マーケティングフローとは?
マーケティングフローとは、集客や成約、アップセルなどマーケティングの一連の流れを指します。
マーケティングの一連のフローは、以下の6つです。
- 市場調査・分析
- セグメンテーション
- ターゲティング
- ポジショニング
- マーケティングミックス
- マーケティングの実行・評価
ひとつずつ解説していきます。
市場調査・分析
マーケティングを始めるにあたって、自社の内部と外部の環境を調査・分析する必要があります。
市場を調査・分析する理由は、自社の立ち位置や商品・サービスの優位性、競合他社などのデータを集めて的確な戦略を立てるためです。
- 新規顧客の集客
- 製品のプロモーション
- 既存顧客へのアプローチ
上記の3点が、市場調査・分析を行うメリットといえるでしょう。
またマクロとミクロの情報を収集し、「自社の強み」や「顧客に対しての価値は何なのか」を分析します。
マーケティングの市場調査・分析で使用されるフレームワークは、以下の3つです。
- 3C分析
- PEST分析
- SWOT分析
目的によって、活用する分析が異なるので覚えておきましょう。
セグメンテーション
セグメンテーションとは、自社のビジネスにおいて最も適した市場を見つけるためのプロセスです。
市場は複雑なニーズで混在しており、企業の商品・サービスが全てのニーズに応えられません。
そのため、顧客のニーズや価値観などをもとに市場を分析していく必要があります。
市場を細分化した際の切り口は、下記の6つです。
- 地域
- 年齢
- 性別
- 職業
- 行動ニーズ
- 価値観
戦略的なセグメンテーションは、自社にとって効果の高いビジネス成果を得られるでしょう。
ターゲティング
ターゲティングとはセグメンテーション後の市場に対して、ターゲットを絞ってマーケティングを展開するプロセスです。
自社の商品・サービスが最も展開できる場所を選ぶ手段として、ターゲティングが活用されます。
また、自社の強みを活かすために考えるべきポイントは、下記の3つです。
- 市場の動向
- 顧客の属性
- 競合他社の存在
ターゲティングは、細分化された市場の中から見極める必要があるので、「標的市場」や「市場の絞り込み」と呼ばれています。
自社の商品・サービスを「誰に届けるか」を明確にできれば、事業が成功する可能性が高くなるでしょう。
ポジショニング
ポジショニングとは競合他社の商品・サービスと差別化を図り、顧客にアピールできる自社独自の価値を決めるプロセスを指します。
具体的には、「この商品を購入するブランドが決まっている」といった、顧客の心の中に明確なポジションを確立されているという意味です。
ポジショニングは、セグメンテーションとターゲティングの両方と深い関係があり、分類した中で誰にどの立ち位置で商品・サービスを届けるべきか考える必要があります。
ポジショニングで活用されるフレームワークとして、ポジショニングマップがあります。
ポジショニングマップの特徴は、下記の4つです。
- 競合との差別化を図れる
- 業界内での自社の位置づけを示す2次元マップ
- 重要度と独立性の高いそれぞれの軸で構成されている
- 競争優位性にある独自ポジションを導き出す
自社の戦略や理念との整合性を重視しながら、ポジショニングを確立していきましょう。
マーケティングミックス
マーケティングミックスとは、マーケティング全体における「実行戦略」です。
実行戦略は、4つの要素に分類されており、下記でご紹介する頭文字をとって4Pと呼ばれています。
- 製品(Product)
- 価格(Price)
- 流通(Place)
- プロモーション(Promotion)
また4Pの間で整合性を取れているか確認するために、下記3つのポイントに注意しましょう。
- 4Pのバランスが取れているか
- 4Pによる相乗効果が見出せているか
- 4Pのそれぞれで矛盾が生まれていないか
マーケティング戦略の実現には、マーケティングミックスの活用が重要です。
マーケティングの実行・評価
これまでのマーケティングプロセスで設定した施策を、実行・評価していきます。
マーケティング担当者は、特に「評価」について意識しましょう。
意識すべきポイントは、下記の2つです。
- 施策を全体の良し悪しで判断しない
- 検証により、どのマーケティングプロセスに問題があったのか見つける
マーケティングプロセスに当てはめることで、どの部分が上手くできた、もしくは間違っていたのか明確になります。
集客や販売などのステップごとにKPIを設定して、マーケティング戦略とマーケティングプロセスのギャップが見えやすくなるはずです。
ちなみに、こちらの記事では多くの企業が抱えるマーケティング課題と解決方法、貢献できるサービスを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
マーケティングフローごとに活用できるフレームワーク
ここまで、マーケティングにおける一連のフローを6つお伝えしました。
続いては、マーケティングのフローごとに活用できるフレームワークを紹介します。
- 市場調査・分析
- マーケティングミックス
それぞれ紹介していきます。
市場調査・分析
市場調査・分析で活用できるフレームワークには、下記の4つがあります。
- PEST分析
- 3C分析
- ファイブフォース分析
- バリューチェーン分析
- SWOT分析
PEST分析
PEST分析は、自社での制御が難しいマクロ環境分析して、市場環境や自社への影響を把握するために必要なフレームワークです。
マーケティングプロセスにおいての環境分析は、外部環境と内部環境の2つの分析方法があります。
さらに外部環境分析はマクロ環境分析とミクロ環境分析に分かれており、マクロ環境を分析するため活用されるフレームワークがPEST分析です。
PEST分析は、下記にあげる4つの頭文字をとった言葉で構成されています。
- 政治(Politics)
- 経済(Economy)
- 社会(Society)
- 技術(Technology)
4つの要素は、自社の動向とは関係なく発生するためコントロールできません。
そのため現在のマクロ環境分析して、これから自社にどのような影響を及ぼすのか知る必要があります。
3C分析
3C分析は自社の強みや弱み、顧客ニーズ、競合他社の動きを分析して最適な意思決定をするためのフレームワークです。
3Cは、下記の頭文字をとった言葉で構成されています。
- 市場・顧客(Customer)
- 競合(Competitor)
- 自社(Company)
それぞれの分析からKSFを発見することが、マーケティング上の目的です。
けいSFが明確になれば、自社の成功に向かって進むべき方向性が見えてくるでしょう。
また、外部環境と照らし合わせて自社の強みや弱みを発見できるので、効率良くマーケティング活動に集中できるはずです。
ファイブフォース分析
ファイブフォース分析は、業界の競争構造や環境を分析するために活用されるフレームワークです。
自社にとっての脅威を5つに分類・分析して、業界の収益構造を明らかにするだけでなく、自社の競争優位性の明確化を目的にしています。
ファイブフォースにおける5つの脅威は、下記の通りです。
- 代替品の存在
- 顧客の交渉力
- 業界内での競争
- 業界への新規参入者
- サプライヤーの交渉力
ファーブフォース分析によって、収益が上下する要因の分析や新規参入者の収益性が見込める方法、収益の確保などの答えを見つけられるでしょう。
バリューチェーン分析
バリューチェーン分析は、自社の商品・サービスを顧客に届けるまでの工程における強みや弱みを把握するためのフレームワークです。
顧客に自社の商品・サービスを提供するまでの活動に対して、「価値の連鎖」が可視化できるようになりました。
バリューチェーン分析における企業の活動プロセスの考え方には、下記の2つがあります。
- 直接的に顧客へ価値を届ける「主活動」
- 主活動を支えるための「支援活動」
製造業を例に考えてみると、購買物流や製造、出荷物流、販売・マーケティング、サービスが主活動です。
一方で支援活動は、全般管理や人事・労務管理、技術開発、調達などが該当します。
バリューチェーン分析によって自社のビジネスを項目ごとに分類できるので、「どこでどういった活動」が利益に結びついているか明確になります。
SWOT分析
SWOT分析は、自社を取り巻く環境や強み、弱み、事業の課題を整理して、明確化するためのフレームワークです。
事業や自社の状況を、下記にあげる4つの項目に整えて分析します。
- 強み(Strength)
- 弱み(Weakness)
- 機会(Opportunity)
- 脅威(Threat)
またSWOT分析の目的は、下記の4つです。
- ビジネスの存続
- 精度の高い戦略の立案
- 改善点やリスクの特定
- 成長機会のある領域の発見
SWOT分析を間違えてしまうと、戦略や施策の工程が的外れになるので注意して分析を行いましょう。
マーケティングミックス
マーケティングミックスで活用できるフレームワークには、下記の2つあります。
- 4P
- 4C
4P
4Pは、施策の立案やマーケティング戦略を検討する際に活用されるフレームワークです。
1960年に、アメリカの経済学者であるエドモンド・ジェローム・マッカーシーが提唱しました。
4Pは、下記の頭文字をとった言葉で構成されています。
- 製品(Product)
- 価格(Price)
- 流通(Place)
- プロモーション(Promotion)
顧客に満足してもらうための商品・サービスを開発して、適切な価格設定を行い効率的な流通の選び、効果的な販売促進を実施してマーケティングの効果を最大限に発揮することを目的にしています。
4C
4Cは、自社のマーケティング戦略を顧客視点で立案する際に活用されるフレームワークです。
下記の4つの要素で分析を行い、顧客が成約に至るまでに大きな影響与えるとされています。
- 顧客価値(Customer Value)
- コスト(Cost)
- 利便性(Convenience)
- コミュニケーション(Communication)
売り手側の目線で分析する4Pに対して、4Cは買い手側の目線で分析します。
今までの企業を主体とした商品・サービスの開発、販売促進から、顧客主体の考え方へ変わったことで4Cが登場しました。
マーケティングフローの活用事例
ここまで、マーケティング論で活用できるフレームワークをお伝えしました。
続いて、マーケティングフローを活用した事例を4つ紹介します。
- 株式会社OREC
- ライフネット生命保険株式会社
- 日本コカ・コーラ株式会社
- SchoolDude社
ひとつずつ紹介していきます。
株式会社OREC
株式会社ORECは、年商136億円を誇る草刈機や管理機、耕運機、運搬車などの開発・製造・販売している農業機械メーカーです。
農家が抱える不満やニーズに寄り添う超顧客志向によって、40%超の国内シェアを実現しました。
株式会社ORECが実施したマーケティングフローは、下記の3つです。
- 市場の調査
- ニーズに沿った商品開発
- 適切な手段での提供
製品を展示するだけでなく、色や農業に関するセミナーやイベント、交流会を開催して顧客のニーズを把握して成功した事例といえるでしょう。
ライフネット生命保険株式会社
ライフネット生命保険株式会社は、インターネットから24時間365日いつでも保険の見積もりや申し込みができる保険会社です。
ターゲットとしてインターネットに抵抗の少ない若年層や子育て世代を選んだ点が、ポジショニングとターゲティングで成功した事例といえます。
ネット専用保険会社の強みを活かした価値提供として、下記の3つがあげられます。
- 手頃な保険料
- 24時間365日申し込み可能
- スマホから簡単に見積もりや申し込みできる
多額の保険料が支払いにくく、スマートフォンに慣れているターゲットとマッチした価値を提供しているといえるでしょう。
日本コカ・コーラ株式会社
日本コカ・コーラ株式会社は、清涼飲料水の企画や開発、製造を行っている企業です。
自社で始めてのアルコール飲料「檸檬堂」を販売して、ポジショニングが大きく成功した事例といえるでしょう。
ポジショニングが成功した例は、下記の2つです。
- 競合他社が使用している「シルバー」や「シズル感」は使用しない
- アルコール度数によって複数のラインナップを用意した
自社の商品が、顧客からどうすれば興味を惹かれるかを考え抜き、競合他社との差別化を図った点が功を奏しました。
SchoolDude社
SchoolDude社は、アメリカやカナダ、オーストラリアなど6,000以上の教育機関に管理機能ソリューションを提供している企業です。
セグメンテーションを重視した点が、マーケティング戦略を成功させた事例といえるでしょう。
具体的な施策は、下記の2つです。
- 教育機関の中でも高等教育業界にのみターゲットを絞った
- 高等教育業界を30個のグループに細分化した
セグメンテーションに注力した結果、顧客のニーズに対応するだけでなく、自社の商品が様々な国々で導入されるようになりました。
ちなみに、こちらの記事ではマーケティングが本当に上手い企業や成功させるコツ、おすすめのサービスを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
マーケティングフローごとに活用できるサービス・ツール
ここまで、マーケティングフローの活用事例を4つお伝えしました。
次に、マーケティングフローごとに活用できるサービス・ツールを紹介していきます。
市場調査・分析
マーケティングフローの市場調査・分析する際に活用できるツールは、次の2つです。
Freeasy|市場調査
「Freeasy」はインターネット上でのアンケートを行い、マーケティングリサーチを効率化するためのツールです。
料金プラン
プラン名 | スクリーニングアンケート | 本調査 |
---|---|---|
初期 費用 | なし | なし |
基本 料金 | なし | なし |
従量 料金 | 5問以内の場合、1000サンプルごとに5,000円(税別) 6問以上10問以内の場合、1000サンプルごとに10,000円(税別) | 設問数×サンプル数×10円(税抜) ※データクリーニングオプション利用時は、設問数×サンプル数×15円(税抜) |
Nfield|市場調査
「Nfield」は、市場調査に適したクラウドベース型のデータ収集プラットフォームです。
訪問調査とオンラインインタビューに対応しており、高品質で安全性の高い調査を可能にしました。
NIPO Softwareによる、ホスト型マネージメントサービスが提供されているので、サーバーやライセンスITコストが発生しません。
料金プラン
プラン名 | 月額 |
---|---|
初期費用 | 要お問い合わせ |
基本料金 | 要お問い合わせ |
従量料金 | 要お問い合わせ |
STP・マーケティングミックス
マーケティングフローのSTP・マーケティングミックスで活用できるツールは、次の2つです。
BowNow|MAツール
「BowNow」は、無料で利用できるマーケティングオートメーション(MA)ツールです。
料金プラン
プラン名 | フリー | エントリー | ライト |
---|---|---|---|
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
基本料金 | 0円 | 10,000円 | 20,000円 |
従量料金 | PV数・リード数によって課金あり | PV数・リード数によって課金あり | PV数・リード数によって課金あり |
Sales Platform|新規開拓
「Sales Platform」は、MAやSFAなどの機能が集約されたツールと、マーケティング戦略の立案から実行までを代行してくれるサービスがセットになった、オールインワンプラットフォームです。
料金プラン
プラン名 | テストプラン | ベーシックプラン | フルスケールプラン |
---|---|---|---|
初期費用 | なし | なし | なし |
基本料金 | 月額35万×13ヶ月 | 月額55万円×13ヶ月 | 月額75万円×13ヶ月 |
従量料金 | なし | なし | なし |
マーケティングの実行・評価
マーケティングフローのマーケティングの実行・評価の際に活用できるツールは、次の2つです。
CALLTREE|営業効率化
「CALLTREE」は、効率的に電話業務を行うためのクラウド型営業支援のテレマーケティングシステムです。
パソコンから電話の受発信や発信履歴を確認できるので、顧客のリストアップだけでなく顧客獲得率の改善に効果が期待できます。
料金プラン
プラン名 | 月額 |
---|---|
初期費用 | 要お問い合わせ |
基本料金 | 要お問い合わせ |
従量料金 | 要お問い合わせ |
Sales Marker|ABMツール
「Sales Marker」は、BtoBに特化した興味・関心確度の高いリードを提供するターゲティングツールです。
自社製品に興味や関心がある潜在顧客を、日時でインターネットの行動履歴データを分析・検知し、商談化率や成約率を向上させます。
料金プラン
プラン名 | 月額 |
---|---|
初期費用 | 要お問い合わせ |
基本料金 | 要お問い合わせ |
従量料金 | 要お問い合わせ |
ちなみに、こちらの記事では プロの使っているおすすめのマーケティングツールを9つ紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
今回は、マーケティングフローの概要や活用できるフレームワーク、サービスを紹介しました。
マーケティングフローには、以下にあげる6つの流れがあります。
- 市場調査・分析
- セグメンテーション
- ターゲティング
- ポジショニング
- マーケティングミックス
- マーケティングの実行・評価
また、本記事でご紹介したサービスやツールを活用して、自社の事業拡大にお役立てください。
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