客像で、年齢・性別・居住地のほか、家族構成や職業、年収や趣味など細かい項目まで設定します。さらに名前も付けて明確な人物像に落とし込むことで、より具体的なアプローチ方法を考えることができるでしょう。
ターゲティングについては、こちらの記事も参考になります。ぜひご参考ください。
カスタマージャーニーを設計する
Webマーケティングの効果を高めるためには、カスタマージャーニーの設計も必要です。
カスタマージャーニーとは、顧客が自社商品・サービスを認知して購入するまでのプロセスを可視化したものです。「認知」「興味」「比較・検討」「購入」などのフェーズによって顧客の関心度も異なるので、各フェーズに合わせた最適な施策を展開できるようになります。
正確なカスタマージャーニーを設計するには、マーケティング部門だけでなく営業部門やカスタマーサクセス部門などの関連部門にもヒアリングが必要です。さらに、実際の顧客にインタビューやアンケートを行うこともおすすめします。
データを収集・分析する
Webマーケティングのメリットは、データが蓄積されていく点です。
GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールを活用すると、Webサイトへのアクセス数や、よく見られているページなどのデータを確認できます。さらに、アクセス解析やSEOに関連するツールも多く提供されています。
このようなツールを活用してデータを収集し、自社のWebサイトや集客施策の現状を把握して課題を分析しましょう。
PDCAサイクルを回し改善する
課題が見つかったら、課題を解決するための改善策を立案します。また、KPI・KGIに近づいているかも確認し、より目標に近づけるために施策をブラッシュアップしていきます。
このようにPDCAサイクルを回すことでWebマーケティング施策の精度が高まり、より効果的なアプローチへとつながるでしょう。
Webマーケティングの種類や基本的な手法まとめ
Webマーケティングは、自社のWebサイトへ集客するための施策全般を言います。それでは、具体的にどのような施策があるのでしょうか。以下で主な手法を紹介します。
Webサイト運営
基盤となるのが、自社のWebサイト運営です。
単にWebサイトを制作するだけではなく、定期的に記事やホワイトペーパーなどのコンテンツを追加して、ユーザーが求めている情報を増やしていきます。さらに、ページの表示速度の改善やモバイルデバイスへの対応など、Webサイトを改善していきユーザビリティを高めることも重要です。
これらの取組みにより、検索エンジンの検索結果で上位を獲得する「SEO(検索エンジン最適化)」の効果が高まります。SEO対策ができているWebサイトは上位にランキングされるため、多くのユーザーの目に留まり、多くの流入へとつながるのです。
SEO対策については、こちらの記事も参考になります。ぜひご参考ください。
Web広告運用
Web広告も、Webサイトへの流入を増やすための施策の一つです。さまざまな広告の種類がありますが、主に以下の広告が活用されています。
なお、Web広告の運用については、こちらの記事も参考になります。ぜひご参考ください。
リスティング広告
リスティング広告とは「検索連動型広告」とも言い、検索エンジンの検索結果ページにおいて、オーガニックのWebページと同じように表示される広告です。
キーワードごとに広告を出稿できるため、自社の商材やターゲット層と親和性の高いキーワードを選定することで、関心度の高いユーザーを集客できます。
ユーザーがクリックするたびに広告費が発生する課金型となっていますが、キーワードによって単価が異なります。高単価なキーワードを選定すると膨大な広告費がかかることもあるので、注意が必要です。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、アフィリエイターのWebサイトやブログ、SNSなどに掲載してもらう広告です。リンク経由でユーザーが問い合わせをしたり商品を購入したりすることで、広告費が発生します。
ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)が広告主とアフィリエイターを仲介してくれます。ただしアフィリエイターに選ばれなければ広告を掲載してもらえない点には注意しましょう。
アドネットワーク広告
アドネットワーク広告とは、広告を出稿できるWebサイトやSNSなどの媒体ネットワークに対し、一気に自社広告を出稿できる仕組みです。
通常であれば、Webサイト一つひとつに対して広告出稿の契約をしなければなりません。
しかしアドネットワークであれば、登録されている媒体に広告を一括掲載できるため、手軽に広告を運用できる点がメリットです。
メールマーケティング
自社が保有している営業リストに対して、メールでアプローチをするメールマーケティングも、Webマーケティング手法の一つです。
メールマーケティングは、主に以下の手法があります。
- メルマガ(メールマガジン):登録者全員に同一内容のメールを配信する
- セグメントメール:配信する登録者をセグメント(分類)してメールを配信する
- パーソナライズメール:一人ひとりの属性や購買履歴などに応じてメールを配信する
このようなメールを通じて、自社Webサイトのコンテンツを紹介し、サイト訪問を誘導します。
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SNS運用
Twitter、Instagram、FacebookなどのSNSを活用することで、不特定多数のユーザーに情報を発信できます。SNSは拡散性が高いため、投稿内容次第では大きな効果が期待できるでしょう。
ただし、SNSによってユーザー層が異なります。それぞれのSNSの特徴を把握し、自社ターゲット層と親和性の高いSNSを見極めましょう。
動画制作
YouTubeやTikTokが人気を集める中、マーケティングでも動画コンテンツのニーズが高まっています。
動画コンテンツは視覚的・聴覚的な訴求効果が高いため、自社商品・サービスについて深く知ってもらえるでしょう。また、ウェビナーのような動画コンテンツであれば、ユーザーが抱えている課題に寄り添って情報を提供できます。
ただし、動画制作には撮影・編集などのリソースがかかりますし、外注するとコストも膨大です。費用対効果を見極めながら判断しましょう。
Webマーケティングにおすすめのツール
Webマーケティングは、膨大なデータを扱ううえに、多様な施策が求められます。そのため人手による作業では限界があります。
そこで、以下のようなツールを活用することで、効率的にWebマーケティングを行うことができるでしょう。
MAツール
MA(マーケティングオートメーション)ツールは、マーケティング活動を効率化・自動化するためのツールです。 具体的には、主にこのような機能が搭載されています。
- リード情報管理
- Webサイトのアクセス解析
- メール配信
- LP作成
- お問い合わせフォーム作成
- スコアリング
上記のようにWebマーケティングに必要な機能が揃っているため、施策実行からデータ分析まで一つのツール内で完結できる点がメリットです。
ツールによっては、AIが搭載されていたり外部サービスと連携できたりする機能もあるので、自社に合ったツールを選定しましょう。
MAツールについては、こちらの記事も参考になります。ぜひご参考ください。
CMS
CMS(コンテンツマネジメントシステム)は、Webサイトにコンテンツを更新していく際に必要となるツールです。有名なCMS「Wordpress」は、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
通常、Webサイトに掲載するコンテンツを作成するためには、HTMLやCSS、JavaScriptなどの知識が求められます。
しかしCMSを活用すると簡単にWebページを作成・更新できるため、コンテンツ作成のリソースが大きく削減できます。
アクセス解析ツール
Webサイトにどのくらいアクセスがあり、どのくらいコンバージョンにつながっているのか、といったデータを解析するためには、アクセス解析ツールを活用しましょう。
アクセス数や直帰率、CVRやや流入元などのデータを解析できます。
有名なツールとしてはGoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールがあります。ほかにもアクセス解析機能に特化したツールや、アクセス解析もできるMAツールなどもあるので、自社の課題や状況に応じて最適なツールを見つけましょう。
ABテストツール
たとえば、同じ商品を紹介するWebページでも、商品概要しか記載していないページAと、導入事例や料金表なども記載されているBページでは、コンバージョン数が大きく異なるでしょう。
このように、複数パターンのWebページを作成して効果を比較・検証するためには、ABテストツールが有効です。
ABテストツールの有名どころと言えば、Googleが無料で提供しているGoogleオプティマイズです。ほかにもツールベンダーが提供しているABテストツールがあるので、気になる方はぜひチェックしてみましょう。
まとめ
Webサイトやメール、SNSや動画など、企業と消費者のタッチポイントが多様化している中で、企業はマーケティング活動のオンライン化に迫られています。
そのため、Webマーケティングとは現代にマッチしたマーケティング手法と言えます。
WebマーケティングはWebサイトを中心としているため、まずは自社のWebサイトの現状を分析することが重要でしょう。
さらに、今回紹介したツールを活用することで、より精度の高いWebマーケティングを展開することができます。
当メディア「kyozon」では、MAツールをはじめとするWebマーケティングに役立つツールやサービスを多数紹介しています。資料のダウンロードも可能なので、ぜひお役立てください。
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