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NDA(秘密保持契約)とは?必要性や締結までの流れを簡単解説!

投稿日:2023年1月30日 /

更新日:2023年7月21日

NDA(秘密保持契約)とは?必要性や締結までの流れを簡単解説!
● ナレッジ管理● 情報管理

多くのビジネスにおいて締結されるNDA(秘密保持契約)ですが、NDAのことがわからないまま締結したり、あるいは拒否したりしていませんか?

商談や取引を行う際、見慣れた契約書であるNDAにも、実は多くのリスクや注意点が潜んでいます。

そのため、NDAを締結する目的や、NDAで設けられる条項を正しく理解する必要があります。

そこで本記事では、NDAの基礎知識を中心に、徹底解説します。

最後まで読めば、自社が不利益を被らない形でNDAの締結ができるでしょう。

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NDAとは自社の秘密情報を守る「秘密保持契約」

NDAとは自社の秘密情報を守る「秘密保持契約」
NDAとは「Non-Disclosure Agreement」の略で「秘密保持契約」を表しています。

他社との業務提携や共同開発などを行う際、自社の持っている企業情報や個人情報を開示しなければプロジェクトを進められない場合があります。

開示した情報を悪用されたり流用されたりしてしまうと、開示した側は社会的ダメージを受けるほか、場合によっては損害賠償問題に発展しかねません。

そうしたトラブルに合わないために、開示する情報の扱い方を取り決め、両者の間でNDAを締結します。片方だけが秘密情報を開示する場合には「片務契約」、双方が秘密情報を開示する場合には「双務契約」を締結します。

 

NDAが必要な3つの理由

NDAは、他社とビジネスを進めていく際、開示しなければいけない自社の秘密情報や個人情報の管理を安全、かつ円滑に行うために締結します。

NDAが必要である具体的理由は次の3つです。

  • 情報漏洩・不正利用の防止
  • 不正競争の防止
  • 特許申請

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

理由1.情報漏洩・不正利用の防止

開示する情報の中には、自社の秘密情報や顧客の個人情報が含まれており、社外に漏洩したり、仕事の目的以外で使用したりすると、自社の社会的信用が失われてしまいます。

事前にNDAを締結しておけば、不要なトラブルを未然に防げます。

 

理由2.不正競争の防止

開示した情報をもとに、自社と同等の製品やサービスがつくられた場合、そのもの自体の市場価値が下がってしまうおそれがあります。

その際、自社から漏洩した情報が使われていたと判断されなければ、差し止めや損害賠償請求を行うことはできません。

自社の秘密情報だと証明するためにも、NDAの締結は必要になります。

 

理由3.特許申請

将来的に特許申請を行う予定のものがある場合には、必ずNDAを締結しておく必要があります。開示された側の企業が、その情報をもとに商品開発を行い特許申請をしてしまうかもしれません。

特許を申請する条件として「特許出願前に日本国内は外国において公然知られた発明」と記載されています。

NDAを締結していなければ、「公然知られた発明」としてみなされないため、特許の申請ができなくなってしまう可能性があります。

特許申請を行う予定があるものには、必ずNDAの締結をしておきましょう。

また、特許権以外にも「意匠権」「商標権」「著作権」などの知的財産権を保護する際も同様です。

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【重要】NDAは情報開示前に締結すべき

【重要】NDAは情報開示前に締結すべき

NDAの締結は、取引相手に秘密情報を開示する前にしておく必要があります。理由として、商談や打ち合わせの際に、自社の秘密情報をある程度説明しなければならないケースがあるからです。

また、資本提携や業務提携を結ぶ場合には、企業情報や顧客情報の開示が必須になります。取引が不成立になったとき、NDAを締結していないと自社の情報が悪用されたり、不正利用されたりするおそれがあります。

そのため、NDAは情報を開示する前に締結するようにしましょう。

 

締結前に情報開示してしまった場合の対処法

やむを得ず、NDA締結前に情報を開示してしまった場合でも、締結が可能ならば、早急に締結するようにしましょう。

その際には、「当該契約において、契約締結前に開示した情報も含まれる」旨を記載しておくと、トラブルを回避できます。

 

NDAに必要な項目9選

NDAに必要な項目9選

ここでは、NDAを作成する際に必要となる重要項目を9つ紹介します。

  • 秘密情報の範囲
  • 目的外使用の禁止
  • コピーや複製の取り扱い
  • 契約の有効期間
  • 秘密情報の返還と破棄
  • 知的財産権
  • 情報漏洩したときの措置
  • 権利義務の譲渡禁止
  • 作成年月日と署名・調印

それぞれ順に解説します。

 

秘密情報の範囲

開示する情報のどこまでが「秘密情報として取り扱う必要があるのか」の範囲を定める必要があります。

ここで定義した「秘密情報」以外の重要な情報が悪用や漏洩されても、契約違反として責任を問えないため、しっかりと範囲を定めておかなければなりません。

一般的には次の2点を秘密情報として規定します。

  • 当事者が開示する情報
  • 秘密保持契約の存在及び内容、ならびに取引に関する協議・交渉の存在及び内容


また秘密情報の例外について、以下の4つを規定するのが一般的です。

  • 開示された時点で既に保有していた情報
  • 開示された時点で既に公知だった情報
  • 秘密義務を負うことなく、第三者から正当に取得した情報
  • 開示された後、受領当事者の責めに帰し得ない事由により公知となった情報

 

目的外使用の禁止

秘密事項の範囲を定めたら、使用する目的を定め、不正使用をされないようにします。

基本的には、秘密情報を開示する前にプロジェクトの基本計画などに使用する目的がわかっているため、基本契約に基づいて規定します。

  • 当該取引の目的以外での使用禁止
  • 第三者への開示禁止
  • 開示していい範囲

 

コピーや複製の取り扱い

コピーや複製物は現物と同等の価値があるため、「目的外使用の禁止などの規定違反に該当しない」と判断されれば、トラブルにつながる可能性があります。

秘密情報のコピーや複製の取り扱いに関する規定がなければ、原則として自由とみなされるからです。

コピーや複製についても「秘密情報である」と規定しておきましょう。

契約の有効期間

秘密保持義務をいつまで負うかの期間を明確にするために規定します。ただし、有効期限満了後は効力がなくなるため、秘密情報が漏洩した場合に責任を問えなくなってしまいます。

有効期限満了後にも効力を維持できるよう規定しておきましょう。

 

秘密情報の返還と破棄

契約終了後、開示した秘密情報に関する返還方法や破棄の方法についても規定しておきます。規定がない場合、秘密情報の不正使用や漏洩があった際、契約違反の責任を問えなくなってしまいます。

返還または破棄した場合には、秘密情報の適用範囲がどこまでなのかを書面として求めるのが望ましいです。コピーや複製したものについても、忘れずに記載するようにしてください。

 

知的財産権

開示する情報自体に知的財産権が含まれていたり、共同で行った事象に対して知的財産権が生じたりした場合に、権利がどちらに帰属するかを規定しておく必要があります。

 

情報漏洩したときの措置

相手側から秘密情報が漏洩した場合に、誰に報告するのかや、損害賠償請求ができるように規定しておきます。事前に開示する秘密情報について双方の責任者を決め、情報が漏洩した際には速やかに開示側の責任者に報告するように定めます。

損害については、実際にどのくらいの損害が発生したか証明するのは困難なため、「契約金額の範囲内とする」「契約金額の〇分の1を上限とする」と上限を定める場合がほとんどです。

また、立証の為に弁護士に依頼する場合もあるため、弁護士費用の支払い義務を明記しておきましょう。

 

権利義務の譲渡禁止

権利義務の譲渡問題では、第三者への再委託が考えられます。秘密情報を開示された側が、一部の業務を他社に委託する際に秘密情報を譲渡してしまう可能性があります。

秘密保持契約で得た権利や義務を再委託などで第三者に開示する場合は、同等の秘密保持義務を課し、再委託先の情報管理の義務を負うと規定しましょう。

 

作成年月日と署名・調印

最後に作成年月日を記載し、当事者双方が署名と調印をしてNDAの締結が成立します。一般的には調印日が作成年月日となり、調印した日から秘密保持義務を負います。

せっかく作成した契約書も、渡しただけでは何の効力も発揮しないので注意しましょう。なお、当事者間の合意があれば日付をさかのぼって作成年月日を記載することも可能です。

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NDA締結までの4ステップ

NDA締結までの4ステップ

NDAを締結しなければいけない理由と契約書に記載すべき項目を理解したら、いよいよ契約書の作成です。

NDAの締結までスムーズに行えるよう4つのステップで解説します。

 

ステップ1.契約書のひな形を確認

一般的には、業務委託契約では委託する側が作成します。

作成する際には、経済産業省が公開している「営業秘密~営業秘密を守り活用する~」の「第4 業務提携の検討における秘密保持契約書の例」を参考にすると便利です。

公開される側はなるべく不利になる契約は避けたいと考えているため、ひな形(テンプレート)を提示されても、断るようにしてください。

公開する側にとって不利な内容のひな形になっている可能性があり、便利だからと安易に利用してしまうと守りたい情報を守れなくなってしまいます。

最終的には、専門家や弁護士に確認を依頼してもよいでしょう。

 

ステップ2.契約内容の協議

協議を行う双方の責任者が、NDAに記載する内容を話し合い草案を作成します。

先述した項目のほかに必要なものがあれば、追加するようにしましょう。

  • NDAに記載する項目
  • 秘密情報の範囲
  • 目的外使用の禁止
  • コピーや複製の取り扱い
  • 契約の有効期間
  • 秘密情報の返還と破棄
  • 知的財産権
  • 情報漏洩したときの措置
  • 権利義務の譲渡禁止
  • 作成年月日と署名・調印

 

ステップ3.内容を確認し双方で合意

原案が作成できたら相手側に内容の確認をしてもらい、修正を要求された場合には話し合いを設け、内容をすり合わせていきます。

こちらが受け取り側の場合には、不利な内容になっていないかしっかりと確認しなくてはいけません。お互いに妥協点を見つけ、合意ができたら契約書を作成します。

実務の効率化を考え、メールなどにPDF形式を添付して行うやり取りが多くなっていますが、修正の記録などは忘れずに保存しておきましょう。

 

ステップ4.秘密保持契約書に署名捺印

契約書が作成できたら再度内容を確認し、契約当事者が署名印を行い契約が成立します。契約書は契約当事者の人数分作成し、それぞれが原本を1通ずつ保管します。

近年では契約書を電子ファイル化し、電子署名を行い契約する方法も取り入れられています。

 

まとめ

NDAは企業間で取引する際に、自社の秘密情報や個人情報などの重要な情報を守るために必要な契約です。NDAが必要な理由として「情報漏洩・不正利用の禁止」「不正競争の防止」「特許申請のため」が挙げられます。

契約書を作成する際には、必要事項を記載し契約当事者双方で話し合いを重ね、納得のいくまで協議を繰り返し行う必要があります。

秘密情報を開示する側と開示される側で、確認するべきポイントが変わってきますが、自社にとって不利益のないようにしっかりと確認しましょう。

 

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