マーケティング費用とは?
マーケティング費用とは、マーケティング活動を行うために必要な費用を指します。
一般的にマーケティング費用に該当する科目は、下記の7つです。
- 広告費
- 販売促進費
- 販売人件費
- 販売管理費
- 市場調査費
- 効果検証費
- 輸送・保管費
ただし企業によって、マーケティング費用として計上するルールが異なります。
また、マーケティング費用は市場調査から始まり、広告を出稿して、最後にマーケティング施策の効果を検証するプロセスです。
次に、それぞれの費用の削減方法を見ていきましょう。
市場調査費用の削減方法
マーケティング活動において、市場調査費用は大きな要因になります。
市場調査のコストを削減する方法のひとつは、必要な情報がまとまったプラットフォームの活用です。
多くの企業は、その業界や市場動向に関する詳細な情報が公開されたプラットフォームを持っています。
このデータを活用する企業側のメリットは、下記の2つです。
- 必要なデータを入手できる
- コストを削減することができる
さらにオンライン調査を利用すれば、顧客の動向や意見、購買行動に関する情報を得られるでしょう。
また、必要なデータ量を減らすことで、市場調査費用を削減できます。
最も重要な分野に絞って調査を行うことで、必要なデータを取得しながらも、コスト削減が可能です。
広告費用の削減方法
広告費用の削減方法として、テレビやラジオ、SNSなどの出稿先メディアの切り捨てが効果的です。
成果につながっていないメディアが明確であれば、その媒体に絞っても問題ありませんが、どの広告がどれだけの効果を出しているか分からない場合の判断は難しいでしょう。
判断がつけられない際の解決策には、下記の2つがあります。
- 全ての出稿メディアの広告費を削減する
- 商品・サービスを認知してもらうための広告費用を削減
全ての出稿メディアの広告費を下げる理由は、削減したひとつのメディアが効果を出していた場合のリスクを回避するためです。
全体の費用削減によって、無駄なコストを減らせる可能性が高くなります。
出稿しているメディアの広告費を削減する手順は、下記の通りです。
- いつから広告費に対して成果が出にくくなったのか振り返る
- 遡った日時から広告費を一度下げてみる
また、テレビや雑誌、新聞などのマスメディア広告は売上に直接的な影響が少ないので、削減しやすい費用といえます。
自社の商品・サービスを認知してもらうには、不特定多数の顧客に広告を打たなければいけません。
そのため認知させるために膨大な配信量やコストが発生します。
しかし、認知を目的とした広告は、顧客にとって選択肢に入るだけなので、削減対象として候補になるでしょう。
効果検証費用の削減方法
マーケティングの効果検証費用の削減は、情報の質を犠牲にせずコスト効率を最大化する必要があります。
効果検証費用を削減する方法は、下記3つのステップです。
- KPIを解析する
- 解析結果をチャネルやターゲット別に分けて分析する
- 費用対効果を分析する
まずはマーケティングを成功させるにあたって測定できる、あらゆる指標と定義されるKPIの解析を行います。
KPIには、リーチやエンゲージメント、顧客の購入転換率、Webサイト訪問数などがあり、解析結果を明らかにすることで効果検証の成功の度合いが変わってくるでしょう。
次に、検証結果をマーケティングチャネル別やターゲット別に分けて分析します。
検証結果を分ける理由は、下記の2つです。
- 改善点の特定
- コスト削減の潜在的な機会の特定
そして、効果検証で得られた効果を計算する費用対効果の分析を行います。
費用対効果を分析することで、コストを最小限に抑えながら最大の価値を生み出す最適な施策を打ち出せるようになるでしょう。
また、MAツールを活用するメリットには、下記の2つがあります。
- メルマガ開封率やアクセス履歴から顧客を自動的にスコアリング
- 成約につながりやすい顧客の絞り込み
登録フォームや簡易サイトを作成できるようになるので、コストを削減しながら円滑なマーケティング活動が可能です。
ちなみに、こちらの記事ではMAツールでできることや導入のメリット、おすすめのツールを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
マーケティング費用の事例
ここまでマーケティングにかかる費用の削減方法を解説しました。
続いて、マーケティング費用の事例を7つ紹介します。
- テレビCM
- YouTube広告
- リスティング広告
- オウンドメディア運営
- SEO対策(検索エンジン最適化)
- アクセス分析
- メルマガ配信
ひとつずつ紹介していきます。
テレビCM
テレビCMを配信する際はCMの制作費用だけでなく、テレビ局に放映料金を支払う必要があります。
制作にかかる費用はクオリティで大きく変わりますが、簡易的な動画であっても数十万円は必要です。
さらに規模が大きな撮影を要した場合は、数百万円以上かかります。
15秒のCMを1回流す放映料金に関しては、下記をご参考ください。
- 東京キー局:40〜80万円
- 関東独立局:4万円ほど
- ローカル局:3〜4万円程度
関東独立局やローカル局の放映料金であれば、手が出せない金額ではありません。
しかしテレビCMは、複数回は放映しなければ効果が薄いので更に費用が発生します。
他の広告手段より多くの方にアプローチできる一方で、放映回数によって費用がかかってしまうため、綿密な計画を立てましょう。
YouTube広告
YouTube広告を配信する際は、制作費用と配信費用が必要です。
広告費用の種類と費用相場は、下記の通りです。
- バンパー広告:400〜600円(1,000回表示されるごとに)
- Trueviewインストリーム広告:2〜25円
- Trueviewディスカバリー広告:3〜20円(1クリックごと)
- アウトストリーム広告:10〜500円
- マストヘッド広告:数百万円になる場合がある
制作費用は安くても数万円が相場とされており、クオリティが上がっていくに従って費用も高くなります。
配信費用に関しては、1回につき3〜20円が相場とされており、業界や商品・サービスによって異なります。
YouTubeには広告の配信形式が複数あるので、ターゲットを細かく設定して、どの形式を活用するか決めましょう。
リスティング広告
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などで検索した際に検索結果の上位に表示される広告です。
検索ワードに合わせて広告を出稿できるので、ニーズが顕在化したユーザーへアプローチできます。
クリックに対して費用が発生する仕組みになっており、1クリックあたりに費用は扱う商材や競合の多さで異なります。
業界や商材、競合が多い場合に発生するそれぞれの費用は、下記の通りです。
- 1クリック:1,000円以上
- 月間出稿費:20〜50万円程度
リスティング広告は、自社のホームページに誘導する役割を担っており、マーケティング全体の戦略を設計した上で、費用を振り分ける必要があります。
オウンドメディア運営
オウンドメディア運営は直接の契約や購入ではなく、顧客との接触を目的にしています。
コンテンツを通して自社の商品・サービスを発信して認知してもらうためのメディアです。
オウンドメディア運営の費用の相場は、下記をご参考ください。
- 運用:1〜5万円
- コンテンツ作成:2〜100万円
- メディアの管理・企画:5〜15万円
- デザイン・コーディング:15:35万円
オウンドメディア運営の制作費用は幅が広いので、どういったメディアを目指しているのか細かく計画を決めて取り組みましょう。
SEO対策(検索エンジン最適化)
SEO対策は、検索キーワードをGoogleやYahoo!などで検索した際に、検索結果の上位に表示される施策です。
自社のサイトやコンテンツでSEO対策を行う際の費用は、下記の通りです。
- SEOサイト設計:10〜100万円
- 外部SEO対策:1〜100万円
- 内部SEO対策:10〜20万円
- SEOコンテンツ:数千円〜10万円(文字・記事単価×コンテンツ数)
SEOサイト設計やSEOコンテンツはオーガニック検索より上位に表示されるので、ユーザーの目に留まる機会が増えてクリック率やコンバージョンの向上につながるでしょう。
アクセス分析
アクセス分析は月額数万円〜30万円ほどの有料プランもありますが、GoogleやYahoo!を利用した場合は無料で使用できます。
また、アクセス分析でわかるユーザーの行動データは、下記の2つです。
- ユーザーが自社のサイトを訪れた検索エンジンや広告、SNS、リンクなどの訪問経路
- 自社サイトを閲覧しているOSやブラウザ、解像度などのユーザーの環境
費用を払ってコンサルティング会社に代行依頼する際は、メディア作成やアクセス分析を含んだプランが提示される場合が多いので、必要に応じて任せてみましょう。
メルマガ配信
メルマガ配信とは、企業が顧客に対して定期購読型メールを一斉配信する仕組みです。
顧客とコミュニケーションを図るツールとして、多くの企業が活用しています。
メルマガを配信する際の月学費用は、下記の通りです。
- クラウド型:2,000〜15,000円
- オンプレミス型:2,000〜50,000円
クラウド型は費用を抑えられますが、セキュリティ対策が施されているか確認しておきましょう。
オンプレミス型はライセンス料やシステム導入費などで、100〜600万円ほど必要です。
初期費用がクラウド型より高いですが、自社ネットワークを介しているのでセキュリティ面は安心できるでしょう。
ちなみに、こちらの記事ではマーケティングにおける広告や種類、戦略仕事内容を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
マーケティング費用を抑えるコツは?
ここまでマーケティング費用の事例を7つお伝えしました。
次に、マーケティング費用を抑えるコツを3つ紹介します。
- 中長期的に予算を組む
- 目的に合わせた成果指標を決める
- 無意味なマーケティングをしない
ひとつずつ紹介していきます。
中長期的に予算を組む
マーケティングで成果を出すには、プッシュ型のマーケティングや広告施策よりも時間がかかるので、中長期的に予算を組みましょう。
中長期的に予算を組む理由は、コンテンツを公開しても短期でユーザーの目に留まる可能性は低いためです。
オウンドメディアであれば、媒体にあるコンテンツのストック数が少ない場合、ユーザーの関心や認知を高められるか難しいでしょう。
そのため短期的な成果で継続の判断をせずに、中長期で運用して効果を検証して継続の判断を行いましょう。
目的に合わせた成果指標を決める
マーケティングにおける成果は、企業によって異なります。
仮に「お問い合わせ」を目的としているのであれば、指標にするべきポイントはコンバージョン率です。
また「認知」が目的の場合は、新規セッション数や読了率PV数を掛け合わせる必要があります。
成果指標を考える際に意識するべき点は、下記の2つです。
- マーケティングの目的
- 目標を達成すれば成功と言える指標はどれか
これらを意識した上で、目的に合わせた成果指標を施策に充てましょう。
無意味なマーケティングをしない
マーケティング費用を抑えるコツには、意味のないマーケティングを避けましょう。
これまではオウンドメディアやコンテンツマーケティングにおいて、文字数や記事の網羅性で成果を狙う方法がありました。
当時は検索エンジンのアルゴリズムが未熟なため、内容に関わらず量が多い記事は質も高いと判断されていたのです。
しかし現在の検索エンジンは、下記についても判断できるようになっています。
- コンテンツの信ぴょう性
- コンテンツの内容
つまり中身が伴っていない記事の量産は、時代遅れになったといえるでしょう。
現代のコンテンツマーケティングでは、質やコンテンツの切り口、信頼性の担保が問われています。
ちなみに、こちらの記事ではマーケティングにおけるターゲット層やターゲティングの手順を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
マーケティング費用を削減できるおすすめMAツール3選
ここまでマーケティングの費用を抑えるコツをお伝えしました。
続いては、マーケティング費用を削減できるおすすめのMAツールを3つ紹介します。
BowNow
BowNowは、国内No.1シェアを誇った無料で利用できるMAツールです。
料金プラン
プラン名 | フリー | エントリー | ライト |
---|---|---|---|
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
基本料金 | 0円 | 10,000円 | 20,000円 |
従量料金 | PV数・リード数によって課金あり | PV数・リード数によって課金あり | PV数・リード数によって課金あり |
Adobe Marketo Engage
Adobe Marketo Engageは、ユーザーの行動をトラッキングして「適切な顧客」「リード」との関係を構築できるMAツールです。
料金プラン
プラン名 | Select | Prime | Ultimate | Enterprise |
---|---|---|---|---|
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
基本料金 | 問い合わせ | 問い合わせ | 問い合わせ | 問い合わせ |
内容 | 基本的なマーケティングオートメーションと効果測定 | リード管理とABM、カスタマージャーニーの分析、AIによるパーソナライゼーション | 包括的で強力なオートメーション機能とアトリビューション機能 | 最大のスケーラビリティと柔軟性 |
SATORI
SATORIは、「SATORI株式会社」が提供している導入実績1,000社以上を記録したMAツールです。
2015年9月にサービスを開始したSATORIですが、「データ連携」機能が他のMAツールと比較すると評価されています。
- 名刺管理ツール
- CRMツール
などへの連携もスムーズに行うことが可能です。
料金プラン
プラン名 | なし |
---|---|
初期費用 | 300,000円 |
基本料金 | 148,000円 |
内容 | リード管理機能やリードジェネレーションなど(詳しくはこちら。) |
まとめ
今回は、マーケティング費用の概要や削減する方法、費用事例を紹介しました。
マーケティング費用は市場調査から始まり、広告を出稿して、最後にマーケティング施策の効果を検証するプロセスです。
また、マーケティング費用を抑えるコツとして、下記の3つを意識しましょう。
- 中長期的に予算を組む
- 目的に合わせた成果指標を決める
- 無意味なマーケティングをしない
マーケティングの目的や達成すべき指標を明確にして、マーケティングにおける費用を削減しましょう。
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