ナレッジとは?
ナレッジ(英記:knowledge)とは、「知識」や「情報」といった意味します。一般的には本や新聞など「文章から得られる知識」という意味で使われる言葉ですが、ビジネスの場面で使う場合にはニュアンスが少し変わってきます。
ビジネスシーンでナレッジが使われる場合は、企業にとって「付加価値の高い知識」や「利益になる情報、体験」などの意味合いが強くなります。最近では、企業におけるナレッジの捉え方が見直されており、ナレッジを積極的に有効活用・共有する企業が増加している傾向にあります。
ナレッジとノウハウの違いは?
ナレッジと非常に似た意味をもつ言葉が「ノウハウ」です。いずれも「知識」という意味ではあるものの、両者の違いについて例を挙げると、ナレッジは「情報」というニュアンスが強いのに対して、ノウハウは「知恵」のニュアンスが強い言葉です。ナレッジは書籍やインターネットから得られる情報も含まれますが、ノウハウは何らかの経験を通して取得した知識という意味合いが含まれる言葉になっています。
ナレッジとハウツーの違いは?
「ハウツー」もナレッジと類似している言葉です。ハウツーは「基礎的・基本的な知識」という意味合いが強い言葉ですが、ナレッジは「専門的で高度な知識」も含めるため、その点において両者に違いがあります。
ナレッジとスキルの違いは?
「スキル」もナレッジと類似する意味をもつ言葉です。スキルは一般的に、個人が身に付けている「技術」や「技能」という意味になりますが、ナレッジは知識として「他者に共有する」という意味合いがあるため、スキルを共有するという使い方は誤っており、基本的には個人に向けて活用するものがスキルの意味となっています。
企業においてのナレッジの重要性は?
なぜ近年において「ナレッジ」が企業にとって重要なものになっているのでしょうか。ナレッジがもたらすさまざまなメリットについて、3つに分けてご紹介します。
重要性1:業務を効率化できる
企業においてナレッジを上手く蓄積・活用することができれば、まず業務の効率化につながります。社員にはそれぞれ個性や特徴があり、知識量やスキルもさまざまですが、ナレッジを友好的に活用することによって不揃いな業務品質を均質化・均一化することができます。また業務を進める上で不明点や疑問点がが出てきても、ナレッジをすぐ閲覧できる状態であれば、スムーズな業務が可能となります。
重要性2:人材育成を補助できる
新人の人材育成や教育を行う際には、研修やOJT(On The Job Training)などを通してノウハウを取得することが必要になります。このとき、定型化されたナレッジがあることによって、研修やOJTに用いる資料として利用が可能になります。研修を受ける前に社員が予習を行うこともできるため、新人教育の担当者の負担軽減につながります。
効率的な人材育成が実現できれば、時間的コストカットになる上、新人が素早く成長すれば即戦力としての活躍も期待できるでしょう。
〜【おすすめ記事】「OJTとは?/OJTとは一体何なのか?」についてのご紹介 〜
「OJT」については、以下の特集記事『OJTとは?Off-JTとの違いやメリット・デメリットなどを網羅的に解説します!』『OJTとは一体何なのか?意味を分かりやすく解説!向いてない人の具体例も紹介』で取り上げて徹底的に解説しています。ぜひ、そちらの記事も参考にご覧ください。
重要性3:属人化を抑制できる
社内業務のナレッジが蓄積・共有されていないと、業務の詳細内容や進め方が、特定の社員以外では分からなくなってしまう「属人化」の状態になる可能性があります。
属人化が起きると「その人にしかわからない業務」が発生するため、一部の人に仕事が集中し、業務の停滞や生産性の低下になりかねません。
また属人化された業務は個人が自分なりのやり方で進めてしまっているため、視野が狭いものになり、客観的に物事を見る機会がないため、業務の品質が不安定になったり、社員の間でスキルに差が生じて顧客満足度が低下したり、さまざまな問題が発生します。また新人が新たなスキルを身に着けられずモチベーションが保てないため、離職率が増加する恐れがあります。
したがって属人化を抑制するためには社内でナレッジを共有し、誰もが閲覧できる状態にすること、すなわち社内業務のナレッジが蓄積・共有が重要になります。
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モチベーションについては、以下の特集記事『モチベーションとは?モチベーションが下がる理由と上げる方法を徹底解説します!』で取り上げて解説しています。ぜひ、そちらの記事も参考にご覧ください。
ビジネスシーンで使われるナレッジ関連用語は?
ビジネスシーンにおいて「ナレッジ」の関連用語はいくつかあります。意味が分かりづらく混同しやすい言葉が多いため、今回は「ナレッジベース」や「ナレッジワーカー」、「ナレッジマネジメント」の3つを挙げ、それぞれの意味を見て適切に活用できるようにしましょう。
用語1:ナレッジベース
ナレッジベースとは、ナレッジ(知識)とベース(データベース)を組み合わせたビジネス用語で、「業務に関する知識や情報を集めたデータベース」のことを意味します。単にデータベースという場合や別名「知識ベース」といわれる場合もあります。
「個人や組織が持っている知識やノウハウに、社内全員がアクセスできるデータベース」と考えるとイメージしやすいでしょう。
ナレッジベースを活用することによって、社内全体で業務の効率化や人材育成の向上につながります。
〜【おすすめ記事】「データベースとは?」についてのご紹介 〜
「データベース」については、以下の特集記事『データベースとは?基礎知識や導入メリット・デメリットを簡単解説!』『データベースとは?IT初心者でもわかる流れや種類を紹介』で取り上げて解説しています。ぜひ、そちらの記事も参考にご覧ください。
用語2:ナレッジワーカー
ナレッジワーカーとは、知識や情報を意味する「ナレッジ」と、労働者を意味する「ワーカー」を組み合わせた言葉で、和訳すると知的労働者という意味があります。
この意味から、自らの高度かつ専門的なスキルや知識によって企業価値を向上させてくれる人材、といった意味で用いられます。
現代ではAI化やロボット産業が急速に発展しているため、マニュアル化された仕事ではなく、自身で知識や情報を収集し、それを用いて独自の視点から新たなアイデアや価値を生み出すナレッジワーカーは、テクノロジーが進化した現代の市場を生き残っていくために必要不可欠なのです。
用語3:ナレッジマネジメント
ナレッジマネジメントとは、企業にとって有益な知識や情報、すなわちナレッジを組織全体に共有し、活用することで、新たなアイデアの促進と生産性の向上を目指して企業価値を高める経営の管理手法のことを意味します。
それまで個人個人での知識やノウハウとされてきたものを、共有しデータベース化して形式知に変えていくことで、組織としての強みを生貸すことが可能となるため、ナレッジマネジメントが欠かせません。
ナレッジマネジメントを活用することで、人材育成や業務効率化が期待できる上に、顧客満足度の向上にもつながっていきます。
ナレッジをビジネスシーンで使うには?
ナレッジは会社の業界や職種、社内部門を問わず、さまざまなビジネスシーンで用いられる言葉です。実際にどのように使うべきなのか、例文を見ていきましょう。
ナレッジを使った例文
ビジネスシーンでのナレッジの使い方は、
- 「ナレッジを共有する」
- 「ナレッジを活用する」
などが代表的です。個人がもっていた知識や情報を社内全体に「共有」するときや、業務のために「活用」するとき使うのが適切です。
では、これらを応用したより実践的な例文を見ていきましょう。
- 「社内の営業部門で○○のナレッジを共有する」
- 「業績低迷の要因として、ナレッジの共有が上手くいっていないことが挙げられる」
- 「この業務で得たナレッジは次回からのプロジェクトにも活用できる」
先ほどご紹介したナレッジの類似用語・関連用語についても、意味の違いに留意しながら使えるようにしましょう。
まとめ
以上、ビジネス用語としての「ナレッジ」の意味や類似用語・関連用語を紹介し、ナレッジの具体的な使い方をご説明しました。
このように、「ナレッジ」という言葉はビジネスにおいて、企業にとって「付加価値の高い知識」や「利益になる情報、体験」という意味します。単なる知識や情報とはとは異なる点はよく踏まえておきましょう。
ナレッジはビジネスシーンで使用する機会が多いため、正しく意味を理解したうえで使うことが求められます。知識や情報は企業にとって大切な資産であり、企業や従業員がもつナレッジは社内で共有し、有効活用していくことが重要です。
企業や個人の成長のために、ナレッジおよびナレッジマネジメントは欠かせないものです。今後のビジネスに生かすためにも、言葉の意味や重要性についてしっかりと学び、ナレッジの共有を意識しながら仕事に取り組むと仕事における業績が高まるでしょう。
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