YMYLとは?
YMYLというのは、Your Money or Your Lifeの略で、直訳すると「あなたのお金、あなたの人生」という意味になります。つまりYMYLはユーザーのお金や人生に大きく影響するページ、トピックのことを指しています。
では、具体的にどのようなジャンルのものがYMYLに該当するのでしょうか。
YMYLに該当するジャンル
YMYLには以下のジャンルが該当します。
ショッピング、または金銭の取引を扱うページ
例:Web上で物を購入した際の決済ページなど
金融情報を扱うページ
例:年金、保険、不動産投資、ローンなどの情報やアドバイスを扱っているページ
医療の情報を扱うページ
例:健康や病気、栄養などの情報やアドバイスを扱っているページ
法律の情報を扱うページ
例:遺言書の作成、離婚手続き、裁判などの情報やアドバイスを扱っているページ
重要なニュース記事や公的な情報を取り扱うページ
例:災害時の対応や国際問題などを扱っているページ
その他YMYLに該当する可能性の高いページ
例:児童養子縁組や車の安全などの情報やアドバイスを扱っているページ
なぜYMYLは重視される?
YMYLが重要視される理由は、ユーザーを正確で信ぴょう性があるクオリティの高いサイト、ページにいち早く導きたいからです。
ネット上にあふれる膨大な情報の中から、どれが本当でどれが嘘かを見極めるのはかなり困難です。それが専門的なものであればあるほどユーザーには判断がつきません。
そこで、ユーザーのお金や人生に大きく影響するものに関しては、特に厳しい評価基準を設けているYMYL領域でGoogleに評価されたものだけが検索上位に表示されるようになっています。
YMYLのアップデート履歴
Googleは、ユーザーによりクオリティの高いサイトやページにたどりついてもらうべく、年に数回、アルゴリズムのアップデートを行っています。
年月 | 内容 |
---|---|
2017年12月 | 医療や健康に関連する検索結果の改善(日本語検索のみ) |
2018年3月 | コアアルゴリズムアップデート |
2018年4月 | コアアルゴリズムアップデート |
2018年8月 | コアアルゴリズムアップデート |
2019年3月 | コアアルゴリズムアップデート |
2019年6月 | コアアルゴリズムアップデート |
2019年9月 | コアアルゴリズムアップデート |
2020年1月 | コアアルゴリズムアップデート |
2020年5月 | コアアルゴリズムアップデート |
アップデートのたびにYMYLのページは大きく順位が変動してしまうことも多いのですが、実は公式に発表されているYMYLのアップデートは、2017年に行われた「医療や健康に関連する改善(日本語検索のみ)」だけです。
このアップデート以前、いわゆるWELQ事件が大きな議論を巻き起こしたことから、Googleが対策に乗り出したのです。
YMYLとE-A-Tの関連性
Googleの品質評価ガイドラインには、下記のようなページの品質を評価する重要な5つの要素を示しています。
ページの目的
このページがそもそも何を目的として運用されているのか、何か不正な目的でページが作られていないかということが評価されます。
専門性、権威性、信頼性(E-A-T)
専門性(Expertise)
→サイトやコンテンツが業界に精通した知識・経験・スキルを持っているか
権威性(Authoritativeness)
→サイトやコンテンツがその業界でどのくらい認められているか
信頼性(Trustworthiness)
→サイトやコンテンツがそもそも信用できるものか
これらは頭文字をとってE-A-Tと呼ばれます。
メインコンテンツの質と量
そのサイトの顔となるメインコンテンツやメインページの質が低い場合は、評価がされません。量に関してですが、コンテンツの文字数に関しては特に言及されていません。以前は文字数が多い方が評価は高いとされていたようですが、現在は、文字が多いだけで肝心の内容が薄い場合には評価がされないようになっています。
情報発信者の提示
情報の発信者を提示することで、信頼性が高くなり、ひいてはユーザーの安心にもつながることから、評価が高くなります。
webサイトの評判
Webサイトの評判は、評価の高いサイトからリンクされることで高くなる仕組みです。
この5つの中でも、YMYLともっとも深いかかわりがあるのが、E-A-Tです。E-A-Tはページの品質において重要な要素とされており、YMYL領域においてE-A-Tが低いものは評価されません。逆にどのようなものなら良いのかというと、たとえば、医療情報の中でも医師が執筆している記事で、なおかつ病院が運営しているサイトに載っているものであれば信頼性は高く、Googleからも高い評価が得られるわけです。
つまり、YMYLの情報にかかわる人はE-A-Tを高めるような対策を講じていかなければ上位表示は狙えないのです。
YMYL領域のSEO対策
YMYL領域の正しいSEO対策の方法は以下が挙げられます。
サイト全体の情報を充実させる
品質を評価する5つの要素の中に、「メインコンテンツの質と量」というのがありましたが、メインコンテンツだけでなく、サブコンテンツ、さらにはサイト全体の情報を充実させることで、より評価を得やすい状況にしておきましょう。
誰が執筆したコンテンツなのか明確にする
特に専門性が高いコンテンツに関しては、だれが執筆したものなのかを必ず明確にしましょう。できればコンテンツ内に著者の詳しいプロフィールが書かれていることが理想です。ほかにも、著者のブログやSNSがあれば、そこにリンクさせても良いと思います。
公的な情報を参考にしてコンテンツを作成する
全てのコンテンツを専門家に執筆してもらうというのは難しいですよね。そういった場合には、情報の引用・参考元を公的な機関にすることで信頼性を確保するようにしましょう。
あくまでも引用は一部であり、文章を丸ごとコピーするようなことはしないでください。
専門家に添削、監修してもらう
一般の人が書いたコンテンツであっても、その分野の専門家が添削、監修したものであれば、誤った情報が世に発信されるリスクは低く、信頼性の高いコンテンツにすることができます。専門家に監修を受けた場合は、だれが監修したのかという情報もあわせて記載しましょう。
ユーザーが見やすいコンテンツにする
いくら専門性が高く、信頼に足るものであっても、ユーザーが読みにくいコンテンツでは高評価は得られません。できるだけ多くの人が理解しやすい言葉、文章構成を意識しましょう。
情報を常に最新の状態にしておく
何年も前の情報ばかりが並べられたサイトでは、当然のことながら高い評価は得られません。YMYLでは情報の鮮度も非常に重要なので、常に最新の情報を提供できるような状態にしてきましょう。
どうしてもYMYL領域で上位表示されない場合は?
一般の方が運営しているサイト、作成したコンテンツさらにはアフィリエイトサイトがYMYL領域で上位に表示されることは正直難しいです。そのため、思い切ってYMYL以外のジャンルで勝負してみるというのも一つの手です。
たとえば、ファッション・転職・ゲーム・グルメなどは、高い専門性というよりもどちらかというと個人の意見にニーズがあります。もちろんYMYL以外のジャンルであっても信ぴょう性は重要ですので、情報の出どころやだれが書いているのかなどは明らかにしましょう。
まとめ
Googleの検索精度というのはどんどん高まっており、徐々に信頼のおけるコンテンツなのか、サイトなのかという判別ができるようになってきています。そのため、ひと昔前まで横行していたような小手先だけのSEO対策だけでは検索順位を上げることはできません。
「YMYL領域のSEO対策」で紹介したようなことを一つずつ行って、地道に信頼性の高いものしていくことが重要になります。
また、ユーザーのお金や人生に大きく影響するYMYL領域はその都度見直しがされています。今まではYMYL領域に入っていなかったジャンルのものが新たに入る可能性もありますので、しっかり情報は追っていきましょう。