検索広告向けリマーケティング(RLSA)とは
リマーケティングやリターゲティング広告は一度サイトに訪れたことがあるユーザーに対して、広告を配信する方法です。
リマーケティングはディスプレイ広告のイメージが強いですが、検索連動型の広告でもリマーケティングを活用することが出来ます。
リマーケティングとリターゲティングはgoogle広告とYahoo!広告での呼び方の違いなので、基本的な仕組みについては同じものになります。
google広告 | Yahoo!広告! |
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検索広告向けリマーケティング | サイトリターゲティング機能 |
ここでは、どちらも検索広告向けリマーケティングとして記載させていただきます。
RLSAの仕組み
リマーケティング広告はcookieという仕組みを利用します。
サイトに訪れたユーザーにブラウザを介してcookieを付与し、サイトを離脱した後も広告を配信する際にcookieの有無で一度サイトを訪れたユーザーか否かを判断し、広告を出し分けます。
一度サイトに訪れたことのあるユーザーや、リピーターは新規ユーザーよりもCTRやCVRが高い傾向があるために生まれた手法です。
この仕組みを検索連動型広告に利用したものが検索広告向けリマーケティング(RLSA)です。
検索広告はディスプレイ広告のようにユーザーを追跡して広告を配信し続けるということはできませんが、一度サイトに訪問したことがあるユーザーに対して、入札単価を調整して配信効率を高めるといったことが可能です。
検索広告向けリマーケティングの活用方法
検索広告向けリマーケティングの具体的な活用方法は主に以下があります。
- 見込み客の入札単価引き上げ
- ビッグキーワードへのアプローチ
- ユーザーごとにランディングページの出し分け
それぞれ詳しくみていきましょう。
見込み客の入札単価引き上げ
検索連動型広告を検索結果に表示させるには入札単価が重要です。
なかなか表示されない場合は入札単価を上げる必要がありますが、単純に入札単価を引き上げてしまっては、あっという間に予算を使い切ってしまいます。
そこで、一度サイトに訪れたことがあるユーザーに対しては入札単価を引き上げることで、意向の高いユーザーに対して効率的にアプローチすることが出来ます。
また、訪問から1週間経過したユーザー、 30日経過したユーザーなど、それぞれに異なる単価で入札するといったことも可能です。
例えばCPC200円で入札しているキーワードを、30日以内にサイトに訪れたユーザーに関しては250円で入札といったことが可能です。
ビッグキーワードへのアプローチ
ビッグキーワードは検索数が多い為、多くのユーザーにアプローチできますが、競合も多く予算の消化ペースが速くなりやすいうえに、ユーザーのニーズも絞り切れていない為、費用対効果が悪くなりやすいキーワードでもあります。
そのような場合でも、検索広告向けリマーケティングを活用することで、一度商品をカートに入れたユーザーのようにターゲットに絞ることで確度の高いユーザーに効率よく配信することが出来ます。
また、SEOと組み合わせて効果を最大化することも可能です。
SEOではビッグキーワードで上位表示させたい場合、時間も労力もかかります。その為、SEOでは比較的早く上位表示させやすいスモールキーワードでユーザーを獲得し、リスト化することで、ビッグキーワードは確度の高いユーザーに対して検索広告向けリマーケティングで再度アプローチするといったことも可能です。
ユーザーごとにランディングページの出し分け
検索広告向けリマーケティングでは、それぞれ異なるターゲットに対しての配信が可能なため、ユーザー行動に対して最適なランディングページや広告文の配信が可能です。
例えば、新規ユーザーに対しては、セールや期間限定のキャンペーンページの広告配信を行ったり、既存ユーザーであれば、定期購入訴求の広告文配信などが可能です。
検索広告向けリマーケティングの設定方法
実際に検索広告向けリマーケティングを使用するための設定方法について紹介します。
利用できるリスト
先述した通り、検索広告向けリマーケティングを利用するにはリストを作成する必要があります。
一般的な方法は、広告管理画面から取得できる専用のリマーケティングタグをサイトに設置します。
また、その他にもGoogleアナリティクスやYouTubeチャンネルと連携したリストを作ることも可能です。
利用できるリストは下記の通りです。
- googleアナリティクス(UA)
- googleアナリティクス(GA4)
- アプリ分析
- google Play
- YouTube
- Ads Data Hub
例えば、アナリティクスのリマーケティングリストを利用した場合、滞在時間や特定のチャネルから流入したユーザー、10PV以上したユーザーのように、より細かなターゲットに絞ったリストを作成することもできます。
Google広告のタグ設置方法
それでは、実際にgoogle広告でのタグの設置方法を紹介します。
ます、google広告の管理画面右上の「ツールと設定」をクリックし、オーディエンスマネージャーを選択します。
画面左の「オーディエンスソース」をクリックすると先述した利用できるリストの一覧を見ることが出来ます。
今回は標準のgoogle広告タグを選択しますので、「タグの設定」をクリックします。
「ウェブサイトへのアクセスに関する一般的なデータのみを収集して、お客様のウェブサイトの訪問者に広告を表示します。」を選択し、「保存して次へ」をクリックします。
次にタグの設置方法を選択します。
サイトの<head>内に直接記載する方法とタグマネージャーを使用する方法を選びます。
ここでは直接記載する方法を紹介します。
「タグを自分で追加する」を選択し、下部に表示されたタグをサイトの<head></head>の中に追加します。
以上でリマーケティングタグのタグ設置は完了です。
Google広告の設定方法
続いて、作成したリストからキャンペーンや広告グループにオーディエンス設定する方法を解説します。
google広告の管理画面左の「オーディエンス」を選択し、ペンのアイコンをクリックします。
追加先で「広告グループ」もしくは「キャンペーン」の任意のモノを選択します。
「ターゲティング」と「モニタリング」任意の方を選択します。
2つの違いについては後述します。
「閲覧」のタブを選択し、「ユーザーがお客様のビジネスを利用した方法」を選択します。
こちらでリマーケティングが使用可能になります。
任意のオーディエンスを選択します。例では30日以内にサイトに訪れたユーザーを選択しています。
Yahoo!広告での設定方法
広告管理画面の検索広告→ツール→「ターゲットリスト管理」を選択します。
ターゲットにしたいリストを選択します。例では30日以内にサイトに訪れたユーザーを選択しています。
「関連付けの設定」のプルダウンメニューから任意の項目を設定します。
30日以内にサイトに訪れたユーザーに広告グループを配信したい場合は「広告グループに設定(配信)」を選択します。
関連付けたいキャンペーン、広告グループを選択し「設定」をクリックします。
設定した広告グループの表示内容選択から「ターゲティング」をクリックします。
ターゲットリストの「配信対象ユーザー」を「ターゲットリストのユーザー」に設定します。
検索広告向けリマーケティングの注意点
検索広告向けリマーケティングの注意点はいくつかあります。
アクティブユーザーが1,000人以上必要
検索広告向けリマーケティングを利用するには過去30日間で1000人のリストが溜まっている必要があります。
ディスプレイ広告でのリマーケティングでは100人以上となっており、検索広告向けリマーケティングではディスプレイ広告より求められるリストが大きいので注意しましょう。
今後検索広告向けリマーケティングの利用を考えているのであれば、タグの設置だけでも早めに行いリストを貯めておくことをお勧めいたします。
広告だけでなくSEOなどの別の流入チャネルを作っておくことで効率的にリストを貯めることが出来ます。
リストには有効期限がある
リマーケティングリストは最長で540日の有効期限があります。これを過ぎるとリマーケティングリストから削除されてしまうので注意しましょう。
モニタリングとターゲティング
リマーケティングリストを作成したら実際のキャンペーンや広告グループのターゲットにリストの設定を行います。
この際の設定方法に「モニタリング」と「ターゲティング」があります。
「ターゲティング」は特定のオーディエンスにのみ広告を配信します。
その為リスト以外のユーザーには広告は配信されません。
リーチするユーザーは少なくなりますが、特定のオーディエンスにのみ広告を配信したい場合は「ターゲティング」を選びましょう。
一方「モニタリング」はオーディエンスを絞ることはなく、全ユーザーに配信されます。
こちらは、オーディエンスごとに成果の確認をしたり、入札単価の調整をすることが出来ます。Googleの推奨はモニタリングですが、このようにターゲティングとモニタリングでは異なる性質があるので、目的に合わせて適切に選ぶようにしましょう。
※Yahooの場合は「ターゲットリストのユーザー」と「全ユーザー」の名称になっていますが機能は同じです。
センシティブなカテゴリへの配信
RLSAに限った話ではありませんが、健康や人権、アダルトなどセンシティブな内容のカテゴリへ配信はできません。
まとめ
検索広告向けリマーケティングリストについて紹介させていただきました。
見込みユーザーに対して効率的に配信できるだけではなく、SEOとの組み合わせで効果の最大化を図れるメリットもあるので活用してみてはいかがでしょうか?