ビュースルーコンバージョン(VCV)とは
ビュースルーコンバージョンとは、広告が表示されたときにクリックしなかったユーザーが、別ルートからコンバージョン(CV)に至った数を示します。
ディスプレイ広告や動画広告に間接的な効果を把握する際の参考になります。
クリックスルーコンバージョンとの違い
まず、クリックスルーコンバージョンについてですが、広告をクリックしたユーザーがその後そのままCVに至ことです。
クリックスルーコンバージョンはビュースルーコンバージョンとは違い、広告が表示されているとき実際にクリック(アクション)されてCVに至ることになります。
ビュースルーコンバージョンの重要性
広告に対する直接的なアクションではない分、評価が非常に難しい指標のひとつです。
しかし、ビュースルーコンバージョンを重視することで、広告効果を正しく評価できるようになるだけではなく、広告の間接効果を考慮しながら広告配信が行えるようになります。
他の媒体のCV獲得にどれほどの影響を与えるのかも明確になるのです。
具体例
例えば、あるユーザーが美容液の広告を動画で見たとします。
そのユーザーは動画を見るだけでその時サイトへのボタンはクリックしません。
しかし後日、気になって美容液の公式サイトへ行き購入します。
広告をクリックしてCVに至ったわけではないため、CV数やCVR(コンバージョン率)だけを見ると広告に効果がなかったと思われてしまいますが、間接的にはCVにつながっているのです。
つまり、広告のCVRが低いとしても広告としての効果はあると言えるのです。
ビュースルーコンバージョンの計測条件
ビュースルーコンバージョンの定義は広告を配信するプラットフォームによって異なります。
計測期間は広告が表示されてからいつまでの期間のビュースルーコンバージョンを計測するかを指定した日数です。
例えば、計測期間を1日間と設定した場合だと、広告が表示されてから1日以内のビュースルーコンバージョンを計測します。
媒体 | 広告が表示されたと 判断される条件 | 計測期間 |
Google広告 | 広告の50%以上がディスプレイ広告では1秒以上、動画広告では2秒以上表示された場合 | デフォルト1日間 最大30日間まで選択可能 |
YDN | 広告の50%以上の範囲が1秒以上連続して表示された場合 | 1日間 |
Facebook広告 | 1%でも表示された場合 | デフォルト1日間 最大28日間(※) |
ここで重要なのは、どの媒体がどのタイミングでビュースルーコンバージョンを適用させるのかをしっかり把握しておくことです。媒体ごとに設定されているビュースルーコンバージョンの適用タイミングを把握しておくことで、正しい判断基準を持って広告効果を計測することできます。
※Facebook広告では7日および28日のビュースルーコンバージョンのサポートがなされなくなるとアナウンスされています(2021年2月時点)参考:How Apple’s iOS 14 Release May Affect Your Ads and Reporting
各広告媒体での設定と確認方法
ビュースルーコンバージョンの設定方法は各広告媒体で異なります。設定方法と確認方法を解説します。
Google広告
まずはGoogle広告の設定方法です。
ビュースルーコンバージョンの設定方法
①管理画面の右上「ツールと設定」をクリック
②「測定」の項目から「コンバージョン」をクリック
③「ビュースルーコンバージョン計測期間」から日数を選択
ビュースルーコンバージョンの確認方法
①管理画面上の「表示項目」をクリック
②「表示項目の変更」をクリック
③「コンバージョン」という項目から「ビュースルーコンバージョン」にチェック
YDN(Yahoo!ディスプレイ広告)
続いて、YDN(Yahoo!ディスプレイ広告)での確認方法です。
ビュースルーコンバージョンの確認方法
①管理画面上の「表示項目」をクリック
②「表示項目を編集」をクリック
③追加項目から「ビュースルーコンバージョン数」をチェック
Facebook広告
Facebookではビュースルーコンバージョンではなく「ビューアトリビューション」という名称になっています。
ビューアトリビューションの設定・確認方法
①広告マネージャから「列」をクリック
②項目下部にある「列をカスタマイズ」をクリック
③右下のアトリビューションウィンドウから「比較ウィンドウ」をクリックし、「ビュー」と「クリック」の期間をそれぞれ選択
④ビューアトリビューションと表示されているものがビュースルーコンバージョンです。
まとめ
ビュースルーコンバージョンは、広告に対する直接的なアクションではないですし、媒体によっては表示項目にはじめから表示されていないこともあり、なかなか注目や評価がされにくい指標です。
しかし、ビュースルーコンバージョンの数値を把握することで、媒体それぞれの成果だけでなく、広告全体のパフォーマンスを把握することができるので、これを機に参考指標として把握してみることをオススメします。