カスタマーサクセスとは何か? 〜わかりやすく要約〜
カスタマーサクセス(Customer Succes)を直訳すると「顧客の成功」です。BtoBマーケティングにおけるカスタマーサクセスをわかりやすく要約すると、「顧客の成功体験を促す活動」となります。
顧客の成功体験によって、自社の利益を最大化する考え方や戦略を包含した概念です。カスタマーサクセスを実現するためには、顧客企業のビジネスゴールやビジョンなどを理解し、能動的に関わっていくことが重要です。
戦略的なさまざまなアプローチを通じて、顧客に良質な体験をプロデュースし、そのビジネスを成功に導く一連のプロセスが、自社サービスのカスタマーサクセスです。
カスタマーサクセスが話題になったのは、アメリカのSaaS企業、セールスフォース(Salesforce)社における分業体制 “THE MODEL” が注目されたことが始まりです。 “THE MODEL” 型の組織は、以下の4部門で構成されます。
- マーケティング
- インサイドセールス
- フィールドセールス
- カスタマーサクセス
カスタマーサクセスは、それまではほとんど存在しない部門でした。しかし “THE MODEL” 型が注目されるにつれて設置する企業が増え、日本においても増えつつあります。
なお、カスタマーサクセスの意味や仕事内容について、以下の記事でできるだけわかりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
カスタマーサクセスの類似用語の意味および関係性
「カスタマー」や「顧客」がつく、カスタマーサクセスと類似した言葉がいくつか存在します。代表的なものは以下のとおりです。
- カスタマーサポート(Customer Support)
- 顧客体験(Customer Experience)
- 顧客満足度(Customer Satisfaction)
- 顧客ロイヤルティ(Customer Loyalty)
- 顧客エンゲージメント(Customer Engagement)
これらとカスタマーサクセスの関係性について、個別に見ていきましょう。
カスタマーサポートとの関係性
カスタマーサクセスと語感がよく似ている、カスタマーサポートは最も混同されがちな言葉と言えるでしょう。内容的にも一見似ています。どちらも、顧客をサポートする点では同じです。
顧客に成功体験を味わってもらうために、能動的に関わっていくカスタマーサクセスに対し、カスタマーサポートは困り事や疑問点が発生した際に、顧客のほうから関わってくる受動的なサポートです。
カスタマーサポートが具体的に手掛けるのは、電話やメール、チャットを用いた問い合わせおよび苦情への対応が基本となります。
両者の目的の違いからも見ておきましょう。
カスタマーサポートの目的は、顧客の不便や不満の解消によって顧客満足度を上げる、もしくは下げないよう維持することです。したがって、必要以上に顧客に関わるものではありません。
一方、カスタマーサクセスの目的は成功体験を実現するサポートです。よって積極的に関わっていく必要があります。
なお、カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いについては、以下の記事で5つの視点から掘り下げて解説していますので、ぜひ参考にしてください。
顧客体験との関係性
顧客体験はCX(Customer Experience)とも呼ばれます。購入前の検討段階から購入後も含めた顧客の体験そのものを指します。モノよりコトが重視される時代の流れから、顧客体験の概念はBtoBとBtoCの双方に浸透してきました。
カスタマーサクセスと顧客体験の違いは、前者が自社による顧客への関わり方であり、後者は顧客が得る(良くも悪くも含めての)体験です。つまり、カスタマーサクセスの精度が高ければ、顧客体験の質が向上する関係となります。
顧客満足度との関係性
顧客満足度はCS(Customer Satisfaction)とも呼ばれ、顧客が製品やサービスに満足する度合いを意味します。つまり、自社の働きかけで顧客満足度が上がれば、カスタマーサクセスの実現に近づくという関係性です。
顧客ロイヤルティ・顧客エンゲージメントとの関係性
顧客ロイヤルティは企業ブランドに対する「忠誠心」を指します。特定の企業の商材を多数利用する、または高額利用をする優良顧客はロイヤルカスタマーと呼ばれます。
一方、顧客エンゲージメントは商材ベースの愛着や関心などのポジティブな感情の総称です。顧客満足度と同様に、自社の働きかけで顧客ロイヤルティや顧客エンゲージメントが高まれば、カスタマーサクセスの実現に近づきます。
顧客エンゲージメントの概念については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にご覧ください。
カスタマーサクセスと営業との関係性
営業はカスタマーサクセスの働きかけと一見似ていますが、あくまで営業は成約前の、成約を目指したアプローチです。BtoBにおいて成約を目指す活動が営業といえるでしょう。
一方、カスタマーサクセスは成約後に、自社製品やサービスを活用して顧客企業が成功体験を得るためのアプローチです。つまり、働きかけるフェーズと目的が異なります。
とはいえ無関係ではなく、営業担当による成約後のフォローアップとカスタマーサクセス担当のアプローチは、いずれも継続(リピート)や関連販売(クロスセル)、グレードの格上げ(アップセル)を視野に入れた働きかけという点で共通しています。
そのため、カスタマーサクセス担当は営業との顧客情報の共有によって、精度の高いアプローチが可能になります。
カスタマーサクセスと営業の違いについては、以下の記事でゴール・使命・KPIの視点から解説していますので、ぜひ参考にしてください。
カスタマーサクセスがSaaSビジネスに欠かせない理由
SaaSビジネスにはカスタマーサクセスが欠かせません。それは、SaaSが提供するサービスやツールにおいて、顧客の成功体験が解約を防いで、サービス利用を継続させる何よりの決め手になるからです。
ではSaaSが普及する以前の、従来のBtoBの企業活動において重視されなかったカスタマーサクセスの概念が、なぜSaaSビジネスでは「欠かせない要素」として注目されているのでしょうか。その理由を紐解いていきましょう。
なお、マーケティングの成功事例について知りたいみなさんは、以下の記事で特集していますので、参考にどうぞ。
売り切り型ビジネスからサブスク型ビジネスへのシフト
これまでのBtoBビジネスが提供するシステムは、そのほとんどが売り切り型でした。販売後のテクニカルなフォローはカスタマーサポート部門が担当します。
したがって、営業は販売後の顧客について、あまり深く気にかける必要はありませんでした。顧客企業はそれらのシステム構築に高い費用を支払ってカスタマイズしたものを導入するので、多少の不満があっても数年程度では買い替えません。
要するに一旦納品すれば、カスタマーサポートが対応するかぎり、「売りっぱなし」で問題はなかったのです。
一方、SaaSツールはそれらの売り切り型商材とは、真逆の属性を持っています。ほとんどが月額制のサブスクリプション型(以下サブスク型)サービスになるので、顧客はイニシャルコストも月々のランニングコストもおおむね負担が少ない額です。
インフラ構築の必要がないクラウドへのシフト
さらに、ほとんどクラウド経由のサービスなので、物理サーバーやネットワークなどのインフラ構築という導入への障壁がありません。当然ながら、従来のシステム導入で必要だった多額の初期費用も、ほとんど掛かりません。
カスタマイズも顧客自身が比較的簡単にできるので、SaaSツールは利用のハードルがあらゆる面で低いのです。
加えてSaaSツールは、解約時のリスクが小さく、また多くの場合30日程度の無料体験で検討できます。そのため「試してイマイチなら契約しなければよい」「契約しても合わなければすぐやめればよい」というお手軽で都合のよいツールです。
顧客の成功体験はSaaSビジネスの生命線
ひるがえって提供するSaaS企業からすれば、せっかく成約しても顧客が不満を感じたり、競合がより優れたサービスをリリースしたりすれば、簡単に解約・乗り換えされるリスクがあります。
そもそも月額料金は少額なので、短期の利用で解約されてしまっては、利益どころか持ち出しになります。そういう背景から、SaaSツールにおいては継続利用してもらえるかどうかが、ビジネスの生命線となるのです。
だからこそ、使い始めて早い段階で、顧客に成功体験を味わってもらうカスタマーサクセスの戦略が重要となります。つまりSaaSツールにおいては、顧客の成功体験の総量がダイレクトに収益に反映するといえるでしょう。
なお、サブスク型SaaSビジネスの効果的なマーケティングについて、以下の記事で特集していますので、ぜひ参考にしてください。
カスタマーサクセスを測る5つのKPI
カスタマーサクセスを進めていく上で、道標となるKPI(重要業績評価指標)として、以下の5つが挙げられます。
- チャーンレート
- アップセル率
- クロスセル率
- オンボーディング完了率
- ライフタイムバリュー(LTV)
個々のKPIの内容を見ていきましょう。
チャーンレート
チャーンとは解約のことで、チャーンレートは「解約率」を意味します。チャーンレートを低く抑えれば抑えるほど利益は安定して得られ、高くなればなるほど利益が出にくく、悪くすれば赤字に転落します。
サブスク型のサービスで利益を上げるには、新規顧客を増やすことも大事ですが、それ以上に既存顧客の解約を防止することが重要です。なぜそうなるのかを、わかりやすく説明しましょう。
サブスク型ならではの収益構造
サブスク型ビジネスは、サービスをリリースした当初は、新規獲得顧客数が売上に直結します。獲得顧客の数の伸び、および客単価の伸びが総売上と比例します。
そしてサービスのリリース後に既存顧客が増えると、新規獲得顧客の売上に加えて既存顧客の継続による売上も積み上げられます。これが、サブスク型ならではの収益構造です。
具体例でシミュレーション
サブスク型ビジネスの解約が及ぼす影響を理解するために、例を挙げてシミュレーションしてみましょう。あるSaaS企業は年1000件の新規顧客を獲得し、そのうち40%が解約した場合、翌年は60%の継続率を維持しています。全体の契約数は1年目が1000件、2年目が1600件となります。
3年目は、新規顧客1000件、2年目の継続顧客が600件、3年目の継続顧客が360件で全体の契約数は1960件です。ただ、サブスク型サービスでは、継続率が年々上がるケースも珍しくありません。
2年目の継続率は60%でも、3年目に80%以上になるようなケースがあります。この例で言えば、3年目で全体の契約数が2000件を超えることになり、新規顧客と既存顧客のバランスが逆転します。
そのため、新規顧客の数を増やす以上に、既存顧客の解約率、つまりチャーンレートを抑えることがどれほど重要なのかがわかります。
4種類のチャーンレート法
チャーンレートには、算出基準によって以下の4種類があります。
- カスタマーチャーンレート
- アカウントチャーンレート
- グロスレベニューチャーンレート
- ネットレベニューチャーンレート
1.カスタマーチャーンレート
顧客数を基準にした指標です。解約数を期首の顧客数で割ることにより求められます。
【計算式|単位:%】
一定期間内の解約数 ÷ 期首の顧客数 × 100
2.アカウントチャーンレート
顧客は複数のアカウントで利用することがあるので、顧客数とアカウント数は同じではありません。10アカウントを持っていた1顧客が半分減らした場合、5アカウントが消失します。
期間内で消失したアカウントを基準に算出するのがアカウントチャーンレートです。消失アカウントを期首のアカウントで割ることにより求められます。
【計算式|単位:%】
期間内の消失アカウント数 ÷ 期首のアカウント数 × 100
3.グロスレベニューチャーンレート
利用サービスの収益額を基準に算出するのが、グロスレベニューチャーンレートです。期間内の損失額を期首の定期収益額で割ることにより求められます。
【計算式|単位:%】
期間内の損失額 ÷ 期首の定期収益額 × 100
4.ネットレベニューチャーンレート
既存顧客の解約およびダウングレードにより失った収益から、同じく既存顧客のアップ&クロスセル(新規顧客はカウントしない)による増収を差し引いた額を基準とする指標が、ネットレベニューチャーンレートです。
前出の3種類のチャーンレートは必ずプラスの数値になりますが、ネットレベニューチャーンレートに関してはマイナスもあり得ます。解約による損失よりもアップ&クロスセルで得た収益が優っていれば、解約率はマイナスです。
マイナスの解約率とは、通常は減っていく既存顧客の定期収益が増えることを意味します。そこに新規顧客の新たな収益が加わるので、サブスク型ビジネスとして理想的な状態です。
つまり、チャーンレートは基本的に下げるのを目指しますが、ネットレベニューチャーンレートは下げるだけでなく、さらにマイナスを目指す指標といえるでしょう。
【計算式|単位:%】
(期間内の損失額 – 期間内の増収額) ÷ 期首の定期収益額 × 100
ネガティブを目指せ?ネガティブチャーンとは
ちなみにマイナスのネットレベニューチャーンレートを「ネガティブチャーン」と呼びます。名称とうらはらに、事業が成長傾向であるポジティブな状態です。チャーン(解約)がネガティブな意味なので、二重否定で肯定的な意味を持ちます。
既存顧客の数が減っても、既存の優良顧客(ロイヤルカスタマー)がより高額なサービスを利用すればネガティブチャーンになり、経営効率が良い状態と判断できます。
他の3つのチャーンレートはどちらかといえば営業視点よりの指標ですが、ネットレベニューチャーンレートは経営視点から見た指標といえるでしょう。
サブスク型ビジネスにとって顧客数の獲得は、もちろん非常に大事なことです。ただしアカウントの増減だけではなく、損益との関係にも常に注目しなければ、適切な意思決定ができなくなるので注意しましょう。
アップセル率
アップセル率は、顧客単価の上昇にかかわる指標です。利用サービスの契約プランを、当初のものからより高額なプランに移行(アップセル)することで増える収益を示します。
カスタマーサクセスの働きかけによって顧客からの信頼度が上がれば、アップセルを促せます。なお、キャンペーン開催などで短期的なアップセル促進もできますが、顧客満足度がそれに見合わなければ解約されるリスクがあるので要注意です。
クロスセル率
アップセル率と同様、クロスセル率も顧客単価の上昇にかかわる指標です。こちらは当初のサービスは継続しつつ、関連する別のサービスも追加契約してもらう(クロスセル)ことで増える収益を示します。
こちらもカスタマーサクセスの働きかけによって、大きさはともかく何らかの成功体験があってこそ、追加サービスを検討してもらえます。さらに追加サービスの満足度が高ければ、安定した継続利用が見込める優良顧客(ロイヤルカスタマー)となるでしょう。
オンボーディング完了率
顧客にサービスの基本的な使い方を理解してもらうまでの期間をオンボーディングと呼びます。乗り物に乗る状態 “on board” から転じて、運用できる(自立歩行できる)までの期間を指します。
提供サービスごとに、社内で決めた基準を達成した際に「オンボーディング完了」と見なします。オンボーディング期間の企業数を分母とした、オンボーディング完了企業の割合がオンボーディング完了率です。
オンボーディング期間が長いほど、顧客企業にとって「未使用ゆえに業績に反映しないコスト」が積み上がります。そのため、オンボーディング完了率が下がることは解約リスクの上昇につながるのです。
そういう意味でオンボーディング完了率を高める施策は、カスタマーサクセスの実現に必要なアプローチとなります。
なお、カスタマーサクセスの全フェーズに影響を与える導入作業ともいえるオンボーディングについて、以下の記事で詳細に解説していますので、ぜひ参考にご覧ください。
ライフタイムバリュー(LTV)
顧客1人あるいは1社が、製品・サービスの購入・契約から解約するまでの期間に、提供する企業にもたらす価値の総量を示す指標がライフタイムバリュー(以下LTV)です。
継続的な取引を前提とした概念なので、SaaSビジネスのようなサブスク型ビジネスモデルの収益性を考えるKPIとして有効です。
【LTVの計算方法】
平均単価 × 平均顧客寿命(平均契約期間)
LTVを高める要素の平均単価と平均顧客寿命(平均契約期間)にもそれぞれKPIを設定し、各KPIの達成を目指すのが賢明です。
「平均単価」を上げるためには「アップ&クロスセル」のアプローチ、「平均顧客寿命」を伸ばすためには「解約の回避」を目指すアプローチが必要となります。
なお、カスタマーサクセスのKPIについて設定の注意点や達成のポイントを含め、以下の記事で徹底解説していますので、そちらもぜひ参考にしてください。
カスタマーサクセスを書籍で学ぶ!厳選おすすめ本5選
カスタマーサクセスを書籍で学ぶのにふさわしい、おすすめの書籍を厳選して5冊ご紹介します。
THE MODEL
この本は「カスタマーサクセス」という概念や業務領域を、ビジネス界に広めるのに一役買っています。
セールスフォースやオラクルにて、SaaSビジネスの急成長の現場に立ち合った経験を持つ著者が「再現性」と「科学的アプローチ」および「ビジネスの成長」を重視したビジネスモデルを提案しています。
セールスフォース社のビジネスプロセスを国内SaaSに落とし込む
SaaSの世界で注目を集める “THE MODEL” とは、セールスフォース社で実践されている法人営業のプロセスに関する分業体制です。本書では “THE MODEL” を踏まえ、日本のSaaSビジネスの現状に適したプロセスを紹介しています。
数値の裏付けをもとにした分析や営業の心理を読み解くメソッド、組織のポテンシャルを引き出す経営視点の考え方まで、濃厚な経験にもとづく明解な論陣を張る、SaaSのバイブル的な存在といえる一書です。
THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス | 福田 康隆
カスタマーサクセスとは何か――日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」
この本は、「売り切りモデル」が行き詰まり、新しい経済原理が広がる中で日本企業が目指すべき、デジタル時代の「お得意さま」戦略を解説しています。
著者は今後のビジネスの最重要課題を明解に語りつつ、カスタマーサクセスは日本の企業にこそ必要な概念であると主張します。カスタマーサクセスの「必然性」と「本質」にフォーカスし、理解しやすいことを重視してシンプルな解説に徹した内容です。
多くの業界でサブスク型が広がるビジネス環境において、最重要課題といえる「カスタマーサクセス」の入門としておすすめできる一書です。
カスタマーサクセスとは何か――日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」 | 弘子 ラザヴィ
カスタマーサクセス・プロフェッショナル――顧客の成功を支え、持続的な利益成長をもたらす仕事のすべて
この本は、DX時代のキータスクとなるカスタマーサクセスの本質と必要なスキル、実践方法と指針を網羅しています。具体的に、カスタマーサクセスとはどういうものか、その担当者はどう考え、何をなすべきなのかを豊富な情報で裏打ちして語られた内容です。
クラウドとサブスク型ビジネスが飛躍的に伸び、世界中の企業がDXに取り組む中で、今後いっそう重要となる「カスタマーサクセス」の先駆者の実践事例、具体的指針が網羅された、カスタマーサクセス担当者必読の一書です。
カスタマーサクセス・プロフェッショナル――顧客の成功を支え、持続的な利益成長をもたらす仕事のすべて|アシュヴィン・ヴァイドゥヤネイサン (著), ルーベン・ラバゴ (著)
カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則
この本は、顧客との関係づくりの新常識として「カスタマーサクセス」を捉え、「対応」から「伴走」への発想の転換を教えています。
あらゆるビジネス分野で広がるサブスク型において、企業は「売り切り」から「長く使ってもらう」スタンスに変化し、データを最大限に活用して顧客に関わるべきであると著者は主張しています。
カスタマーサクセスはどれほど重要なのか、定期収益をどうすれば増やせるのか、そして組織とマネジメントはどう変容すべきかを、先進企業のカスタマーサクセスの取り組みを紹介しながら、実践的に解説した内容の濃い一書です。
カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則 | ニック・メータ, ダン・スタインマン, リンカーン・マーフィー, バーチャレクス・コンサルティング
カスタマーサクセス経営: 顧客に成功と優れた体験(CX)を届けるプロダクト主導型成長(PLG)戦略
この本では、デジタル時代に成長する企業に共通する「顧客を中心に据えた経営」の本質および重要性、そして方法論までを網羅しています。顧客体験の変遷を、あたかもそれぞれの顧客の顔が浮かぶほど綿密にデータから把握し、タイムリーなアプローチを掛ける方法論がテーマです。
その実践のためには、従来の分業体制ではなく、複数のセクションが業務領域の壁を超えて連携する組織総力戦が必要だと説かれています。
大きく飛躍する企業の成長エンジンの秘訣ともいえる「カスタマーサクセス経営」、加えて「プロダクト主導型成長(PLG)戦略」について、丁寧でわかりやすく解説したSaaS企業経営者および決裁者向けの一書です。
カスタマーサクセス経営: 顧客に成功と優れた体験(CX)を届けるプロダクト主導型成長(PLG)戦略|ミッキー・アーロン (著), ニック・ボンフィーリオ (著), 弘子ラザヴィ
なお、ここでご紹介したものも含め、カスタマーサクセスが学べる本の中からAmazonレビューの星4つ以上限定で、以下の記事でご紹介しています。書籍で学ぼうという場合には、ぜひ参考にしてください。
まとめ
カスタマーサクセスという、十数年前では語られなかった概念が、ここにきて現代を象徴するサブスク型ビジネスの重要テーマになっている背景を、さまざまな角度から立体的に解説しました。
SaaS事業関係者のみなさんは、ここでご紹介した情報および関連記事の情報を参考にしていただき、カスタマーサクセスへの取り組みによって、「買い手」の成功体験が「売り手」の成長に連動するポジティブな連鎖をぜひ巻き起こしてください!
また、マーケティング活動において極めて重要な部分である「広告」について、その種類や戦略を以下の記事で徹底解説しています。興味があるみなさんは、ぜひご一読ください。
なお、マーケティングの基礎から学び始めたいと考えているみなさんは、まず以下の誌上セミナーをご覧いただいてから、学習計画を立ててください。
【コンテンツマーケティング担当者必見:おすすめ記事】
【デジタルマーケティング担当者必見:おすすめ記事】
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