Webサイトのアクセス解析に活用される「Googleアナリティクス」。しかし、cookieを拒否しているユーザーのデータは取得できないため正確なデータを把握できなかったり、バージョンが変わって使いにくくなったりと、課題も少なくない。
何のためにデータを取得するのか、そのデータをどう使いたいのか、を考えたとき、「アクセス解析=Googleアナリティクス」という常識を打ち破る時代が訪れたようだ。
今回はデータ解析のプロである株式会社ウェブジョブズの丸山氏に、新時代のアクセス解析についてうかがった。
世界的に進む「Googleアナリティクス離れ」
<中條氏>
本日はWeb解析について、株式会社ウェブジョブズの代表である丸山耕二様にお話をうかがっていきたいと思います。本日はよろしくお願いいたします。
<丸山氏>
株式会社ウェブジョブズの丸山と申します。
新卒で伊藤忠テクノソリューションズに入社してシステムエンジニアをしている中で、インターネットの将来性を感じ、伊藤忠テクノソリューションズを退職してインターネット業界へと進みました。主にデータ分析の結果から改善していくマーケティング業務に従事しており、Googleアナリティクスのノウハウなどについてまとめた書籍も出版しております。現在、当社では「QA ZERO」という自社プロダクトの開発・提供を行うだけでなく、Webコンサルティングやマーケティング支援なども実施しております。
<中條氏>
Web解析のプロフェッショナルとも言える方ですね。Web解析は時代によって変遷していくかと思うのですが、最近の現状や課題などを教えていただけますか?
<丸山氏>
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社様が2024年12月に公表したデータ(※)によると、アクセス解析ツールを使って取得したデータを活用できていると感じている企業は、「非常にそう思う」が25.5%という結果だったようです。「ややそう思う」は47.2%だったものの、活用できていないと感じている企業は約4分の1にも及んでいることがわかります。
企業のマーケティング担当者がよく利用しているツールのひとつに「Googleアナリティクス」がありますが、バージョンが変わって通称「GA4(Googleアナリティクス4)」と呼ばれるようになってから、特に私自身も「企業様が活用しきれていないのではないか」と懸念しています。
<中條氏>
Googleアナリティクスは業界スタンダードですよね。確かに難しくなった気がします。
<丸山氏>
アナリティクスアソシエーションというデータ分析のプロフェッショナルが集まる団体の代表である大内様にインタビューをしていただいた際も、「アクセス解析という業務は終わってしまうかもしれない」とお話させていただきました。GA4になってから、操作方法や専門用語がさらに難しくなり、データ解析のプロでも使いこなすのが難しくなっているのが現状です。
日本だけでなく世界で見てもそうした傾向があり、欧米では実はGA4離れが進んでいるとも言われています。最近Webサイトに訪問するとcookieを受け入れるかどうかのポップアップが表示されることが多くなりましたが、欧米ではすべてのWebサイトで表示しなければならなくなっています。Cookieを拒否したユーザーのアクセスはGA4では計測されないため、正しいセッション数を測定できないのです。
<中條氏>
GA4自体が難しいという以前に、正確なデータが取得できなくなっているのですね。
データ解析できるのはGoogleアナリティクスだけではない
<中條氏>
企業のマーケティング担当者は、これからどうしたらよいのでしょうか?
<丸山氏>
「GA4がなくなったらアクセス解析はできなくなるの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。GA4にこだわらなくても、有益なデータを取得できる方法はあります。
先ほど紹介した富士フイルムビジネスイノベーション株式会社様のデータを紐解くと、アクセス解析データを活用して適切な施策につなげたいというニーズがあることがわかります。実は、適切な施策を立案・実行するためには、GA4のデータでは不十分なケースも少なくありません。
<中條氏>
GA4のデータだけでは不十分というのは初めて聞きました。具体的には何が足りないのでしょうか?
<丸山氏>
たとえば、GA4は各ページのアクセス数やクリック数などは計測できますが、ユーザーがそのページのどの部分を注意深く見ているかは把握できませんよね。そのため、そのページで離脱するユーザーが多くても、その理由が「価格が高い」なのか「フォームの入力が面倒」なのか把握しきれないのです。
適切な施策を打つために必要なデータをGA4では取得できないのであれば、ツールをGA4にこだわる必要はありませんよね。
<中條氏>
なるほど、そうですね。それを実現できるのが、御社の「QA ZERO」なのでしょうか。
<丸山氏>
当社のアクセス解析ツール「QA ZERO」は、データ解析の難しさを低くして、なるべく短時間でヒントを得られるような設計にこだわっています。
先ほどもお伝えしたようにGoogleアナリティクスはcookieを拒否しているユーザーのデータは取得できませんが、「QA ZERO」はcookieを拒否している匿名ユーザーのデータも取得できるため、実数値に近いデータを把握することが可能です。
セッション数などのデータ解析だけでなく、ヒートマップ機能も搭載しています。ヒートマップ機能とは、そのWebページのどの部分を注意深く見られているか、どこまでスクロールして読んでくれているか、といったデータを色分けして表示する機能です。この機能により、各ページについてより詳細な分析が可能になるでしょう。
AIと人間の英知を組み合わせることによって生まれる正確性と効率性
<中條氏>
他にはどのような機能がありますか?
<丸山氏>
特徴的なのは、「Brains」というAIエージェント機能です。SEO、広告、SNSなどカテゴリ別のAIアドバイザーが、データ解析やインサイト提示、ネクストアクションの提案などを行ってくれます。会話形式でやり取りできるため、マーケティング担当者様の手間を削減し、良質なヒントを得られるようにしています。
<中條氏>
時間やコストを大きく削減できるという利点がある一方で、AIを活用するうえでの懸念点もあるかと思います。たとえば精度の面が考えられますが、その点はいかがでしょうか?
<丸山氏>
実は、すべてをAIに委ねているのではなく、人間の英知を裏側でロジックとして組み合わせているのです。分析のプロの知見を裏側で組み合わせているので、もっとも間違いのないデータを抽出できるように工夫しています。データとAIと人間の英知を組み合わせて、データ解析を楽にしていこうというのが私たちの目指すべきところです。
<中條氏>
どのような企業様におすすめできますか?
<丸山氏>
特に喜ばれているのは、海外向けのWebサイトを運営している企業様ですね。海外は先ほども申し上げた通りcookieの問題でGA4では正確なデータを得られないので、「QA ZERO」でご支援ができると考えております。
また、データを活用して施策を早く回したいという企業様にもおすすめです。データアナリティストを採用したりコンサルタントに依頼したりすると膨大なコストがかかりますが、AIエージェントがコンサルティング代わりの分析を提示してくれます。
<中條氏>
最後にメッセージをお願いいたします。
<丸山氏>
効率化を高めて生産性を上げるためのデータ解析をしていってほしいと思っています。「QA ZERO」はそのお手伝いができるかと思いますので、ぜひご興味を持った方はお問い合わせください。
<中條氏>
GA4を使いこなせていない方や、データ活用に課題を抱えている方は、ぜひ株式会社ウェブジョブズへお問い合わせいただければと思います。本日は貴重なお話ありがとうございました。