ブラックハットSEOとは
ブラックハットSEOというのは、質の低いコンテンツをGoogleが定めるガイドラインに反した不正な方法で検索順位を上げる手法です。
検索エンジンの精度が今よりも低かった時代は、アルゴリズムに抜け穴が多く、Googleの裏をかいたようなSEO対策で順位を操作することが可能でした。しかし、今ではこのブラックハットSEOを行うと、ペナルティを受けてしまいます。
ブラックハットSEOの代表的な手法
ではここからはブラックハットSEOの代表的な手法をいくつかご紹介します。
手法1:ペイドリンク・リンクプログラム
ペイドリンクというのは、他のサイトにお金を払うことでリンク付けをしてもらい、意図的に被リンクを増やす方法です。
WEBページを評価する上で、被リンクは重要な要素です。さまざまなサイトで紹介されているコンテンツはそれだけ優良なものであると判断され、上位に表示されます。そこを逆手にとり、被リンクを大量に購入して設置し、人気サイトを装って順位を上げるのです。
また、過剰なリンク交換や相互リンクを主な目的としたパートナーページを作成する「リンクプログラム」も被リンクを増やす手法として用いられていました。
手法2:ワードサラダ
自動で生成されたテキストコンテンツのことです。ワードサラダの特徴は、文法的には正しくても、文章としての意味がまったく通っていないことです。
なぜこのようなものが作られたかというと、ペイドリンクの部分でも説明したように、被リンクを増やすことが検索順位を上げる有効な手段だったので、被リンク用のサイトを大量に用意する必要がありました。
しかし、内容がないサイトからリンクを貼っても評価につながらないため、短時間でボリュームのある記事を作れるワードサラダが利用されました。以前までの検索エンジンは、文章が自然かどうかまでは判断できなかったので、ワードサラダでも通用したのです。
手法3:キーワードスタッフィング
特定のキーワードを過剰に詰め込むことをキーワードスタッフィングと言います。たとえば、ユーザーが「パンの作り方」と検索した際の表示順位が上がるよう、コンテンツ部分に「パンの作り方」というキーワードを不自然なほど詰め込みます。
ユーザーからすれば、このようなコンテンツは非常に理解しにくく、利便性も低いです。しかし、以前の検索エンジンは特定のキーワードが多く入っているという点を評価していたので、この方法でも検索順位を操作することができたのです。
手法4:隠しリンク・隠しテキスト
位置や色などを工夫して、一般ユーザーには見えないように設置されたテキストやリンクのことです。
たとえば、ページの背景が白だった場合、フォントの色も白にしてしまえば、ユーザーからはテキストが見えません。
しかし、検索エンジン側は読み取ることができるので、そこにキーワードを詰め込んでしまえば、検索結果を操作することができます。また、リンクの場合も背景と同一化したり、画像の背後に置いたりする手法が取られます。
手法5:クローキング
クローキングは検索エンジンとユーザーにそれぞれ異なるコンテンツを表示させる手法です。
たとえば、〇〇〇.comというサイトがあったとして、一般のユーザーがこのサイトをクリックした場合には、Aというコンテンツが表示されます。
一方で、検索エンジンがこのサイトを見た場合には、Bというコンテンツが表示されます。検索エンジン用のコンテンツには、特定のキーワードを多く含ませることで順位を操作するわけですが、これはいわば検索エンジンを欺いていることになるので、もちろんペナルティの対象です。
ホワイトハットSEOとは
ホワイトハットSEOは、現在主流になっているSEO対策で質の良いコンテンツを作るサイトを充実させるなど、Googleが推奨するガイドラインに沿ったSEO対策を行う手法です。
Googleが推奨するガイドラインには具体的に以下のものがあります。
検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド
検索エンジンに認識されやすいサイトを構築するための基本的な技法に関するガイドラインです。ここでは、サイトの運営者に向けて、ホワイトSEOの具体例が記載されています。
Webマスター向けガイドライン
品質に関するガイドラインとも呼ばれ、推奨されていないブラックハットSEOの手法が13個紹介されています。
Google検索品質評価ガイドライン
Google検索品質評価ガイドラインでは、Googleがどのようなページを高く評価したいのか、ということについて記載されています。
逆SEOに関する記事はこちらです。
ブラックハットSEOとホワイトハットSEOの違い
ブラックハットSEOとホワイトハットSEOにはどのような違いがあるのでしょうか。
違い1:Googleが定めるガイドラインに則っているかどうか
ホワイトハットSEOに関しては、基本的にGoogleが推奨するガイドラインに沿った形でSEO対策が行われています。しかし、ブラックハットSEOはガイドラインに沿っていないどころか抵触しているため、ペナルティの対象になります。
違い2:検索エンジンとユーザーの両方に焦点を当てているか
ブラックハットSEOは、不自然にキーワードを詰め込んだり、自動で生成された意味のわからない文章を掲載したりすることから、ユーザーのことはまったく考えられていない手法と言えます。
しかし、ホワイトハットSEOでは、使いやすいサイトにすることはもちろん、ユーザーのニーズに合った情報をわかりやすく伝えるコンテンツを豊富に掲載するなど、ユーザーのこともしっかり配慮されています。
ブラックハットSEOが衰退した背景
数年前までは、ペイドリンクやキーワードスタッフィングなどのブラックハットSEOが主流でした。
しかし、ブラックハットSEOがさまざまなところで横行した結果、低品質なコンテンツばかりが検索上位に表示されるという事態が起きてしまったのです。このような状態ではGoogleの信用が失われてしまうということで、「ペンギンアップデート」さらには「パンダアップデート」が行われました。
背景1:ペンギンアップデート
リンクの質に関する評価を見直し、低品質なリンクを受けているサイトの順位を落とすアルゴリズムです。
背景2:パンダアップデート
低品質なコンテンツで構成されたサイトの順位を下げ、良質なコンテンツで構成されたサイトの順位を上げるアルゴリズムです。
上記のアップデートが行われたことで、ブラックハットSEOを駆使していたサイトの順位がガタ落ちしただけでなく、ペナルティも受けるはめになったため、ブラックハットSEOは徐々に衰退していきました。
ホワイトハットSEOでアクセスを集めるポイント
現在、Googleに評価されているホワイトハットSEOでアクセスを集めるにはどうすればいいのかポイントをご紹介します。
ポイント1:良質なコンテンツを増やす
記事が数本しかアップされていないニュースサイトと、さまざまなジャンルのニュースが潤沢に掲載されているニュースサイトなら、どちらの方が閲覧したいと思いますか?おそらく後者ではないでしょうか。
コンテンツが不足しているサイトのアクセス数は、いつまでたっても伸びません。まずは良質なコンテンツを増やすことで、ユーザーの満足度を高めましょう。また、コンテンツを増やせば、それだけ集客の入り口が増えることにもなります。
ポイント2:競合他社と差別化できるようなコンテンツを用意する
ユーザーの検索意図を満たすような良質なコンテンツを増やすために、競合の上位サイトの傾向を分析する方も多いと思います。
上位に表示されているサイトのタイトル名やコンテンツ内容を参考にすれば、良質なコンテンツには近づきますが、競合他社とかわり映えしないコンテンツはGoogleから評価されません。
そこで、競合他社と差別化できるような情報(自身の経験談やお客様からの声など)をプラスしてあげると、ユーザーの検索意図を満たすだけでなく、Googleからの評価も得られやすいので、上位表示を狙うことができます。
ポイント3:自然な被リンクを増やす
不正に被リンクを増やすのは評価されませんが、自然な被リンクは高評価につながります。自然な被リンクを増やすためには、ユーザーのニーズとマッチした、質の良いコンテンツを制作することが重要です。
ユーザーのニーズを知るためには、キーワード調査を行う必要がありますので、キーワードプランナーやラッコキーワードなどのツールを利用すると便利です。
キーワード調査によってユーザーのニーズが洗い出せたら、それをコンテンツに落とし込みましょう。コンテンツを制作する際は、テキストだけではなく、図や写真を用いたり、ひと目でどんな内容かわかる目次を設定したりすると、ユーザーが見やすく、理解しやすいものになりますよ。
こうしたユーザーファーストのコンテンツを増やしていくと、ユーザーからの評価も得られやすく、自然と被リンクが増えていきます。
まとめ
以前はブラックハットSEOを行えば、一時的に検索上位に食い込むことができましたが、今では検索エンジンの精度が格段に上がってきていますので、小手先だけのSEO対策ではまったく順位を上げることはできません。
逆にブラックハットSEOを故意に行っているとGoogle側から認識されてしまうと、サイト自体の評価が著しく低下し、今後どんなに改善を行っても順位が上がらない、といった事態に陥ることもあります。
Googleから評価され、正当に検索順位を上げたいのであれば、ユーザーのことを考えたコンテンツ作りを行うなどのホワイトハットSEOを行うようにしましょう。