エンタープライズ営業とは?
エンタープライズ営業とは、公的機関や大企業といった組織をターゲットとする営業手法です。
大きな法人との契約は見込める利益も大きいため、多くの企業が力を入れています。
ちなみに大企業の定義は、下記の通りです。
- 資本金1億円以上かつ従業員数100人以上の卸売業
- 資本金5,000万円以上かつ従業員数50人以上の小売業
- 資本金5,000万円以上かつ従業員数100人以上のサービス業
- 資本金3億円以上かつ従業員数300人以上の製造業・建設業・運輸業・その他業種
国内企業における大企業の割合は約0.3%のため、広い間口ではありません。
しかし大企業にはさまざまな部署があるので、自社の商品・サービスが導入された場合、大幅に売り上げを拡大できるでしょう。
エンタープライズ営業の特徴
エンタープライズ営業の特徴は、下記の4つです。
- 売り上げが大きく解約率が低い
- 複数部署で導入の可能性がある
- ライバル企業が多い
- リードタイムが長い
それぞれ解説していきます。
売り上げが大きく解約率が低い
エンタープライズ営業の特徴のひとつとして、売り上げが大きく解約率が低い点が挙げられます。
理由は下記の通りです。
- 商品・サービスを利用する社員数が多い
- 仮に一度導入したサービスを入れ替える場合、最初から学び直す手間が発生する
つまり社員数の多い企業にとっては、解約・導入時にコストや労力がかかるため、サービス選定を慎重に行なっています。
そのためエンタープライズ営業では、商品・サービスの導入まで重要とされています。
複数部署で導入の可能性がある
エンタープライズ営業によって特定の部署と契約を結べた場合、ほかの部署でも同じ商品・サービスが導入される可能性があります。
理由は、ほかの部署と同じものを利用しなければ、円滑に仕事を進められなくなる恐れがあるためです。
また部署ごとで異なる商品・サービスを活用して問題がない場合でも、今よりも業務を円滑に進められることをアピールできれば、ほかの部署で導入される可能性もあります。
つまりエンタープライズ営業の成功は、複数の部署から導入されることで大きな利益を生むでしょう。
ライバル企業が多い
エンタープライズ営業の特徴は、ライバル企業が多い点です。
実際に大企業がサービスを導入する際は、複数の企業と比較して決める場合がほとんどです。
仮に大企業が質の悪い商品・サービスを導入した場合、多くの社員に影響を与えてしまいます。
そのためエンタープライズ営業を行う際は、ライバル企業に勝つための工夫を施さなければいけません。
リードタイムが長い
エンタープライズ営業を行う際は、通常よりも早くコミュニケーションを取る必要があります。
理由は、予算設定を前年に行う企業が多いためです。
また、同じサービスを複数部署で導入している場合は全体を動かす必要があるため、リードタイムが長くなります。
エンタープライズ営業に必要なスキルは?
ここまで、エンタープライズ営業の概要をお伝えしました。
続いて、エンタープライズ営業に必要なスキルを解説します。
- 情報収集力
- 計画立案力
- 商談準備力
- 交渉力
- コミュニケーション力
ひとつずつ解説していきます。
情報収集力
エンタープライズ営業における情報収集力とは、ライバル企業やターゲット企業を多角的に理解するためのスキルです。
企業の経営状況やニーズ、組織構造に関する情報を、正確に収集する必要があります。
例えば、効果の高い営業を行うために求められる情報として、下記が挙げられます。
- 対象企業にはどれくらいの資産があるのか
- 対象企業が抱えている課題や方針はなんなのか
- 対象企業の商品・サービスのペルソナは誰なのか
- 商品・サービスの決裁者や導入プロセスがどうなっているのか
エンタープライズ営業は、契約に至るプロセスで信頼関係を築いていく営業方法です。
つまり対象企業の社員と同じくらいの知識レベルが問われるので、情報収集には力を入れましょう。
計画立案力
エンタープライズ営業の計画立案力とは、一般的な営業より綿密な計画を立てられるスキルです。
具体的に求められるスキルとして、下記が挙げられます。
- 導入の工程に関する日程をまとめる
- 企業ごとで関係を構築するために、商談・活動計画を実施する計画を立てる
もしも綿密な計画を立てず営業した場合、企業との信頼関係を失う恐れがあります。
また一度だけの営業で契約が決まるケースは稀なので、企業に何度も訪問する必要がある点も覚えておきましょう。
商談準備力
エンタープライズ営業には商談準備力が求められます。
商談前に準備すべき点は、下記の通りです。
- 企業の基本情報を調べる
- 商談相手の基本情報を調べる
- ヒアリング内容を決める
- 提案内容を決める
- 商談ゴールを決める
ヒアリング内容や提案内容を決める際には、「お客様の役に立つ情報であるか」を意識しながら準備を進めましょう。
交渉力
エンタープライズ営業の際は、多くのライバル企業に勝つために交渉力が重要な鍵となります。
「ライバル企業より先に商談を進める力」や「企業に合わせて交渉する力」がない場合、契約に至らないでしょう。
また企業の言いなりになってしまうと、要望に対応できず、自社のやるべき活動ができなくなる恐れもあります。
そのためエンタープライズ営業では、高い交渉力が重要な点を覚えておきましょう。
こちらの記事では、ビジネスにおけるクロージングの重要性やクロージングがうまい人の特徴などを解説しているので、ぜひ参考にしてください。
コミュニケーション力
エンタープライズ営業では、企業との信頼関係を築くためのコミュニケーション力が求められます。
仮に営業担当者にコミュニケーション力がない場合、商品・サービスが魅力的でも導入される可能性は低いです。
エンタープライズ営業はさまざまな人と関わり、商談を進めていく必要があります。
また、相手によって話す内容や話し方を変える必要がある点を覚えておきましょう。
エンタープライズ営業を成功させるためのコツ
ここまで、エンタープライズ営業に必要なスキルをお伝えしました。
続いて、エンタープライズ営業を成功させるためのコツを解説します。
- 接点を作る
- 協力関係を築く
- ライバル企業にはない強みを持つ
- ツールを導入する
それぞれ解説していきます。
接点を作る
エンタープライズ営業を成功させるには、企業との接点を作りましょう。
接点を作る方法は、下記の通りです。
- DM
- 手紙
- SNS
- テレアポ
- 飛び込み営業
- 知人からの紹介
- イベントやセミナー
- 別のクライアントからの紹介
最初から企業決済者にアプローチする必要はなく、まずは対象企業に勤める人物と接点を持ちましょう。
そこから人脈や情報を収集できれば、エンタープライズ営業のきっかけ作りになるはずです。
協力関係を築く
エンタープライズ営業の成功には、協力関係の構築は欠かせません。
特にキーマンとの接点ができれば、高い効果を期待できます。
エンタープライズ営業におけるキーマンとは、下記の人物を指します。
- 意思決定者が信用している人
- 商品・サービスを求めている人
- 商品・サービスを利用して効果があると喜ぶ人
キーマンとの協力関係を構築できた場合、営業担当者の代わりにキーマンが社内で営業活動を行なってくれるでしょう。
適切な活動によって成約率の向上が期待できるため、キーマンとの協力関係はエンタープライズ営業において重要なポイントです。
ライバル企業にはない強みを持つ
エンタープライズ営業を成功させるには、ライバル企業にはない強みを持ちましょう。
大企業に多くの営業担当者が訪問しているため、同じような商品・サービスを紹介しても魅力的に写りません。
そのためライバル企業の差別化を意識しながら、企業が抱えている課題を特定して、具体的な解決方法と有用サービスの提案が求められる点を覚えておきましょう。
ツールを導入する
エンタープライズ営業は、DSRツールを導入することで成功確率を上げられます。
ちなみにDSR(Digital Sales Room)とは、オンライン上でBtoB企業と見込み顧客の間で、コンテンツや情報を共有できる環境です。
具体的には、買い手と売り手がリアルタイムでチャットできたり、資料の共有や動画メッセージなどを通じてオンデマンドで交流できたりします。
つまりDSRツールの導入によって、クロージングを早められるでしょう。
こちらの記事では、営業活動の効率化に役立つツール「DORIRU cloud」の特徴や営業ツールを選ぶ際のポイントなどを解説しているので、ぜひ参考にしてください。
エンタープライズ営業とThe Model営業の違い
エンタープライズ営業とThe Model営業の違いは、下記の通りです。
特徴 | |
エンタープライズ営業 |
|
The Model営業 |
|
つまり、「エンタープライズ営業=拡大していく営業」「The Model営業=絞っていく営業」である点を覚えておきましょう。
また、The Model営業をエンタープライズ営業に活用することは難しい点も、留意しておかなければなりません。
まとめ
今回は、エンタープライズ営業の成功に必要なスキルや成功させるためのコツなどを解説しました。
エンタープライズ営業とは、公的機関や大企業といった組織をターゲットとする営業手法です。
実際に必要なスキルは、下記の5つです。
- 情報収集力
- 計画立案力
- 商談準備力
- 交渉力
- コミュニケーション力
また、成功させるコツとして「接点を作る」「協力関係を築く」「ライバル企業にはない強みを持つ」などがあります。
本記事でお伝えしたエンタープライズ営業とThe Model営業の違いも参考にして、エンタープライズ営業を導入してみましょう。
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