「マイクロコンバージョン」とは?活用するメリットを解説!
マイクロコンバージョンとは最終成果地点となるコンバージョン(商品購入、予約完了等)の手前に発生するアクションの1つとなります。
例えば求人系サイトで最終成果地点が応募完了への「到達」である場合、その過程で以下のユーザーのアクションが想定できます。
①:求人ページへの「到達」
②:入力フォームページへの「到達」
③:入力フォームの「姓名」の項目を「タップ」
④:応募完了ページに「到達」(最終コンバージョン)
この場合、①②③がマイクロコンバージョンの候補になります。
このように、最終コンバージョンに至るまでのユーザーのアクションをマイクロコンバージョンとして設定することができます。
マイクロコンバージョンを設定する価値
広告予算が少ない場合や、認知度が低いサービスまたは商品、サービス領域が狭い案件であるほど、ユーザーが情報を収集したり、考える時間を作ったり等の比較・検討期間が長くなります。
その結果、CVデータが月に数件しか獲得できない場合があります。
「様々な施策は取り組んだがCVデータが少な過ぎて、どの施策が良かったのか悪かったのかの判断がつかない」と頭を抱えて悩んでいる広告運用の方々もいらっしゃるかもしれません。
そこで、有効活用できるのがマイクロコンバージョンとなります。
マイクロコンバージョンのメリット
マイクロコンバージョンのメリットについて詳しく見ていきましょう。
メリット①:施策ごとの効果分析のためのデータが取れる
求人系案件で応募完了が成果地点(最終コンバージョン)となる場合、応募完了だけを見るとユーザーがコンバージョンに至るまでの行動を把握できません。
しかし、上記の図のように最終的なコンバージョンよりも手前にマイクロコンバージョンとして設定することで施策ごとの効果分析に役立てられるデータ量が多くなり、どの施策が効果が高いのか確認することができます。
効率の高い施策に注力したり、該当施策のマイクロコンバージョンの母数を増やす等、データを参考に施策をプランニングすることができます。
メリット②:離脱ポイントが把握できるため、的確なコンテンツ改善ができる
ユーザーの導線過程のデータが取れるため、サイト内のコンテンツ改善に役立てることもできます。
CTRは高い一方でCVが発生していない場合、ある程度提供するサービスや商品に対してのニーズはあるがなかなか成果に繋がらない状況と考えられます。
この場合には、導線に応じたマイクロコンバージョンのデータを確認し、どのページでの離脱率が高いのか等を確認することで改善ポイントを見つけることができます。
例えば、求人一覧ページからフォーム入力ページまでの遷移率が低い場合、求人一覧ページの内容を改善することによって、フォーム入力ページへの遷移率が改善し、CV数増加を狙えるかもしれません。
メリット③:自動入札に有効活用できる
具体的には以下のような活用方法です。
- 自動入札機能の精度を高められる
- アトリビューションモデルでより詳細なデータ分析ができる
有効活用1:自動入札機能の精度を高められる
Googleによると、CVデータが多ければ多いほど機械学習による自動入札機能の精度は高まるため、30日間最低30~50件以上のCVデータを確保することが推奨されております。
この条件を踏まえてマイクロコンバージョンを設定することによってCVデータのサンプル数が増えるため、自動入札機能の精度が高まります。
こうすることにより、最終的なコンバージョン率を高めていくことが可能となります。
有効活用2:アトリビューションモデルでより詳細なデータ分析ができる
「アトリビューションモデル」を加味することでより詳細にデータを分析することができます。
「アトリビューションモデル」は最終コンバージョンに至るまで発生した各クリックに対して、貢献度に応じた評価を行います。
そのため、設定したマイクロコンバージョンが最終コンバージョンにいかに貢献しているのかや、今の施策が最終コンバージョンにどれほど貢献しているのかを可視化することができます。
なかなかコンバージョンが発生しない施策であっても、実は最終コンバージョンの発生に間接的に貢献していることもあります。
Googleの検索アトリビューションモデルではコンバージョン経路の解析やFirst Click解析、Last Click解析機能もありますので、マイクロコンバージョンデータと加味して次の施策のプランニングに活用してみることはいかがでしょうか。
まとめ
マイクロコンバージョンは、コンバージョン率を高める施策に役立つ情報を与えてくれます。
コンバージョンポイントが増えるため、見なければならない指標も増えて工数はかかるかもしれませんが、判断材料が増えることで、広告の最適化につながる可能性は高くなると思いますので、ぜひ有効活用してみてください。
記事執筆:宋 尚潤
記事編集:田邊 龍司、中條 優