ステップメールとは?
ステップメールとは、ユーザーの資料請求した日や商品・サービスを初めて購入した日を起点として、事前に設定しておいた複数のメールを配信する仕組みです。
実際の実施例として、下記があげられます。
- 商品・サービス購入当日:挨拶と購入のお礼メール
- 3日後:商品・サービス紹介メール
- 7日後:関連した商品・サービス紹介メール
- 14日後:セール情報のメール
ステップメールは複数のメールを段階的に配信する場合がほとんどです。
しかし商品・サービスによっては、一定の期間を空けて関連した商品・サービスを紹介する場合もあります。
また、配信の際は登録者の氏名をメールの中に挿入できるため、特別感を演出できるでしょう。
つまりステップメールは、「新規・既存顧客の購買意欲を刺激」「休眠顧客の掘り起こし」ができるマーケティング手法です。
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次に、ステップメールとメルマガの違いを解説します。
ステップメールとメルマガの違い
ステップメールとメルマガでは、配信方法と配信頻度、配信内容が異なります。
それぞれの違いは、下記の通りです。
ステップメール | メルマガ | |
配信方法 | 見込み顧客の状況やアクションに合わせて配信される。 | 企業が知らせたい話題を配信したいタイミングで配信できる。 |
配信頻度 | 長期間にわたり顧客の購買意欲を段階的に高めるように訴求する。 | 一度の配信で伝えるべき内容を完結させる。 |
配信内容 | 登録している別のユーザーに配信するので、リアルタイムな話題は避けている。 | 流行や季節の挨拶などを盛り込んで配信できる。 |
また、ステップメールは全員が必ず1通目から受け取れる点が、メルマガとは違います。
メルマガも希望によっては過去の配信を読める場合もありますが、基本的に登録以降のメルマガしか読めません。
そのため「ユーザーが知らなければ困りそうな情報」に関しては、ステップメールを活用しましょう。
ステップメールのメリット・デメリット
ここまで、ステップメールの概要やメルマガとの違いをお伝えしました。
続いて、ステップメールのメリット・デメリットを解説します。
- ステップメールのメリット
- ステップメールのデメリット
それぞれ解説していきます。
ステップメールのメリット
まずは、ステップメールのメリットを4つ解説します。
- 見込み顧客との接点が増える
- 営業機会を増やすことができる
- タイミングを見て訴求ができる
- ステップごとで分析と改善ができる
ひとつずつ解説していきます。
見込み顧客との接点が増える
ステップメールのメリットは、見込み顧客との接点が増える点です。
ビジネスの中でも特にBtoBビジネスは、商品・サービスを紹介してすぐに購買につながることはありません。
購買に至らない理由として、企業は企画書を提出したり、社内承認を得たりする必要があるからです。
しかしステップメールの活用により、下記の効果をもたらします。
- 見込み顧客の増加が見込める
- 顧客と段階的に関係性を構築できる
見込み顧客を大量に抱えている場合は、フォローを手動で行うため大変な一面もあるでしょう。
ステップメールであれば、そういった見込み顧客を自動でフォローしてくれる点も魅力のひとつです。
こちらの記事では、BtoBメルマガの開封率やクリック率を上げる方法を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
営業機会を増やすことができる
ステップメールを導入することで、営業機会を増やせる点がメリットです。
これまでの広告運用といったマーケティング施策や営業活動には、時間とコスト、労力がかかっていました。
しかし、ステップメールを取り入れることで、下記の効果が期待できます。
- 潜在顧客に継続的なコミュニケーションを自動的に行い、信頼性を醸成できる
- 接触はあったが購買に至らなかった顧客に対して、労力をかけず接点を持てる
一度ステップメールを構築できれば、時間やコスト、人員をかけない営業活動が可能です。
「当時は予算がなかった」などのタイミングが合わなかった顧客が、時期を変えると優良顧客に変わる可能性もあるでしょう。
タイミングを見て訴求ができる
ステップメールは、顧客が購買に至るまでの行動パターンを想定したタイミングで訴求できます。
一般的に、理解できていない商品・サービスをメールで一度説明しただけでは購入されません。
そもそも顧客が興味を持っていなければ、読まれないでしょう。
そのためステップメールを活用して、下記の工程を段階的に行なっていきます。
- 顧客が抱えている問題意識に共感する
- 問題の背景を説明する
- 解決策を提示する
これらのメールを一定の間隔を空けて送り、自社の商品・サービスを理解してもらう必要があります。
顧客から理解を得られて、購買意欲が高まったタイミングに訴求できれば、購買につなげられるでしょう。
また、顧客の行動に応じてステップメールを配信することも可能です。
ステップごとで分析と改善ができる
ステップメールでは、メールの1通目・2通目といったステップごとで分析と改善ができます。
例えば、「5通のメールを配信しているが、3通目のメールだけ極端にクリック率が低い」といった結果を明らかにできる点がメリットです。
今回の例であれば、「3通目のメールはタイトルや構成、文章に課題があるかもしれない」と想定できます。
メール1通ごとのステップを分析・改善できるので、効果の高いステップメールを作成できるでしょう。
ステップメールのデメリット
次に、ステップメールのデメリットを解説します。
- メールアドレスがないと配信できない
- コンテンツ制作にリソースが必要
- 定期的な改善が必要
- 最新の情報は配信できない
ひとつずつ解説していきます。
メールアドレスがないと配信できない
ステップメールのデメリットは、送信相手のメールアドレスがないと配信できない点です。
そのため、事前に顧客のメールアドレスを入手しておかなければいけません。
BtoCビジネスとBtoBビジネスでは、メールアドレスを取得する難易度が異なります。
それぞれの違いは、下記の通りです。
- BtoCビジネス:購買行動は顧客自身が行うので、メールアドレスの取得は容易
- BtoBビジネス:購入に至るまで複数のプロセスがあるので、必ず取得できるとは限らない
ステップメールを企業に送信するにあたって、メールアドレスを取得する方法として下記があげられます。
- 展示会に参加する
- SEO施策を講じる
- セミナーを開催する
- リード獲得メディアに自社商品・サービスを掲載する
メールアドレスを取得する方法はさまざまなので、自社に業種に合わせて効率的に収集しましょう。
コンテンツ制作にリソースが必要
ステップメールはコンテンツを制作するにあたり、リソースを必要とする点がデメリットです。
ステップメール制作にはセオリーがなく、「いつ・誰に・どんな内容を・効率的に」配信するのか考えなくてはいけません。
ほかにも、下記の点を意識する必要があります。
- ニーズに合ったメール文の作成
- メールを送るタイミングの決定
- 確認事項と共有事項のすり合わせ(複数人で運用する場合)
さらに、ステップメール受信者は全員が異なるステータスではないため、誰に向けて配信するかも決めておきましょう。
顧客ごとに自社との関係性は異なるので、ステータスに合った内容でなければ、顧客の抱えているニーズは満たされません。
定期的な改善が必要
ステップメールのデメリットは、運用するにあたって定期的な改善が必要な点です。
購買までのシナリオを設計してメールを作成しても、成果に結びつくとは限りません。
ステップメールは顧客がアクションを起こすことで配信が始まるため、受けとったタイミングで情報が古くなっている可能性もあります。
また、配信が行われたら終了ではなく、顧客が求めている価値を提供できているか定期的な更新・見直しが必要です。
最新の情報は配信できない
ステップメールは事前にメールの内容を決める必要があるため、最新情報の発信には適していません。
そのため、「セール情報」や「期間限定イベント」といった文言は避けましょう。
最新の情報を配信するのであれば、メルマガが適しています。
また、トレンドの変化や法改正といった突発的な変化に対応できないので、こういった変化に対応できる体制は整えておきましょう。
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ステップメール配信までの流れ
ここまで、ステップメールのメリット・デメリットをお伝えしました。
続いて、ステップメール配信までの流れを解説します。
- メール配信の目的を明確化する
- ターゲットを選定・シナリオを作成する
- メール本文を作り込む
- メール配信の設定を行う
- 分析・改善を繰り返す
ひとつずつ解説していきます。
メール配信の目的を明確化する
ステップメールを配信するにあたって、まずはメール配信の目的を明確にしましょう。
目的が曖昧なまま運用を開始しても、十分な成果は得られません。
ステップメールは5つの目的に分かれており、それぞれ下記の通りです。
- 顧客の育成
- 新規顧客の獲得
- 販売フローの自動化
- 自社商品・サービスの購買
- アップセル・クロスセルの提案
上記の目的はいずれかひとつではなく、複数を組み合わせる場合もあります。
まずステップメールの目的を明確にしてから、配信の準備を進めましょう。
ターゲットを選定・シナリオを作成する
メール配信の目的が決まったら、ターゲットの選定・シナリオを作成していきます。
ターゲット選定では、自社が掲げる目的を達成するためにどういったターゲット層にアプローチするべきか検討しましょう。
ターゲット層を選定できたら、シナリオを作成します。
シナリオ作成は、AIDMAの法則を活用してカスタマージャーニーを作成すると考えがまとまりやすいでしょう。
AIDMAは、下記の頭文字の意味を持ちます。
- Attention:商品・サービスの認知
- Intest:興味
- Desire:欲求
- Memory:記憶
- Action:行動
それぞれの段階で、「ターゲットがどのような情報を必要としているのか」を考察しましょう。
メール本文を作り込む
ターゲットの選定・シナリオの作成が終わったら、メールの本文を作り込んでいきます。
ステップメールは、一定の条件に当てはまった際にユーザーへ自動送信されるメールです。
そのためメール本文を作成する際は、下記の点を注意しましょう。
- 納得感のある内容になっているか
- どういった文章であれば、ユーザーが行動したくなるのか
- 画像の利用やリンクの数、メールのタイトルは適切であるか
また、1つのメールに関係構築やサービス紹介、セール情報といった複数の情報は盛り込まず、1つのメールに1つのテーマで配信します。
ちなみにステップメールは画像を簡単に挿入できるので、開封率を確認できるHTMLメールでの配信が一般的です。
こちらの記事では、HTMLでできることや種類、正しい書き方を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
メール配信の設定を行う
メールの本文を作成したら、メール配信の設定を行います。
ステップメールの設定は、メール配信システムなどを活用してターゲットや配信時間を決めていきましょう。
ただし、配信条件の設定を間違えていると想定ユーザーにメールが配信されないだけでなく、期待していた効果が得られません。
そのため条件が正しく設定できているか、テスト配信を行いましょう。
テスト配信の際に確認する項目は、下記の通りです。
- リンク先は正しいか
- レイアウトは崩れていないか
- 誤字脱字、不適切な表現や表記はないか
- 設定しているスケジュールに配信されるか
- パソコンとスマートフォンで正常に受信できるか
受信するデバイスによっては、レイアウトやデザインが崩れる場合もあります。
テスト配信では、複数の端末を準備して臨みましょう。
分析・改善を繰り返す
ステップメールを配信できたら、高い効果を得られるように定期的に分析・改善を繰り返していきます。
効果を検証する際は、下記の指標を注視します。
- 開封率
- 配信日
- 配信時間
- クリック率
- 配信停止率
メール配信の目的を達成するために、それぞれの項目を検証して、良い点・改善できる点を磨いていきましょう。
ただし、分析・改善には一定の情報量と期間が必要なので、中長期的な視点で運用に取り組む姿勢が大切です。
こちらの記事では、分析・改善に欠かせない「PDCA」を成功させるポイントや失敗してしまう原因を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
今回は、ステップメールの概要やメリット・デメリット、配信前の流れを解説しました。
ステップメールとは、ユーザーの資料請求した日や商品・サービスを初めて購入した日を起点として、事前に設定しておいた複数のメールを配信する仕組みです。
活用するにあたって、下記8つのメリットとデメリットがあるとお伝えしました。
- 見込み顧客との接点が増える
- 営業機会を増やすことができる
- タイミングを見て訴求ができる
- ステップごとで分析と改善ができる
- メールアドレスがないと配信できない
- コンテンツ制作にリソースが必要
- 定期的な改善が必要
- 最新の情報は配信できない
本記事でお伝えした配信するまでの流れも参考にして、ステップメールの導入を検討してください。
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