サイテーションとは
サイテーションは「引用」、「言及」の意味をもつ言葉で、SEOにおいては「企業名やサイト名、店舗名、ブランド名などが他サイトやSNSに書かれる」ことを指します。
サイテーションは被リンクのように自社サイトのURLが貼られる必要はなく、企業名やサイト名などを言及されるだけで良いのです。
サイテーションと被リンクの違い
サイテーションと被リンクを混同される方もいらっしゃいますが、被リンクは外部サイトに自社サイトのURLが貼られることですので、サイテーションとは別物になります。
一方、サイテーションはリンクではなく、企業名やサイト名など、自社サイトについて言及することです。
サイテーションと被リンクのSEO効果の違い
Googleは被リンクをランキング要因にしていますが、自演の被リンク対策はGoogleからペナルティが科される恐れがありますので、自然に被リンクを増やすことが大切です。
一方、サイテーションは「MEO」という、Googleマップ検索やローカル検索の上位表示に大きく関わってきます。Googleは「ローカル検索結果では主に関連性、距離、知名度などの要素を組み合わせて最適な検索結果が表示される」と公表しており、知名度については以下のように述べています。
知名度
知名度とは、ビジネスがどれだけ広く知られているかを指します。ビジネスによっては、オフラインでの知名度の方が高いことがありますが、ローカル検索結果のランキングにはこうした情報が加味されます。たとえば、有名な博物館、ランドマークとなるホテル、有名なブランド名を持つお店などは、ローカル検索結果で上位に表示されやすくなります。ビジネスについてのウェブ上の情報(リンク、記事、店舗一覧など)も知名度に影響します。Google でのクチコミ数とスコアも、ローカル検索結果のランキングに影響します。クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ランキングが高くなります。ウェブ検索結果での掲載順位も考慮に入れられるため、検索エンジン最適化(SEO)の手法も適用できます。
「ウェブ上の情報も知名度に影響する」とありますので、より多くのサイテーションを獲得することがローカル検索での上位表示に繋がることが分かりますね。
また、Googleから正式に発表されてはいないものの、オーガニック検索のSEOにもサイテーションが影響すると考えられています。検索エンジンはユーザーが満足できるコンテンツを検索結果に表示します。上位表示される要素は様々ですが、「多くのユーザーが言及している」、「ユーザーが好意的にサイトを評価している」といったように、サイテーションの数や質もサイトの評価に影響するのではないかと考えられています。
仮にサイテーションがオーガニック検索に影響しないとしても、積極的にサイテーションの獲得をするべきです。多くのサイテーションが獲得できれば知名度が上がり、指名検索(企業名やサービス名などでのオーガニック検索)が増えるため、間接的にSEO効果が期待できます。
サイテーションの獲得方法
ではどのようにしてサイテーションを獲得すればいいのかを解説します。
分かりやすいサイト名、サービス名などにする
他サイトやSNSで自社サイトやサービス名などをユーザーが言及しやすいように、サイト名やサービス名などは分かりやすくすることが大切です。
サイト名や企業名が長かったり分かりにくかったりするとユーザーに言及されにくくなるうえ、言及されたとしても正式名称ではなく、一部短縮した名称で言及される恐れがあります。正式名称で言及されなければサイテーションになりにくいので、なるべく分かりやすく、短いサイト名やサービス名にしましょう。
ブログやSNSにサイト名などを記述する
ユーザーに自社サイト名、企業名、サービス名などを言及してもらうためには、まず存在を知ってもらわなければなりません。
サイト名やサービス名などの認知度を高めるために、自社ブログやSNSには、言及して欲しいサイト名やサービス名を必ず記述してください。例えばSNSの場合、アカウント名やプロフィール欄にサイト名を入れたり、URLの欄に自社サイトのURLを入力したりすることが大切です。
広告を活用して認知度を高める
自社サイト名やサービス名の認知度を高めるには、広告の活用も効果的です。
広告を出すと多くの人に自社サイト名やサービス名を認知させられるため、サイテーションを獲得できる可能性が高まります。一口に広告と言っても、雑誌広告、バナー広告、アフェリエイト広告など様々な種類がありますので、予算や目的に合ったものを検討してみてください。
サイテーションの獲得状況を調べるには?
先ほどの施策を試したあとはサイテーションの獲得状況を調べましょう。
Googleで検索する
サイテーションを含むサイトを調べるときには、Googleの検索窓に「“サイト名”-site:サイトURL」と入力し、検索します。
例えば、「コミクス」という企業名のサイテーション獲得状況を知りたい場合、以下のようにGoogleで検索します。
検索結果に表示されている「約49,000件」がサイテーションを含んだサイトの数です。例では企業名のサイテーションについて調べていますが、“”の部分にはサイト名やサービス名など、どれほど言及されているか知りたいキーワードを入力しましょう。
Yahoo!リアルタイム検索で調べる
サイテーションを含むSNSを調べるときには、Yahoo!リアルタイム検索でサイト名などを検索します。
Yahoo!リアルタイム検索ではリアルタイムのTwitter、Facebookのサイテーション獲得状況を確認することができます。
ネガティブなサイテーションについて
サイテーションにはポジティブなサイテーションと、ネガティブなサイテーションがあります。
ポジティブなサイテーションはGoogleに評価されやすいと考えられるため、SEO効果が期待できます。
一方、ネガティブなサイテーションはGoogleから低評価を受けやすいと考えられるため、SEOに悪影響を及ぼす可能性があります。
ネガティブなサイテーションが多いと、言及されたサイトやサービスも低評価を受ける可能性があり、検索順位が下がってしまう恐れがあります。
だからといって、ネガティブなサイテーションは外部サイトやSNSに投稿されているため、削除することは難しいです。大切なのはネガティブなサイテーションを削除することではなく、自社サイトやサービス、商品などの質を高めてポジティブなサイテーションを増やすことです。
ポジティブなサイテーションを増やすには、以下のような取り組みが効果的です。
- サイト、コンテンツの質を高める
- 商品、サービスの質を高める
- 良質なサービス、コンテンツなどをSNSに投稿する
まとめ
今回はサイテーションの獲得方法や調べ方についてご紹介しました。
サイテーションはローカル検索やGoogleマップ検索に大きく関わりますので、特に実店舗がある場合は、積極的にサイテーション獲得しましょう。また、サイテーションはSEO効果もあると考えられていますので、Web担当者もサイテーションを獲得できるよう取り組むことをオススメします。