登壇者プロフィール
京都大学工学部卒、ハーバード大学経営大学院修士課程修了(MBA)。
住友商事株式会社を経て、1992年株式会社グロービス設立。1996年グロービス・キャピタル設立。2006年4月、グロービス経営大学院を開学。学長に就任する。若手起業家が集うYEO(Young Entrepreneur’s Organization 現EO)日本初代会長、YEOアジア初代代表、世界経済フォーラム(WEF)が選んだNew Asian Leaders日本代表、世界の成長企業(GCC)の共同議長、米国ハーバード大学経営大学院アルムナイ・ボード(卒業生理事)、米国ウィルソンセンターのグローバルアドバイザリーカウンシル等を歴任。
2008年に日本版ダボス会議である「G1サミット」を創設し、現在一般社団法人G1の代表理事を務め、日本のビジョンである「100の行動」を執筆する。2011年3月大震災後に復興支援プロジェクトKIBOWを立ち上げる。現在一般財団法人KIBOWの代表理事を務め、KIBOW社会的インパクトファンドを組成・運営している。2016年に水戸ど真ん中再生プロジェクトを始動。同年4月に茨城ロボッツ、2019年11月に茨城放送のオーナーに就任。 2022年1月、 ROCK IN JAPAN FESTIVAL が千葉に移転することが発表された2時間後にLuckyFesを立ち上げ、総合プロデューサーを務める。いばらき大使、水戸大使。5男の父親。
1969年、大阪府生まれ。甲南大学法学部を卒業後、広告代理店の営業部長を経て、2000年にインターネット広告を手掛けるアイブリッジ株式会社へ入社。
2007年9月、アイブリッジ株式会社、アドデジタル株式会社、アカラ株式会社、ブランド総合研究所という4つの会社を束ねるグループ会社へと成長した同社の社長を辞し、株式会社コミクスを設立し、代表取締役社長に就任。
茨城県水戸市で地方創生を行うことになったきっかけ
堀さんは、グロービス大学院学長、グロービスキャピタルパートナーズ代表パートナー、2008年G1サミット創設、2011年復興プロジェクト希望、2016年茨城ロボッツ取締役兼オーナー、2019年茨城放送ヒット株主、いばらき大使、水戸大使を歴任。今回7月23日24日Lucky FM Green Festival2022を主催されるという誰もが知っている我らがヒーロー堀さんです。よろしくお願いします。
もう僕が行ってたデパートとかは、8つぐらいあったのが1つも残ってない、サントピアってビルが廃墟となったビルと残っていて、ど真ん中の東急デパートは空き地になっているということで。デパートの跡地が廃墟や空き地になっていると、街中全体がものすごい廃れた印象でしたし、県庁が南の方に移転をしたことによって、本当に街中が廃れてしまって、全ての県の機関も含めて郊外に出てしまったと。
そこで僕は、30数年間何もやったことなかったことにすごい反省をして悩んだ結果「水戸ど真ん中再生プロジェクト」を立ち上げようということで、市長に直談判をして2016年2月から「水戸ど真ん中再生プロジェクト」というのを始めて、そこで水戸に縁がある方々のほか、僕みたいに東京に行ってしまった人とか水戸に縁がない人も含めて、そういった方にお願いをして、始まったわけです。
茨城ロボッツへの出資やグロービス経営大学院の立ち上げ
それから地方創生において、教育人材が育成が必要で、優秀な人材は全部東京に出てきたということもあるので、水戸にいる優秀な方々にきちんとした教育を施そうということで、グロービス経営大学院水戸校を立ち上げました。グロービスに関して東京、大阪、名古屋、仙台、福岡という、そういった大都市にしかないのに関わらず水戸にある理由がないんですね。したがって、ボード会議や経営会議の全てで否定されていったわけですが、その中でなんとか地方創生ということで、水戸校を分校的な形として、特別キャンパスとして立ち上げるということを行いました。
また、水戸の中心にある東急デパートの跡地を「M-SPO」という形で5年間借りて、そこを仮設のアリーナやカフェにしたりしました。それ以外にも「水戸維新」という本を出版して、水戸の歴史に対して「誇りをもたせよう」ということを行っていき、そして第9弾で行ったのが茨城放送の買収ですね。これは、朝日新聞社と日刊スポーツ新聞社が持っていた茨城放送の会社の株式を譲っていただきました。
コロナ禍にロックインジャパンが千葉へ移転
LuckyFM(茨城放送)がですね、去年初めてロックインジャパンの主催者になりました。これは嬉しかったわけです。ロックインジャパンというと20年間もの歴史あるフェスですから。
ロックインジャパンが茨城県で果たし役割は大きいですし、茨城県は魅力度最下位の県で、さらにロックインジャパンが移転してしまうと。「魅力度最下位でもロッキンがあるぜ!」ということをみんな言っていたわけです。千葉に移転してしまったら、経済的損失ばかりじゃなくて、1番大きいのはマインド面ですね。誇りの面や魅力度の面、あるいはフェス文化の面で、すべてが失われてしまうということで、結果的に僕らに与えられた選択肢は2つでした。
1つ目がフェスをやらずに夏を寂しく、指をくわえながら夏を過ごすのか。あるいはもう1つは、僕らがフェスを立ち上げるということで、どちらかしかなかったわけですね。それで実は今年の4月5日にロックインジャパンが「千葉に移転する、当面帰ってこない」ということを報告した際、僕らはその2時間後に「やります」と。
しかも、事業の場合には遅らせることができますが、7月の23日24日という日程を遅らせることはできないわけですね。「半年間という中で、どこまでできるか」ということをずっと模索してやってきて、実は音楽業界の重鎮からは、罵倒されていくんです。
「お前何考えてるんだ」と。「1年半かかるのに、素人のお前が、半年間でできるわけないだろ。やめとけ」というふうに言われました。「何がやりたいの?」と聞かれれば「茨城のフェス文化を……」と答えましたが「茨城なんて関係ないでしょ、音楽どうするの?」「クロスオーバーなんて成功しないよ」 と。もう全てが否定されていく中でなんとか作ってきたのが、このLuckyFesという形になっています。
社会貢献として行う地方創生
今回のLuckyFesも僕自身がやる必然性はなくてですね、大学院とベンチャーキャピタルをやっていて、水戸の地方創生そのものも僕が行う事業としても必然性は全くないんです。全てが地方創生は社会貢献という形で行なっていて、グロービスそのものがそもそも社会貢献として始まっているので、それが本業なんですね。
福沢諭吉さんが慶応を作ったようにグロービスの大学院を作って、実学の教育を行うと。渋沢栄一さんが資本主義の父として多くの産業を作っていったように、ベンチャーキャピタルを通して新しい産業を作っていくのを僕も行って。マルチステークホルダーの会合として、日本を良くするということを行なって、「水戸ど真ん中再生プロジェクト」も水戸、茨城を盛り上げようということで行っているということ。
僕自身は、社会貢献を中心として捉えているので、その結果グロービスは創業以来、一切外部資本を入れずに、すべて内部資本のみで行っています。したがって、上場もしていないんですね。グロービスのみんなもその地方創生ということ、あるいは社会貢献ということを本業としてやっているという点を理解いただいて行なっているということになっているんです。そういう意味で今回のLuckyFesにしても、茨城放送、茨城ロボッツ、M-SPO、M-GARDEN、あるいは水戸維新も含めてですね、水戸で行なっていること全ては、本当に社会貢献のために行っていると。
これ、やりたいこと何かというと、水戸っていうのは明治維新のときにも、維新の先駆けだったんですね。僕は起承転結すべてを水戸が行ったという風に思っていることなんですが、水戸っていうのは「先駆け」っていうのをよく使うんですね。全ての先駆けが水戸だと。「地方創生の先駆けモデルを作っていこう」というのが僕らの思いで、したがって水戸がやったことが各地にも伝播していけばいう風に思っているので、ベンチャーキャピタルで儲かったお金すべてを水戸に投資をして、還元をして、そして新しいモデルが作れたら良いなって思いでやっています。
LuckeyFesで目指す日本三大フェスの規模
それから禁煙席とかファミリーエリアとか、全く違うものを作っていくことを考えていく一方で、クオリティを下げたくないということで、ステージの大きさや花火、全体にかかるアーティストエリアを含めたそのコストは、ロッキンのコストと変わらない形でやっていって、収入は5分の1ってことなんで、当然赤字になるんですね。赤字になるのは別に、それはもうベンチャーのベンチャーキャピタルをやってますので、スタートアップやってるとわかることは、初年度は赤字なんです。赤字をして、2年目、3年目、4年目に回収していけばいいっていうくらいの気持ちでやらないと、初年度トントンにしていこうと思うと、本当にショボい感じになってしまって、インパクトが出ないわけなんですね。
思い切ってアーティストも、素晴らしいアーティストに来ていただくための投資を行って、ステージのインパクトとか、公園の敷地におけるアートワークとか食であったりとか、もう全てさまざまな敷地におけるテントとかですね、クオリティを下げずに行って。その結果として満足していただけるようにしていきながら、2年目3年目で徐々に売り上げを上げていきながら、観客の動員数、観客に対して僕らは「フレンズ」という言葉を使っていますが、仲間と一緒に作っていくという形でやっていくことは考えていて、それを僕らが行っていくと。
僕らやるからには、せっかくならば3年間で日本三大フェスの規模にするという約束をしていて、したがって思い切った投資をしてきながら、2年目3年目も重き投資をしていき、多くの方に急激に受け入れていただけるような形のフェスを作っていきたいというのが僕の思いです。
「先駆けモデル」として続ける挑戦
あと近隣施設とか全てにお願いをして、一方で音楽のアーティストから始まって、それからステージを構築する音響、それから照明、そしてスタッフィングそれから食事のケータリング、食のあるいはアートとかですね。本当にものすごい数の方々が関与していて、それを私たった1人から組織を作っていくということが、本当の本業そっちのけで行っていて、是非ともこの聞いていただいた方には、LuckyFesに来ていただけたらと思っています。
まとめ
地方創生サミット2022 地方創生と新しい働き方 Day2 アーカイブ
YouTube:https://youtu.be/YhVKft9Nebo?t=231
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