マーケティングツールとは?
マーケティングツールとは、企業におけるマーケティング活動の効率化を図るために役立つ支援ツールです。
ツールによって実装される機能は異なりますが、商談状況の可視化や顧客情報の一元管理、リードのスコアリングなどの機能が備わっています。
従来のマーケティングは全て手動で行われてきたため、顧客数が増えれば増えるほど手間と時間がかかっていました。
しかしマーケティングツールを活用することで、下記の自動化・仕組み化が可能です。
- リードの情報収集の自動化
- 顧客の求めている時間に合わせてメールを自動配信
マーケティングツールによって、自社の商品・サービスがどのような顧客に購入されているか把握できるだけでなく、適切なアプローチを可能にしました。
マーケティングツールはなぜ注目されているのか
近年では、なぜマーケティングツールが注目されているのでしょうか?
注目されている理由として、消費者行動の変化があげられます。
また、既存顧客の維持以上に新規顧客の獲得には多大なコストがかかるため、既にある顧客との関係性の構築を重要視する企業が増えています。
こちらの章では、消費者の行動変化と既存顧客との関係構築について解説していきます。
消費者の行動変化
近年は消費者の行動変化により、これまでのマーケティング手法で十分な成果が得られなくなりました。
そのため、成果につながるマーケティングを実行するには、時代に合わせた手法が求められています。
消費者の行動に変化をもたらした要因が、下記の2点の普及が要因です。
- インターネット
- スマートフォン
誰でも様々な情報を簡単に入手するだけでなく、情報を比較もしくは検討した上で、商品・サービスを購入するかどうかを決めるようになりました。
つまり、これまでのような不特定多数に対して同じアプローチをしても成果が得られにくくなったというわけです。
そこで多くの企業は「One to Oneマーケティング」を導入して、個々の顧客に向けたアプローチを行うようになりました。
One to Oneマーケティングで顧客ニーズや状況の把握、適切なアプローチは難しいです。
そのため、企業は顧客情報を一元で管理して、マーケティングの効率化が図れるツールの必要性が高まりました。
既存顧客との関係構築が必要
マーケティングツールが注目されている背景には、既存顧客との関係構築の必要性が出てきたためです。
新規の顧客獲得には、下記にあげる多大なコストが発生します。
- 広告の出稿
- リードを集めるためのウェビナーの開催
- フィールドセールスの成約
既存顧客を維持するよりも、5倍のコストが新規の顧客獲得に必要とされています。
さらに、近年ではリモートワークを導入する企業が増加傾向にあり、展示会やイベント、セミナーで新規の顧客獲得が難しいです。
新しい顧客を見つける機会が制限されたため、既存の顧客との関係構築が必要になっています。
マーケティングツールの正しい選び方
続いて、マーケティングツールの正しい選び方を紹介します。
マーケティングツールを選ぶ際の基準としてあげられる基準は、下記の3つです。
利用目的と合っているか
既存ツールとの連携機能があるか
使いやすいか
ひとつずつ紹介していきます。
利用目的と合っているか
マーケティングツールは機能がそれぞれ異なるため、自社の利用目的と合っているか明確にする必要があります。
その中で段階別・目的別にツールを分けると、下記の5つに分類が可能です。
- MAツール:見込み顧客を獲得するためのマーケティング活動を自動化と最適化
- ABMツール:大口顧客や自社にとって価値の高い特定の企業へのアプローチ・選定
- CRMツール:顧客満足度の向上や営業活動の効率化、リピーターの獲得
- SFAツール:アポイントの取得や商談といった営業活動
- SEOツール:Web上における新規顧客の開拓
各ツールによって段階や目的が異なるので、「どの段階でどの業務効率を図りたいか」をツールを選ぶ際に明確にしておきましょう。
既存ツールとの連携機能があるか
マーケティングツールは単独での利用も可能ですが、既存ツールとの連携機能が備わっているとより一層便利です。
Salesforce Sales Cloudを例にあげると、顧客データを管理するためにCRMを導入して、そのデータと連携できるSFA機能があると、営業活動がさらに効果的になります。
マーケティングをさらに効果的に行うためには、それぞれのツールで連携機能があるマーケティングツールを選びましょう。
使いやすいか
マーケティングツールを選ぶにあたって、誰でも扱いやすいツールであるかどうかも重要なポイントです。
マーケティングに関する業務が効率よく行うために、誰でも扱えるマーケティングツールを選んだ方がスムーズに運用できます。
SFAツールとCRMツールを例として見てみましょう。
- SFAツール:営業チームが外出先でも使いやすいスマートフォンやタブレットに対応しているツール
- CRMツール:細かなマニュアルが必要なカスタマーサポートチームに合わせてカスタマイズが簡単なツール
ツールを導入しても現場に定着しなければ意味がないので、導入後で活用支援プログラムやサポート体制が充実しているかどうかも大切です。
ちなみに、こちらの記事ではMAツールの選び方や運用の注意点を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
マーケティングの基本的な手順
マーケティングツールを選ぶ上で、まずマーケティングのステップを理解して、ステップごとに何が行われているか把握しなければいけません。
ここからは、BtoBのマーケティングを例にして、マーケティングの基本的な手順を解説します。
ステップごとに顧客とのタッチポイントがあるので、ひとつずつ見ていきましょう。
市場調査や分析
マーケティングでは、市場の環境や競合の状況を調査・分析してターゲットになる顧客層を特定していきます。
分析方法や種類は様々ですが、まずは5フォース分析やSTP分析、3C分析がおすすめです。
- 5フォース分析:競合他社や新規参入者といった、自社を取り巻く環境の分析に特化したフレームワーク
- STP分析:新規事業を展開するにあたって、自社や商品・サービスが市場でどの立ち位置なのか明確にするフレームワーク
- 3C分析:市場・顧客と競合、自社のそれぞれをリサーチして、環境を分析するフレームワーク
また、顧客層を特定するためには、「自社の商品・サービスを利用する最も象徴的なモデル」であるペルソナデザインも欠かせません。
顧客への理解が深まると、的確なマーケティングを実施できます。
集客(リードジェネレーション)
ペルソナを特定したら自社の商品・サービスに関心があり、かつ今後購入の可能性がある顧客を集客していきます。
マーケティングにおいて、見込み顧客を集める活動をリードジェネレーションといいます。
集客(リードジェネレーション)で多くの顧客と接点を持つために必要なマーケティング活動は、下記の3つです。
- オンライン:Web広告
- オフライン:広告やDM、展示会、セミナー
オンライン・オフライン問わず、なるべく多くの接点を持つ必要があります。
育成(リードナーチャリング)
育成(リードナーチャリング)とは、接点を持った顧客に対して有益な情報を継続的に発信するマーケティング方法です。
情報発信を届ける手段として、下記の3つがあります。
- SNS
- メルマガ
- ホワイトペーパー
育成(リードナーチャリング)は購入までの検討期間が長いため、顧客が商品・サービスを購入する機会損失を防げるだけでなく、新規顧客の開拓に追われなくていいといったメリットがあります。
また、購入につながりやすい顧客へ優先的にアプローチできるので、受注率と営業効率を上げられる点もメリットです。
インサイドセールス・商談獲得
インサイドセールスとは、見込み顧客に電話やメール、SNS、Web会議システムを利用して非対面で行う営業活動です。
多くの見込み顧客と素早く効率的に関係を構築できるため、商談獲得前の活動に適しています。
インサイドセールスを導入するメリットは、下記の2つです。
- 低いコストで営業範囲を拡大できる
- 営業活動の効率化を図れる
自社の中でインサイドセールスのビジョンやコンセプトの確立が、マーケティング活動を成功させるためには必要になってきます。
フィールドセールス
フィールドセールスとはインサイドセールスで構築された顧客と、これまで蓄積した顧客情報を活用して、営業訪問や商品・サービスの提案、クロージングを行う営業活動です。
それぞれの部門で教育された顧客は、フィールドセールスによって売上になるかが決まるので、重要なポジションといえます。
フィールドセールスのメリットは、下記の3つです。
- 商品の魅力を伝えやすい
- 顧客の表情や反応が見れる
- 相手の反応を見ながら臨機応変に対応できる
売上に直結するため、マーケティング力や高いコミュニケーション能力、商品・サービスを魅力的に伝えるプレゼンテーション能力が求められます。
アフターフォロー
商談が成立したら、顧客と良好な関係を長期的に維持するためにアフターフォローを行います。
アフターフォローは、自社の商品・サービスを購入してもらうためにアプローチする活動です。
また、顧客から不満や疑問点があった際に、貴重なフィードバックが得られます。
そのため企業が顧客へアフターフォローを行うメリットには、次の2つが挙げられます。
- 顧客満足度を高める
- リピーターを作る
ちなみに、こちらの記事では代表的なマーケティング手法やマーケティング分析手法を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
プロも使っているおすすめマーケティングツール
マーケティングツールを選ぶ際は、「利用目的と合っているか」「既存ツールとの連携機能があるか」といった点を解説しました。
ここからは、プロも使っているおすすめのマーケティングツールを9つ紹介します。
市場調査ツール
まずは、市場調査に役立ちツールを紹介します。
低いコストで顧客ニーズや統計データを得たいと考えている企業は、ご検討ください。
Freeasy|市場調査
Freeasyは、インターネット上でのアンケートを行い、市場調査を効率化するためのツールです。
料金プラン
プラン名 | スクリーニングアンケート | 本調査 |
---|---|---|
初期 費用 | なし | なし |
基本 料金 | なし | なし |
従量 料金 | 5問以内の場合、1000サンプルごとに5,000円(税別) 6問以上10問以内の場合、1000サンプルごとに10,000円(税別) | 設問数×サンプル数×10円(税抜) ※データクリーニングオプション利用時は、設問数×サンプル数×15円(税抜) |
Web集客ツール
マーケティング活動の効率化やWeb集客を自動化するにあたって、Web集客ツールを2つ紹介します。
APP.ASO|Web集客
ASO(アプリストア最適化)を実現するツールが「APP.ASO」です。
アプリのダウンロード数に悩んでいる方は、ぜひ試してみてください。
料金プラン
プラン名 | 月額 |
---|---|
初期費用 | なし |
基本料金 | 要相談 |
従量料金 | なし |
TACT SEO|SEO集客
TACT SEOは、 SEO対策に必要な調査 SEO課題の分析 リライトの効率化 など、SEO対策に活用できる機能が搭載されたSEO対策ツールです。
料金プラン
プラン名 | ライトプラン | プロフェッショナルプラン | エキスパートプラン |
---|---|---|---|
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
基本料金 | (月額)50,000円 | (月額)90,000円 | (月額)170,000円 |
従量料金 | オプションあり | オプションあり | オプションあり |
ADXIA(アドシア)
ADXIA(アドシア)は、アフィリエイト広告の運用効率化を目的としたSaaS型マーケティング支援ツールです。
プラン名 | |
---|---|
初期費用 | 0円 |
基本料金 | 50,000円~ |
従量料金 | ※複数プランがございますので、詳細はお問い合わせください。 |
CTIツール
続いて、営業効率化や電話営業の効率化を図るためのCTIツールを3つ紹介します。
CALLTREE|営業効率化
CALLTREEは、効率的に電話業務を行うためのクラウド型営業支援のテレマーケティングシステムです。
パソコンから電話の受発信や発信履歴を確認できるので、顧客のリストアップだけでなく顧客獲得率の改善に効果が期待できます。
料金プラン
プラン名 | 月額 |
---|---|
初期費用 | 要お問い合わせ |
基本料金 | 要お問い合わせ |
従量料金 | 要お問い合わせ |
MiiTel|電話営業効率化
MiiTelは、顧客対応や電話営業を可視化できる音声解析AI搭載型のクラウドIP電話です。
サービスの特徴として、下記の3つがあります。
- 電番号を1クリックするだけで架電できる
- AIの音声解析によって、営業担当の話し方の特徴を分析・可視化できる
- 一人一人の家電数や通電数、商談化数を可視化できる
料金プラン
プラン名 | 月額 |
---|---|
初期費用 | 0円 |
基本料金(月額) | 1ID/5,980円 |
事務手数料 | 10ID以下の単月契約は発生 |
Comdesk lead|電話営業
Comdesk leadは、携帯回線が使用できる唯一のインサイドセールスCTIシステムです。
サービスの特徴として、下記6つがあります。
- モバイル連動(特許取得済み)によって時間とコストが大幅に削減
- オムニチャネルで営業やCSなどのコミュニケーションを一元管理
- 携帯電話のみで利用できるので、テレワークに最適
- 営業活動全ての録音・テキスト化して自動で履歴を作成
- 様々なサービスと連携しており、ワンタグでCTI化を実現
- 携帯の着信時でも顧客詳細と履歴を確認できる
料金プラン
プラン名 | Comdesk Lead 導入プラン |
---|---|
初期費用 | 応相談 |
基本料金 | – |
従量料金 | – |
MAツール
見込み顧客を獲得して、マーケティング活動を自動化・最適化するためのMAツールを紹介します。
BowNow
BowNowは無料で利用できるマーケティングオートメーション(MA)ツールです。
料金プラン
プラン名 | フリー | エントリー | ライト |
---|---|---|---|
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
基本料金 | 0円 | 10,000円 | 20,000円 |
従量料金 | PV数・リード数に よって課金あり | PV数・リード数に よって課金あり | PV数・リード数に よって課金あり |
インサイドセールス・体制構築ツール
最後に、インサイドセールスや体制構築に役立つツールを2つ紹介します。
DORIRU cloud(ドリルクラウド)|新規顧客獲得
「DORIRU cloud」は、中堅~大手企業の規模のターゲットとの新規商談創出を強みとする営業代行サービスです。
約150万社の企業データベースから最適なターゲットリストを作成し、効果的なトークスクリプトを基にインサイドセールスを実行していきます。
料金プラン
プラン名 | MMレギュラープラン(従業員100〜999名まで) |
---|---|
初期費用 | 300,000円 |
基本料金 | 月額60万円〜 ※月額費用とは別にマネジメントフィー10%が発生します。詳細はお問い合わせください。 |
従量料金 |
スケッターズ|商談獲得
「スケッターズ」は、インサイドセールスの人材育成を得意とするコンサルティングサービスを提供しています。
また、インサイドセールスのアウトソーシングも可能です。
料金プラン
プラン名 | スケッターズ FOR SALES | スケッターズ IS FORMATION |
---|---|---|
初期費用 | ※別途相談 | ※別途相談 |
基本料金 | ※別途相談 | ※別途相談 |
従量料金 | ※別途相談 | ※別途相談 |
まとめ
今回は、プロも使っているおすすめのマーケティングツールを9つ紹介しました。
企業がマーケティング活動の効率化を図る際に、マーケティングツールの活用は必須です。
また、マーケティングツールを選ぶ場合は、下記の基準を意識しましょう。
利用目的と合っているか
既存ツールとの連携機能があるか
使いやすいか
自社の段階や目的に合わせて、紹介したマーケティングツールを活用してください。
また以下の記事も参考になります。
参考:MA(マーケティングオートメーション)のシェア|トップ5製品を解説|Marke Drive
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